はじめに:冠模試とは? 普通の模試の違い
冠模試とは、模試の名前に大学名が入っている模試のことです。例えば、東大オープン・京大実戦・阪大プレといったように、模試の名前の先頭に冠のように大学名が入れられています。
予備校がそれぞれの大学の傾向に合わせて作成するため、難関大学を志望する受験生なら、冠模試の受験は必須と言えます。
冠模試を普段の模試と同じように受けるのは、正直もったいないです。
冠模試を最大限に活用するために、対策や心構えをしてから受験しましょう!
この記事では冠模試への臨み方を、受験前と受験当日の対策・受験後の復習まで徹底解説します。ぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
【冠模試を受ける意味】受験当日をイメージした実践練習になる
冠模試には普段の模試と異なる部分が3つあります。
- 出題形式が事前に詳しく分かる
- 受験生のレベルが、自分と同じくらい
- 受験会場の雰囲気が受験当日の環境に最も近い
- 難関大志望の人が受験するため、総じてレベルが高い
- 知り合いがいない場合も多い
冠模試は出題形式が各大学の2次試験に似ているので、過去問を見れば、出題形式を予想できます。
一方、普段の模試は滅多に過去問が手に入らないので、出題形式は分からないことが多いですよね。
受験当日は全員が出題形式を知っている状態からスタートするので、冠模試を使ってこの状態に慣れておくことが必要ですよ。
冠模試を受ける受験生の実力は、入試本番と同じくハイレベルで拮抗しています。
普段の模試は受験層が幅広いことも多いですが、冠模試は受験層が限られている分、自分と同じ程度の実力を持つ受験生同士の競争になり、1点を争う極限の状態を経験できますよ。
冠模試は本番の緊張感を味わえる良い機会です。
緊張感を生み出す要因は、主に
の2点です。
普段の模試と違って試験会場がピリピリした雰囲気に包まれるので、飲み込まれてしまう危険性があります。
やはり受験本番前に、この緊張感を体験しておくことが重要ですよ。
冠模試受験前にするべき対策と準備
【冠模試受験前】①志望校の過去問を見て形式、範囲を知る
まずは受験する大学の過去問を見て、出題形式や出題傾向を把握しましょう。
この際、出題傾向が変化している可能性があるため、1年分だけでなく数年分の過去問を確認すると良いですね。
冠模試を受ける時期なら、まだ過去問演習まで進んでいない教科もあるはず。
しかし、そのような教科でも出題形式だけは必ず確認しましょう。対策を練るためには必要です。
【冠模試受験前】②具体的な対策を考える
過去問演習が進んでいるか否かで対策を変えるのがおすすめです。
既に過去問演習が進んでいる教科
既に過去問の形式に慣れている教科は、出来る限り本番を想定した計画を立てましょう。考える項目は以下の通りです。
- 時間配分・解く順番で得点を最大化する
- 捨て問の有無を決めて、効率的に時間を使う
- 手が止まった時を想定して対処法を決めておく
最初に解くべき問題は、得意分野と知識問題です。この2つを時間をあまりかけずに解き進めましょう。
すると、試験時間後半に苦手分野や時間のかかる問題に多くの時間を使えるので、得点を最大化しやすいですよ。
自分の実力や大学の出題傾向を加味し、捨て問の有無をあらかじめ決めておきましょう。
特に問題数が多い場合、捨て問を作るかどうかを事前に決めておくと良いですよ。
捨て問を作ると、解くと決めた問題に多くの時間を割くことができ、完答できない問題でも部分点を稼げるため、得点が積み重なりやすいです。
一方、捨て問とした問題が予想より簡単で、受験後に「捨て問にしなければ解けていた……」と思う可能性もあります。
時間との勝負になるので、それぞれメリットとデメリットがありますね。
過去問の形式に慣れている教科であれば、戦略を立てることに挑戦しましょう。模試なので、経験値を得ることが重要ですよ。
手が止まると、焦って冷静な思考が失われがちですよね。事前に対処法を決めておくことで、挽回できますよ。
例として、一旦他の問題に移る、問題から眼を離して深呼吸する、などがあります。自分で決めた対処法に慣れておくと、受験本番でも役立ちますよ。
過去問演習が進んでいない教科
過去問に触れたことがない教科だと、自分の得点率はなかなか想像できないはず。それでも時間配分だけは必ず決めておきましょう。
時間配分を決めておくことで、模試を受けるときの目標になります。
対策が不十分な教科はただ受けるのみになってしまいがち。
さらに、対策が疎かだったことを言い訳にして、返却時に得点率の低さの原因を分析しない可能性があります。
時間配分と各問題の得点率の関係(時間をかけた割に点数が伸びていない、時間があればこの問題は解けた、など)が模試返却時の反省材料となるので、模試を有効活用できますよ。
前日までに計画を紙に書いて持っていき、当日直前に確認しましょう。
冠模試当日・直前に気を付けること
ここでは、冠模試受験当日の心構えについて解説します。
【冠模試当日に気を付けること】①雰囲気に圧倒されないようにする
普段の模試との相違点でも挙げた通り、冠模試の雰囲気は普段の模試とは異なります。
不安に思う人もいるかもしれませんが、その雰囲気に飲み込まれないための心構えがあります!
