【医学部を目指す人必見!】医学部流・新課程入試を乗り切る極意

メディカルラボ

はじめに:知っていますか?医学部入試も変わります

「2024年度の入試は、旧課程最後の入試だ」。こう耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。2024年度は、学習指導要領の旧課程に基づいた最後の入試年度です。2025年度からは、新課程に基づいた入試となります。

でも実際、課程が変わるからといって志望学部に合わせた対策法を自分で考えるのは難しいですよね。

この記事では、なかでも難易度の高い医学部に注目。医系専門予備校メディカルラボにて本部教務統括を務め、医学部受験生のバイブルであるベストセラー 『「医学部受験」を決めたらまず読む本』 (時事通信社)の著者でもある可児良友先生のお話に基づき、新課程入試を見据えた今、すぐできる対策法や心構えを紹介します

現行課程最後の2024年度入試は中位校以下も競争がきびしくなる?

現行課程最後の入試は、受験生が慎重になり、安全志向で出願する可能性があります。一方で、医学部の志願者自体は増えています。

2023年11~12月にかけて実施された全統プレ共通テストのデータでは、国公立大学医学科の前期日程の志願者は全体でみると5%増で、そのうち現役生は1%増、浪人生は12%増となっています。

私立大学も同様で、一般方式の志願者が6%増、共通テスト利用方式は12%増で、他学部と比較すると顕著な伸びを示しており、医学部人気は健在です

また、医学部を目指す受験生は、確固たる意思をもって医師を目指している人が多いと考えられるため、容易に他学部に流れる可能性は低いでしょう

そうしたなかでの現行課程最後の入試では、上位の大学を目指していた生徒が、目標を下げて出願する可能性が高まります。中堅校以下の大学の医学部では、例年より競争が激しくなると予想されるのです

では、新課程入試に向けては何をしたらよいのか?新課程入試での変更点とともにすぐにできる対策をご紹介します。

新課程入試に向けて今スグすべき対策3選

【今スグすべき対策①】まるで「筋トレ」?!学力の土台を作る基礎練習

新課程入試で変わるものの1つ目は、共通テストの科目構成です。旧課程では、国語、数学2科目、英語に社会1科目、理科2科目という5教科7科目で900点満点でしたが、新課程では「情報Ⅰ」が加わって6教科8科目の1000点満点となります

時間割をみても、「情報Ⅰ」(試験時間60分)が増え、国語・数学②の試験時間が10分ずつ増えることにより、これまで以上に集中力持続力が求められます。

科目別の変更点をみても、気力・体力勝負となることがわかります。国語、地理歴史・公民、数学、情報Ⅰの4科目が大きな変更がある教科です。

まず国語では、旧課程入試で現代文2問と古文・漢文が各1問ずつだったものに、近代以降の文章の大問が1つ追加され、試験時間は10分増えて90分となります。追加問題は比較的実用的な文章になっており、試作問題では生徒がレポート作成やプレゼン準備をするなど、学校生活の中での活動が題材となります。

地理歴史・公民は、「地理総合/歴史総合/公共」の必履修科目ができ、勉強する範囲が現行課程よりも広くなります。歴史総合では近現代の世界史・日本史両方が出題範囲となり、公民も今までの現代社会が公共に形を変えて「公共、倫理」「公共、政治・経済」となるため学習範囲が広がります

数学は、旧課程の「数学Ⅱ・数学B」が、新課程では「数学Ⅱ・数学B・数学C」となり、大問は5問から7問に増え、試験時間は10分追加されます。数学B ・数学Cは、「数列」、「統計的な推測」、「ベクトル」、「平面上の曲線と複素数平面」の4項目のうち3項目を選択解答する形で、大問が2問も増えるわりには試験時間は10分しか増えず、負担は大きくなるでしょう。

最後は「情報Ⅰ」。旧課程の「社会と情報」と「情報の科学」が統合され、さらに新たな内容が追加されており、こちらも幅広い範囲が対象となるのです。

さらに、「知識・技能」をおもに測っていたセンター試験に代わり、「思考力・判断力・表現力」が測られるのが共通テスト。各教科の基本的な原理・原則をきちんと理解したうえで、それを使って考え、判断し、表現しなければなりません

そこですべきなのが、付け焼き刃に公式や解法を丸暗記するのではなく、教科書の内容から基礎的な典型問題まで、原理・原則をしっかりと理解し、さらにそれを「アウトプット」するトレーニングです。

この基礎トレーニングはまさに「筋トレ」と同じで、学力における「筋力」を鍛えるようなものです。非常に地道な作業なので、根気が続かないこともありますよね。

医系専門予備校メディカルラボでは、マンツーマンの授業で、「対話」を通じて理解を深めることができます。理解に応じて演習課題が個人別に出されるので、確実に定着していきます。「基礎知識を組み合わせて考え、アウトプットする」というトレーニングに重点が置かれるのは、集団予備校とは違う良さといえるでしょう。

新課程入試は、より一段と「思考力・判断力・表現力」を問う問題が増えるので、今まで以上に基本の土台作りが重要になっていきます

【今スグすべき対策②】学科試験対策にも役立つ!思考力・表現力を鍛える小論文練習

少しでも早く志望理由小論文面接の対策に取りかかるのも、医学部受験突破のカギ。入試直前だとどうしても勉強だけで手一杯になり、落ち着いて取り組むことが難しいからです。

