医学部再挑戦への道「編入入試」とその難易度とは?

医学部再挑戦への道「編入入試」とその難易度とは?

「医学部編入」とは?

医学部へ入学するための選抜方法の一つです。医学部以外にも編入入試が実施される学部はありますが、医学部が特に有名ですね。

編入入試を受験するためには一旦大学を卒業しているか、2年以上大学に在籍し、かつ編入先の大学が指定する単位を取得している必要があります。

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医学部編入に必要な偏差値と入試科目

医学部編入入試の偏差値帯

編入試験は受験する人数が少なく、また合格者も少ないため一般の大学入試の偏差値と一概に比べることはできません。しかし少なくとも旧帝大以下(偏差値65以下)ということはなさそうです。受験者層も旧帝大・早慶出身者が多いということを考えると、偏差値は65~75と推測することができます。

医学部編入入試の入試科目

入試科目は大学によって異なりますが、主に科学分野に関する小論文や英語、数学、理科などがメインです。理科は生命科学や自然科学など、大学レベルの知識を要求される科目を出題している大学もあります。

また面接やグループワーク、プレゼンテーションなど、知識だけではなく受験者の人物像を見る形式の試験を採用している大学もあります。一般入試に比べより社会における実用的な能力が要求されると言えるでしょう。

この記事の最後に編入入試を実施している大学と入試科目を一覧で掲載しているのでそちらもご覧ください。

医学部「再受験」との違い

一度大学に入学してから医学部に入学し直すには、編入以外に再度医学部を一般入試で受験する「再受験」という受験方法もあります。むしろ世間的にはこちらの方が一般的ではないでしょうか。

なぜ再受験ではなく、編入入試が注目されるのでしょうか。この2つの受験方法の違いについて、比較することで編入入試の特徴を理解しましょう。

入試の難易度の違い

医学部再受験と編入では入試としての難易度が違います。これは必要科目と受験者層がそれぞれの形態で異なるためです。

医学部再受験では、センター試験を受験し二次試験を受験しなくてはならないため、学習する必要のある科目が非常に多いのに対し、編入入試では英語や数学、科学系科目などに限られます。

また再受験では、現役の高校生や何年も医学部受験に挑戦している浪人生を相手に勝負しなくてはならないのに対して、編入入試では主に社会人が受験者層になります。学習にかけられる時間が少ない中での勝負になるため、再受験よりも受験者層のレベルは高くはありません。

合格定員が少ないのがネックですが日程さえ被らなければ複数の大学を受験することができるため、年に1度しかチャンスのない国公立医学部に比べれば受験のチャンスは広がります。

文系学部卒でも入りやすい

一般入試に比べ、受験のために学習が必要な理系科目が少ないので文系でも受験のハードルが低いと言えます。英語などの文系科目、小論文や面接などでは理系の受験者と差はない、あるいは有利な位置に文系出身者はいるため、一般入試に比べれば理系の受験者にハンデを負うことはありません。

2年次または3年次からの途中編入になる

「編入」と名付けられている通り、編入試験に合格すると2年次または3年次から入学することになります。医学部の1年次は教養科目が中心ですが、そういった一般教養の知識は身につけている前提で途中年次から入学することを認められるのです。

医学の実験や研修は2年次または3年次から始まる大学が多いので、途中編入だからといって医学的な知識でハンデとなることはないようです。

医学部編入対策におすすめの予備校

河合塾KALS

大学受験の大手、河合塾も医学部編入のためのカリキュラムを用意しています。国立大学医学部への編入実績が高く、2014年度は入学定員の約2人に1人が河合塾KALSの受講生となっています。大手予備校なので確かな指導力が魅力のようです。

河合塾KALS

慶応進学会フロンティア

社会人限定の医学部受験クラスが設置されています。合格保証のプログラムがあり、一度不合格になってもその後の年度は無料で受講が可能となっています。(最長3年)、入学の際は奨学金を支給してくれる手厚いサポートが魅力です。ただし、定員は6名に限定しているので、興味のある人は早めに問い合わせることをおすすめします。

慶応進学会フロンティア

PMD医学部専門予備校

マンツーマンによる個別指導で医学部学士編入を徹底サポートしてくれる編入試験専門予備校です。多様な受験生の状況に応じたオリジナルカリキュラムで効率よく指導してもらえるようです。非常に実績のある予備校ですが、九州にしか校舎がないため関東圏の方だと利用しづらいかもしれません。

PMD医学部専門予備校

独学での医学部編入は可能?

