はじめに
東京外国語大学(以下、外大)の受験生にとって、英語の点数は2次試験の中で75%も占めるため最も重要です。
この記事では、外大の英語の傾向や対策、おすすめの勉強法を解説します。
目次
東京外国語大学2次試験英語の概要
外大の英語は、筆記試験が250点、スピーキングが50点の計300点です。
大問は全部で6問あり、下の表のようにリーディングが大問1〜3、リスニングが大問4〜6と分かれています。
【東京外国語大学英語】大問2:空欄補充問題の概要と勉強方法
【大問2:空欄補充問題】特徴と配点
大問2は空欄補充問題で、長文中の空所に、与えられた選択肢の中から単語を一つ選んで、必要であれば適切な形に変えて入れる問題です。
例えば、長文中に空欄と周りの前置詞で( )…from、、、to ~ が出てきて、選択肢にinhale、travel、growがあったとします。
「from、、、to~」があることから移動に関連する動詞であるtravel を当てはめると正解になります。
実際の大問2の問題では、長文中に10個の空所があり、動詞の選択肢は11個あります。選択肢は1回しか使えず1つ必ず余るので、消去法で解くことが出来ず難しいです。
また、文章のジャンルはセルフィーに関するものや、環境問題の話など幅広いですよ。
配点は、2020年度の採点基準によると、大問2全体で40点で、10か所の空欄について正しい単語が選択できていれば2点、正しい活用形・綴りであればさらに2点です。
大問2は選択肢の中から正しい単語を選んで、さらに活用も考える必要があるので、得意・不得意が分かれる問題です。
満点を目指すに越したことはありませんが、どうしても不得意な場合は、8割くらいの正答率を目指し、他の問題に時間をかけて挽回しましょう。
【大問2:空欄補充問題】問題を解く上で注意すること
大問2を解く上で意識することは3つあります。
- 基本的な熟語や文型で解けるものは絶対に先に入れる
- 基本は段落ごとのパラグラフリーディングで解く
- 答えを瞬時に決めずに、空所に入る可能性のある動詞は全て書き出しておく
- 選択肢は紛らわしく難しいと心構えをしてから問題に臨む
例えば、文中が「( ) up with」となっていて選択肢にcome があればcome up withで「~を思いつく」となります。
他にも、知覚動詞、使役動詞の後の動詞の変形や自動詞と他動詞の使い方などは、意識していないと忘れがちなので、基本的な文法事項で点数を落とさないように気を付けてくださいね。
各段落の内容から判断して解けますが、文章を全てを読んでから判断しないと解けない空所もあります。
その段落だけを読んで答えがわからなくても、読むのを止めずにどんどん先に進みましょう。
他の空所で使うはずの選択肢を間違ったところに入れると、同時に2問も間違えることになるので、得点が大きく下がります。
慎重に答えを決めるために、全ての空所に答えの候補を入れてからもう1回考えて決定しましょう。
外大の問題は基本的に、受験生をひっかけるために作られています。本番で早とちりをして適当に答えてしまうことがないように、心構えをしてから問題に臨んでくださいね。
逆に自信がない答えになってしまったとしても、「引っかからないこと」が重要なので、落ち着いて解き進めてください。
以下で得点をあげるためのおすすめの勉強法を解説します!