志望理由を考えると、医者になる自覚が湧いてくるので、早い段階で始めるほど勉強へのモチベーションが上がりますよ。医学に関する関心も広がり、自分の意見を考える機会が多くなる分、面接や小論文で求められる主体性や思考力、表現力などを磨くことにつながります。

そして、小論文の過去問を使って、月に1回は文章を書いてみましょう。実は小論文の課題には、図表やグラフも多く、新課程の入試対策にも役立つ内容が多いのです

例えば、共通テストの国語では、新課程の試作問題で初めて横書きの文章が登場し、資料と図・グラフの情報から必要なものを組み合わせて考えさせています。

小論文練習には、個別指導が効率的です。集団授業では先生の解き方を模倣して学習することになりますが、そのやり方だと先生の解き方の再現にとどまってしまい、他の問題に応用できないことも多いですよね。

その点、マンツーマンでは、ひとりひとりの解答を添削し、どこでつまずいているかをすぐに指摘できるので、きめ細やかな指導から応用力も身に付きますよ

【今スグすべき対策③】優先順位を付けよう!効果的なスケジュール策定

ここまで読んで「やること多すぎ……」と思った人はいませんか?そう、医学部入試は他学部入試に比べ、共通テストと本試験対策に加え、出願書類から二次試験での小論文や面接など、準備が多岐にわたるのです

そのため、何から手を付けて、どう時間配分をするかがとても重要となります。
入試までのスケジュールを考えると、とにかく1日も早く医学部に行く決意を固めて、すぐに勉強をスタートすることが一番重要です。準備することが多いので、できれば高1、遅くとも高2になるあたりで医学部に行く決意を固めてほしいところ。

というのも、国公立・私立ともに、個別試験で新しい傾向の問題が出る可能性が高まっているからです。

国立大学協会が出した入試の基本方針によると、2024年度以降、「論理的思考力、判断力、表現力を評価する高度な記述式試験を課す」としています。高度な記述式試験とは、「複数の素材を編集・操作し、自らの考えを立論し、さらにその過程を表現する能力を評価できる問題」です。

この傾向は早くも入試に反映されていて、2023年度における主要大学医学部の科目別分量の前年比較をみると、やや増加・増加の大学が多く、情報処理力と共に、「思考力・判断力・表現力」も個別試験でも見ようとしています

たとえば千葉大学の2023年度の生物では、生徒と教師の会話を読んで問いに答える形式の問題が出されました。

鳥取大学の2022年度の物理では、衝突事故の調査で、ドライブレコーダーの記録とクラクションの音を頼りに、波動の知識を用いて事故直前の自動車の速度を割り出すという問題が出題されています。

共通テストと同じように、文を読み、図から情報をつかみ取って、自身が持つ知識を組み合わせて解いていくという、情報処理力に加えて、思考力や判断力が問われる難しさがあるのです。

私立においても、たとえば関西医科大学英語では、これまでやや難しい読解の大問が3問出題されていましたが、2023年度は読解が2問になり、新たに「医師の人生における回復力の重要性について」という自由英作文が出題され、表現力が問われました。

また、東京医科大学の2023年度英語では発音・アクセント問題がなくなり、読解問題が長文化しました。

このように、医学部入試は傾向も刻々と変化しています。そのため具体的な学習時間の配分も、自分の学習課題に合わせて決めなければならず、難しいところです。

苦手科目の克服だけに囚われて、得意科目を伸ばさないのも効率的ではありません。科目間で仕上がりのバランスを見ながら、その都度学習の優先順位を付け、効果的なスケジュールを組む必要があります。

医系専門予備校メディカルラボでは、合計点をいかに伸ばすかという「合計点主義」のもと、生徒1人に対して担任と各科目のプロ講師がチームになって全体で見ていくオーダーメイドチームが作られます。

オーダーメイドチームでは、問題との相性を加味し、どの大学が総合的に合格しやすいのかまでを一緒に考えてくれます。学習計画から出願先選びまで、医学部受験に精通した複数のプロ講師の目で最適化した学習を進めることができますよ

過度に恐れずに!医学部入試の心構え

【医学部入試の心構え①】焦って進路変更せず、しっかり準備

これまでお伝えしてきたように新課程入試への移行に伴い、様々な変化がありますが、浪人を恐れて医学部から他学部に進路を変える必要があるかというと、そうではありません

現行課程の受験生が万が一浪人した場合は、1年のみ経過措置があり、旧課程の内容が選べるようになっているからです

新課程よりも旧課程の方が出題範囲が狭く、不利にはならないでしょう

新しく加わる「情報Ⅰ」についても、新課程、旧課程ともに初受験となるため、大学側も配点のウエイトを下げ、素点より配点を低くすることがほとんどです

初年度というのは、比較的易しい問題が出題されるのではという見立てがあり、「情報Ⅰ」も新課程の問題も、全体的に易化に振れる可能性があります

実は、進路変更した後に後悔し、医学部を再受験するケースはとても多くなっています。長い目で見て、焦らずしっかり準備していきましょう。

【医学部入試の心構え②】目先の偏差値に振り回されない

受験期は、どうしても気持ちが揺れ動くものです。しかし、目先の偏差値にとらわれて「もう駄目だ」と思ってしまうのは、もったいないこと

新課程への移行にも臆することなく、基礎をしっかり固めて、医学部にチャレンジしてみましょう。

努力すれば、合格できるチャンスは必ずあります。不安に思ったら、1人で抱えこまず、プロの伴走者を頼ってみてください。

マンツーマンのメディカルラボだからこそできる最適学習プロデュースなら、医学部合格を目指すみなさんの力となること、間違いなしです




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