理系の方なら独学も十分可能

理系の方はすでに編入入試に必要な知識の大部分を一度学習しているはずですので、演習時間さえ十分に確保できれば独学でも合格が可能です。大学入試や大学入学後の学習で十分に勉強された方は過去問演習と復習をご自身で繰り返すことで、十分合格レベルまで到達できます。

ただし、面接やグループワーク、プレゼンテーションなどの特殊な試験、志望理由書などの書き方は大学に合った対策が必要となります。そういった特殊な内容に限定して予備校を利用して対策を行う、といった工夫は必要かもしれません。

文系の方は大学レベルの理系科目が鬼門

文系の方は、生命科学や自然科学など大学レベルの理系科目が入試で課されている場合には、独学は難しいかもしれません。こういった科目は独学よりもやはり専門の予備校講師の講義を受講した方が効率的な学習が可能だからです。

しかも文系の方の場合、そういった大学レベルの理系科目の前提となる高校レベルの理科の知識さえおぼつかない人が多いと思います。予備校で体系的に学習を行うことで、効率的に知識を習得することができるので、何がなんでも独学という考えは捨てた方が無難でしょう。

独学の方におすすめの参考書

医学部編入入試に独学で挑まれる方は、何よりも参考書や問題集選びが合格の鍵を握ります。以下におすすめの参考書を挙げていますので学習の参考にしてください。

医学部編入への 生命科学演習

生命科学という分野は高校でいうと生物にあたる範囲で、主に細胞生物学や遺伝学などが含まれます。医学部編入では高校生物よりもレベルの高い内容を学習する必要があります。

この参考書は生命科学で必要な知識を網羅的に掲載しているので、通読におすすめの参考書です。ただし一部は高校生物の知識を前提に省略して書かれている部分もあるので、初学者は一度高校生物の教科書を一読してから解くと理解がしやすいかもしれません。

医学部学士編入をめざすあなたへ (赤本ポケットシリーズ)

参考書というよりは、医学部編入入試についての概要が学べる一冊です。医学部編入試験合格者が執筆しているので非常に参考になる情報が満載。

大学受験を経験したことがある方であれば、赤本の一番最初にある問題以外の部分が1冊にまとめられていると言った方がわかりやすいかもしれません。

医学部編入志望者、必読の1冊と言えるでしょう。

医学部編入への英語演習

医学部編入入試の過去問を中心に英文を集めた問題集です。テーマ別に問題が収録されているので非常にわかりやすい構成になっています。

内容を見てみると、放射線、CTスキャン、遺伝やiPS細胞など医学関連の英文が多いことに気がつくでしょう。英単語も、医療系のものばかりを厳選した重要単語を収録しているので医学部編入入試で英語が課される受験者には必読でしょう。

過去問

残念ながら医学部編入の入試問題をまとめた過去問集で、市販されているものは非常に少ない状況です。どうしても過去問演習を積みたいという方は予備校のカリキュラムを受講するか、大学に問い合わせてみましょう。