【大問2:空欄補充問題】時間配分とおすすめの解き方
最終的な目標時間は約10分です。
しかし、10分でできるようになるには相当な練習量が必要なので、初めから10分で解けなくても落ち込まないでください。
時間配分は高3の11月頃から意識すれば本番に十分間に合いますよ。
正答率が低いまま時間を意識しても点数が伸びないので、練習のうちはかかった時間よりも正答率を重視しましょう。
次に、できるだけ短い時間で正答率を上げるおすすめの解き方を紹介します。
- 選択肢を見る前に答えを予想してから解く
- 文章を2回読んで答えを決定する
選択肢を見てから解くと、無理に空欄に当てはめて間違ったものを当てはめてしまうことが多いです。
選択肢を見る前に文章だけを見て予想して解くことで、間違いの選択肢を選ぶ確率を減らせますよ。
1回目に文章を読むときは、文章の意味を把握する意識ではなく、熟語や文型で空所に当てはまる動詞の候補を本文中にメモしていきます。
文章読まずとも文型や熟語などの知識だけで解ける問題もあり、それを最初に解いて選択肢の数を減らすことで、時間短縮につながるからです。
2回目は文章の意味を判断材料にして空所補充をします。
この時に1回目に文法的に判断して入れた動詞の意味が成立するかも確認しましょう。
過去問演習について
大問2の空欄補充問題の形式は外大特有のため、他の問題を使うのではなく、まずは外大の過去問演習で自分の弱点を見つけるべきです。
自分の間違えた原因と強化ポイントをまとめると、試験直前に見返して同じミスをなくすことができておすすめです。
上の例の「…from、、、to~」にtravelを入れる問題を間違えた場合は、この熟語に気づけなかった理由や似たような間違いをしないためにすべきこと等を考えて1冊のノートに書き記しておきましょう。
もし外大の過去問演習が終わったら、東大の大問5の(D)や早稲田文学部の大問1(A)の形式が似ているので利用できます。
しかし、外大は空欄に入れる単語の活用形と意味の両方がわからない状態から解くのに対し、早稲田や東大は意味だけを考えて正解を決めるため、少し異なります。
あくまでも外大の過去問を丁寧に解く方を優先しましょう。
【東京外国語大学英語】大問3:文挿入問題概要と勉強方法
【大問3:文挿入問題】問題の概要
大問3は長文中の空所にもっともよく当てはまる文を選ぶ問題です。
大問3の特徴をまとめてみました!
- 空欄は8個だが、選択肢は9個あるので消去法が使えない
- 大問2と同様に選択肢は1度しか使えず、話のジャンルはさまざま
- 全体で40点
【大問3:文挿入問題】問題を解く上で意識すること
大問3を解く上で意識することは2つあります。
- 指示語や代名詞、接続詞、時制、前後の文章など全てを考慮する
- 当てはまりそうな選択肢は全て問題用紙に書いておく
これらが文中に出てきたら目立つように印をつけるのがおすすめです。
指示語に関係する不正解のよくある原因は、挿入する選択肢の文にtheseとあるのに、本文中に複数を指しているものがないことです。
単複の概念は忘れがちですが、内容と文法両方から考えるようにしましょう。
また、対比の接続詞がある選択肢が正解になることが多いです。前の文章と内容が逆になるので判断が難しいですが、接続詞の意味にも着目して考えましょう。
対比の部分では、内容に応じて⊖や⊕の印をつけると何度も読む手間や間違いが減りますよ!
答えを1つに絞ることに集中しすぎて、正解の選択肢を消去してしまうと、他の空所で悩んでも正解できないので、選択肢を残しておきましょう。
誤った選択肢を入れてしまうと、最低でも2問は間違えてしまうので、全体を見て答えを決めるのがおすすめです。
【大問3:文挿入問題】おすすめの勉強法
まずは、高3の春~夏頃の早い時期に外大の過去問1年分を解き、問題の形式を理解しましょう。
解けるようになるためには問題数をこなすことが重要です。東大の大問1(A)の(ア)など、他大学の過去問を使って文挿入問題を練習するのがおすすめです。
正答率が5割を超えるようになったら外大の過去問に戻り、11月からは8割の得点と早く解くことを意識するようにしましょう。
夏までは時間がかかっても答えを出して、問題を解くコツをつかむのが重要ですが、本番の解答時間は15分にすることが理想です。
自分が内容をつかめる程度の速読を意識して問題を解きましょう。
11月からは8割正解くらいを狙いましょう。空欄や適当に選択肢を選んだものが2問程度あっても、合格点は狙えるので、満点ではないことを気にせずに進むのが大切です。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
もう一度、外大英語を解くコツについてまとめます。
- 外大の選択問題は紛らわしいものしかないので、いかに引っかからずに正解にたどり着けるかが大事!
- 早すぎて内容がおろそかにならない程度の速読をする
- 大問2・3は自分で答えを予想してから選択肢を確認し、当てはまりそうな選択肢は全て書いておく
過去問に苦戦したら是非このやり方で勉強を進めてみてください。応援しています!