【3分で分かる!】剰余の定理の内容と証明(練習問題つき)

剰余の定理を使うと、多項式を一次式で割った余りを一瞬で求めることができます。入試でも使うことがありますが、問題文で「剰余の定理を使え」とは指定されないため、自分でスラスラ使いこなせるようにしないといけません。

そこで今回は剰余の定理とその証明の解説をします。

最後には理解を深めるための練習問題を、基本から応用まで3問用意しました。

ぜひ最後まで読んで剰余の定理をマスターしてください!

剰余の定理とは

剰余の定理とは、
多項式\(P(x)\)を\((x-a)\)で割った余りは\(x\)に\(a\)を代入した\(P(a)\)になる
ことです。

ちなみに多項式\(P(x)\)を\((ax-b)\)、つまり\(a×(x-\frac{b}{a})\)で割った余りは\((x-\frac{b}{a})\)で割った余りと等しく、\(P(\frac{b}{a})\)になります。

そして\(P(a)=0\)のパターンが因数定理です。

因数定理とは、
多項式\(P(x)\)が\((x-a)\)で割り切れる⇔\(P(a)=0\)
ことです。

因数定理について詳しくはこちらをご覧ください。

因数定理の証明と使い方、練習問題まとめ

2017.04.09

剰余の定理の証明

それでは剰余の定理の証明をします。証明自体を覚える必要はありませんが、とても簡単なのでぜひ一度は確認してください。

多項式\(P(x)\)を\((x-a)\)で割った商を\(Q(x)\)、余りを\(R\)とします。

なぜ商を\(Q(x)\)と表すのか?

商が\(Q\)となっていると、このあと\(x\)に\(1\)を代入する、などの操作をする際に分かりづらいのです。

多項式\(P(x)\)が二次以上の式だった場合、それを一次式で割った商\(Q(x)\)は\(x\)の入った一次以上の式です。たとえば\((x-1)(x+1)\)を\((x+1)\)で割った商は\(Q(x)=x-1\)となります。

\(Q(x)=x-1\)の場合、\(x\)に\(1\)を代入すると
\(Q(1)=1-1=0\)
ですから、\(Q(x) \neq Q(1)\)であることが分かります。

しかし、商が\(Q\)だけだと\(Q(x)\)のことか\(Q(1)\)のことか分かりません。数学では、等しくないものを同じ記号で表すことを嫌います。だから\(Q(x)\)と\(Q(1)\)のように書き分けているのです。

ちなみに、一次式で割っているので、余り\(R\)は一次よりも次数が小さい式、つまり\(x\)の入らない定数になります。

これを式で表すと、
\(P(x)=(x-a)Q(x)+R\)
ここに\(x=a\)を代入すると、
\(P(a)=(a-a)Q(a)+R=R\)
となります。

よって、多項式\(P(x)\)を\(x-a\)で割った余り\(R\)は\(P(a)\)に等しいことが分かりました。

練習問題

それでは剰余の定理を使って練習問題を解いてみましょう!

全部で3問あります。

問題1

多項式\(x^2+2x+3\)を\((x-2)\)で割った余りを求めよ。

問題1の解答・解説

剰余の定理を適用するだけです。

\((x-2)\)で割った余りを求めたいので、\(P(x)=x^2+2x+3\)に\(x=2\)を代入します。

\(P(2)=2^2+2×2+3=4+4+3=11\)

よって答えは\(\style{ color:red; }{ 11 }\)です。

実際、
\(x^2+2x+3=(x-2)(x+4)+11\)
となります。

次から応用問題になります。

問題2

多項式\(P(x)=x^3+2x^2+x\)を\(x^2+2x-3\)で割った余りを求めよ。

問題2の解答・解説

二次式での割り算の余りにも、剰余の定理が使えます。(同様の方法で三次以上の式で割った場合でもできます。)

二次式で割った余りは一次式または定数、つまり\(ax+b\)の形になります。この割り算の商を\(Q(x)\)とすると、
\(P(x)=(x^2+2x-3)Q(x)+ax+b\)

\(x^2+2x-3=(x+3)(x-1)\)
と因数分解できるので、
\(P(x)=(x+3)(x-1)Q(x)+ax+b\)

次に\((x+3)\)、\((x-1)\)それぞれで割った余りを求めます。

①\((x+3)\)で割った余りは\(P(x)=x^3+2x^2+x\)に\(x=-3\)を代入したものなので、
\(P(-3)\)
\(=(-3)^3+2(-3)^2+(-3)\)
\(=-27+18-3\)
\(=-12\)

また、\((x+3)\)で割った余りは\(P(x)=(x+3)(x-1)Q(x)+ax+b\)に\(x=-3\)を代入したものでもあるので、
\(P(-3)\)
\(=(-3+3)(-3-1)Q(-3)+(-3)a+b\)
\(=-3a+b\)

よって
\(-3a+b=-12\)

②\((x-1)\)で割った余りは\(P(x)\)に\(x=1\)を代入したものなので、
\(P(1)\)
\(=1^3+2×1^2+1\)
\(=1+2+1\)
\(=4\)

また、\((x-1)\)で割った余りは\(P(x)=(x+3)(x-1)Q(x)+ax+b\)に\(x=1\)を代入したものでもあるので、
\(P(1)\)
\(=(1+3)(1-1)Q(1)+1×a+b\)
\(=a+b\)

よって
\(a+b=4\)

①と②からできた連立方程式
\(\left\{
\begin{array}{l}
-3a + b = -12 \\
a+b= 4
\end{array}
\right.\)
を解くと、\(a=4,b=0\)となります。

よって多項式\(P(x)=x^3+2x^2+x\)を\(x^2+2x-3\)で割った余りは
\(ax+b=\style{ color:red; }{ 4x }\)
です。

実際、
\(x^3+2x^2+x=x(x^2+2x-3)+4x\)
となります。

問題3

多項式\(P(x)=x^3+x^2+ax+b\)を\((x-1)\)で割った余りが\(3\)、\((x+1)\)で割った余りも\(3\)のとき、\(a,b\)の値を求めよ。

問題3の解答・解説

①\(P(x)\)を\((x-1)\)で割った余りは\(P(1)\)なので、
\(P(1)\)
\(=1^3+1^2+a+b\)
\(=2+a+b\)

よって、
\(2+a+b=3\)

整理すると
\(a+b=1\)

②\(P(x)\)を\((x+1)\)で割った余りは\(P(-1)\)なので、
\(P(-1)\)
\(=(-1)^3+(-1)^2-a+b\)
\(=-a+b\)

よって、\(-a+b=3\)

①と②からできた連立方程式
\(\left\{
\begin{array}{l}
a + b = 1 \\
-a+b= 3
\end{array}
\right.\)
を解いて、\(\style{ color:red; }{ a=-1,b=2}\)です。

因数定理と合わせて覚える

いかがでしたか?

剰余の定理はとても便利な定理です。因数定理もかなり重要なのでぜひ合わせて覚えてください!

因数定理の証明と使い方、練習問題まとめ

2017.04.09



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