それは、普段通りを心掛けること。具体的には、
- 使い慣れた単語帳や参考書で勉強
- 事前に決めた時間配分を確認
- 休み時間はイヤホンをして話し声を遮断する
- 好きなお菓子を食べて糖分補給
- 廊下を歩くなど軽い運動をする
など、普段の勉強や模試の際にルーティン化していることをそのまま行うことが大事です。
【冠模試当日に気を付けること】②落ち着いて諦めずに解く
試験が始まったら、あらかじめ決めておいた時間配分に沿って解いていきましょう。
冠模試は大学の本番の試験を模して作られているので、難しいのは当然です。
想定していなかった問題形式や範囲に出くわしたら焦るかもしれませんが、周りの受験生もきっと同じ気持ちです。淡々と解くことが大事ですよ。
何を書けばよいか分からなくなっても諦めないことが大事です。本番で難しい問題に出くわした時の練習だと思い、全力で足掻きましょう。
模試でも本番のように頑張れる人だけが、本番も力を発揮できますよ!
試験が一日中続き、最後の方になると疲れが出ると思いますが、妥協せず最後まで解き切りましょう!
【冠模試当日に気を付けること】④受験当日の夜に感想を書く
受験当日の夜に、受験の感想を書き留めておくのがおすすめです。各教科の反省や、試験全体の感想を書き残しておきます。
当日の率直な感想を書き残すことで、実際の結果と比較できます。
手ごたえと結果は必ずしも一致しないものです。手ごたえが無くても落胆しすぎず、翌日からは普段の受験勉強へと頭を切り替えましょう。
冠模試が終わった後・返却後にするべき対策と準備
【冠模試返却後】①点数を計算し直す
冠模試が返却されたら、まず各教科の配点を、自分が志望する学部・学科の配点に計算し直しましょう。
大学によっては学部・学科ごとに配点が異なることもあるので、計算し直すとその後の分析がしやすくなります。
配点の変換が終わったら得点率も計算します。教科ごとの得点状況が分析しやすくなりますよ。
【冠模試返却後】②教科ごとに結果を分析する
分析する点は以下の通りです。
- 時間配分は適切だったか
- (得点率が低い教科は)その原因が形式に慣れていないからか、実力不足か
- 本番の目標得点率に達しているか
- 当日の手ごたえとの違いはどうか
違う時間配分だったら取れた問題はあるかを考え、過去問演習や本番時の参考にしましょう。
形式に不慣れなせいで思うように得点できなかったならば、酷く落ち込む必要はありません。これからの過去問演習で慣れていけばよいのです。
一方、原因が実力不足であれば、点数を伸ばせそうな分野を探し、そこを重点的に対策しましょう。
計算した得点率と比較して、教科ごとのバランスなどを確認しましょう。
試験本番が近づく中、各教科への勉強時間の振り分け方を考える際によい指標になりますね。
受験当日に書き残しておいた感想と実際の結果を比べてみましょう。
感想よりも出来が悪かった教科は要注意。知識や解法の覚え間違いをしている可能性があるため、早急に見直して穴を埋めましょう。
【冠模試返却後】③判定、順位を確認
特に志望者内での順位に注目。
後何人抜けばよいか、抜くためには何点あげる必要があるかを確認し、以降の勉強計画を見直します。
判定が低くても、定員内に入るために抜く必要がある人数は意外に少ない場合もあるので、判定だけで諦めるのは早計ですよ!
最後に
冠模試は受験本番ではありません。たとえ偏差値や判定が低くても、不合格が決まったわけではありません。
筆者は冠模試の国語の偏差値が35でした。返却時には愕然としましたが、その後対策を取る良い契機となり、本番は平常心で解けました。
過度に身構えることなく落ち着いて臨めば、きっと実力を発揮できるはず!