大学によっては募集要項と一緒に送ってくれたり、過去問を掲載しているページを送ってくれたりすることがあるようです。

医学部編入を実施している大学一覧

最後に医学部の編入入試を実施している大学をまとめました。受験の際の参考にしてください。

国立大学・公立大学

大学名 募集人員 1次試験科目 2次試験科目 編入年次
旭川医科大学 10名 生命科学、英語 集団面接、個人面接 2年次編入
北海道大学 5名 生命科学総合問題 課題論文、面接 2年次編入
弘前大学 20名 書類(TOEFL)、基礎自然科学・数学 自己推薦書に基づく個人面接、ワークショップ 2年次編入
秋田大学 5名 書類審査 小論文、生命科学、面接 2年次編入
群馬大学 15名 小論文Ⅰ、小論文Ⅱ 面接試験等 2年次編入
筑波大学 5名 学力試験(英語・数学、化学・生物学)、口述試験 2年次編入
千葉大学 5名 英語、生命科学・自然科学、小論文 面接資料作成、面接 3年次編入
東京医科歯科大学 5名 数学・物理、化学・生物、自然科学総合問題(英語) 面接 2年次編入
新潟大学 5名 数学・物理、化学・生物、書類(TOEIC) 個別面接試験 2年次編入
金沢大学 5名 (第1次選考)書類選考 書類(TOEFL)、生命科学、個別面接 2年次編入
富山大学 5名 科学論文読解、論文試験、課題作文 口頭発表、面接 2年次編入
福井大学 5名 自然科学総合(生命科学/英語含む) 面接 2年次後期編入
福井大学 5名 自然科学総合(生命科学/英語含む) 面接 2年次編入
浜松医科大学 5名 生命科学、英語 小論文、個人面接 2年次編入
名古屋大学 5名 英語、生命科学を中心とする自然科学 小論文、面接 3年次編入
滋賀医科大学 17名 書類選考、総合問題、英語 小論文Ⅰ、小論文Ⅱ、個人面接 2年次後期編入
大阪大学 10名 物理学、化学、英語、生命科学 小論文、面接 2年次編入
神戸大学 5名 生命科学と英語の総合問題、書類審査 口述試験(プレゼンテーションあり) 2年次編入
奈良県立医科大学 1名 学科試験(英語、数学、理科) 面接(口頭試問) 2年次編入
鳥取大学 5名 基礎科学、書類(課題論文など) 英語、面接 2年次編入
島根大学 10名 英語、自然科学総合問題、書類審査 面接 3年次編入
岡山大学 5名 書類審査 生物学、科学英語、面接 2年次編入
山口大学 10名 学科試験(自然科学)、小論文試験(英語含む) 面接試験(集団面接、個人面接等) 2年次編入
香川大学 5名 自然科学総合問題、書類(TOEIC) 面接(自己推薦書、研究課題・論文リストを事前提出) 2年次編入
高知大学 5名 英語、数学、物理学、化学、生物 面接、グループワーク 2年次編入
愛媛大学 5名 英語、自然科学総合問題、小論文 個人面接(プレゼンテーションあり) 2年次編入
長崎大学 5名 生命科学系科目、英語 小論文、面接 2年次編入
大分大学 10名 (第1次選抜)書類選考 生命科学に関する総合問題、英語、個人面接、集団面接 2年次後期編入
大分大学 10名 (第1次選抜)書類選考 生命科学に関する総合問題、英語、個人面接、集団面接 2年次編入
鹿児島大学 10名 学力試験Ⅰ(理科:生物学が中心)、学力試験Ⅱ(英語) 個別面接 2年次後期編入
琉球大学 5名 小論文Ⅰ・Ⅱ、自然科学総合Ⅰ・Ⅱ 個人面接 2年次編入

私立大学

大学名 募集人員 1次試験科目 2次試験科目 編入年次
北里大学 若干名 数学、理科、英語 論文、適性検査、面接、推薦書 2年次編入
金沢医科大学 5名 英語、数学、小論文、グループ面接 1年次後期編入
獨協医科大学 7名以内(一般枠) 適性試験、小論文試験 ワークショップ試験、面接試験 1年次入学または2年次編入
岩手医科大学 7名程度 学科試験1・学科試験2(いずれも生命科学全般)、小論文 面接 3年次編入
東海大学 20名 書類審査、英語、適性試験 個人面接 1年次後期編入