女子が少ないことは良いこと？悪いこと？
―それでは、実際に東大に入ってみて、良かったことをお聞かせください。
地方出身として良かったことは、東京に出てきたことで、大学内に限らず、素晴らしい人や機会、場所、経験に巡り会えたことだね。どれも地元では出来ない経験だったと思う。
女子として良かったことは、大学内に女子が少ないので、かえって女子同士仲良くなりやすかったことかな。確かに女子は少ないけど、「女子が多いコミュニティ」っていうのはちゃんと存在するから、それを探し出せばたくさん友達は出来るよ！あとは女子トイレが混んでいないのも東大の良いところかな。（笑）
―なるほど、では逆に、大変だったことをお聞かせください。
一人暮らしが最初は大変だったな。知らない町で、一人で暮らして、なおかつ一年生のうちはたくさん課題・テストがあるっていう三重苦で、一年目は良く風邪を引いたな。今はもう慣れたから風邪は引かないけどね！（笑）
知られざる「女子キャン」創設秘話…
そもそも、東大って「女子が少ない」っていうことに問題意識を持っている人自体が少ないよね。
―確かに、この状況が当たり前になっていますよね。
その状況を改善するために、私は、「トウダイカイギ」（東大生・大学関係者・社会人が東大をさらに良くしていくために議論し合うイベント）の、「女子分科会」（「トウダイカイギ」内の５分科会のうちの１つ）で挙がった、「女子高校生に東大生を知ってもらうためのキャンプを企画する」という意見を元に、この「東大女子キャン運営委員会」の立ち上げメンバーの一人になったんだよね。「女子キャン」の「キャン」は、実はキャンプの「キャン」なの。
でも、実績も何もない団体には、キャンプを行う資金を集める力がなかった。そこで私たちは、女子高生対象に東大を知ってもらうための半日ツアーをまず行うことにしたの。
―そうなんですか！それが現在の活動に繋がっているんですね。今まで、女子キャンが創設された経緯は聞いたことがありませんでした。そういったことに問題意識を向けていくことって大切ですよね。
―兒島さんは、男性にもそういった意識を持ってもらうことが必要だと思いますか？
そうだね。「東大の女子学生率が低い」ってことを問題にするとき、絶対数的に女性だけの力では何らかの行動を起こすことが出来ないから、男性にもこの問題を自覚し、協力してもらうことが必要だと思うの。
東大生はガリ勉・真面目すぎるってホント？
―東大に入って良かったって思うことはありますか？
やっぱり、視野が広かったり、バイタリティが凄かったり、真面目だったり、尊敬できる人が周りに多いことかな。自分が周りに良い影響を与えられたかはわからないけど（笑）、私は周りの人から凄く良い影響を与えられたと思う。でも、だからと言って勉強ばかりという訳ではなくて、他の大学生と同じように「普通」に大学生活を楽しめているよ！
―外から見た東大生のイメージって、テレビで取り上げられているような「変わった人」ですよね。
そう！私は大学生になるまで、東大生に会ったことがあまりなかったから「ガリ勉で眼鏡かけている」っていう、どちらかというと否定的なイメージを持っていたの。でも、自分が東大に入ってみて、「意外とみんな普通の人だな」って思った！
「東大を目指すこと」に気後れしてはダメ！
―では最後に、東大を目指す地方の女子高生にメッセージをお願いします。
東大は遠いところでもないし、雲の上の存在でもない。同じ日本だし、陸続きだったし（笑）。「そんな、私なんか」という、気後れや遠慮の気持ちを持ってしまっているならば、今すぐ捨て去ってほしいな。そもそも、地方にいながらも「東大を目指せるかな…」と悩んだ時点であなたはきっと素晴らしい人なので、自信を持ってほしい！
―最後のまとめとして、素晴らしい言葉をありがとうございます。
―以上でインタビューを終わらせていただきます。兒島さん、本日はご協力大変ありがとうございました！
高校時代の勉強の話から、受験の話、大学に入った当初の話、果ては「東大女子キャン運営委員会」を創設した話まで、様々なお話をして頂きました。兒島さんのメッセージはとても力強く、心打たれた方も多かったのではないでしょうか。インタビューにもあったように、東大は様々な可能性・出会いを生む場所です。高校生の皆さん、頑張ってくださいね！
東大女子キャン運営委員会とは？
東大の男女比の偏りに問題意識を持ち、女子高校生に東大を身近に感じてもらうために活動する団体。
女子高校生向けのウェブでの情報発信や東大本郷キャンパスでのイベント開催をしています。女子高校生の進路選択を全力で応援しています！
