はじめに：英語の速読が苦手なあなたへ
難関大学の入試英語では、英語を速読するスキルが求められますが、英語を速読するのは簡単ではありません。
時間があれば解けたのに、英語を読むのが遅くて解けなかった……
と悔しい経験をした人も多いことでしょう。
そこでこの記事では、英語を速読したい人のために、
- 英語を速読するために必要なこと
- 英語を速読するための勉強方法
の2点について解説します。
英語をスラスラ読みるようになりたい人は、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
目次
英語を速読するために必要なこと
英語を速読するための具体的な勉強方法を説明する前に、英語を速読するために必要なことを解説しておきます。
自分のリーディングスピードに不安を持っている人は、今の自分に欠けているポイントを意識しながら読んでみてくださいね。
「英語を速読できる」ってどういうこと？
そもそも、「英語を速読できる」とはどのような状態を指すのでしょうか。
1ページの英文を読むのに30分かかる人と、3分で1ページ読める人との間には、どんな違いがあるのでしょうか。
英文を速読できるということは、英文の読解に無駄がないということです。
英文の読解に無駄がないということは、同じ箇所を何度も読み返さないということです。
つまり？
そう、英文を速読できる能力とは、英文の流れに沿って英語を理解できる能力なのです。
英語を読むのに時間がかかる人が、1つの英文を何度も何度も読まないと意味を理解できないのに対して、速読できる人はチラッと見ただけで意味を理解できるのです。
ではどうすれば、英文の意味を瞬時に理解できるようになるのでしょうか。
英語を速読するために必要なこと①：文法と単語を徹底的に理解する
英文の意味を瞬時に理解する上で、第一に必要なのが文法と単語の理解です。
それも生半可な理解ではなく、英文を見た瞬間に判断できるような徹底的な理解が必要になります。
文法なら、英文を見た瞬間に無意識に構文を解析できるレベル。単語なら、見た瞬間に意味を（できれば英語で）理解できるレベルが求められます。
英語を速読するために必要なこと②：英文の流れに沿って英語を理解する
文法と単語が徹底的に理解できるようになっても、依然として読むスピードが遅い人もいます。
そういう人は、まだ英文の流れに沿って英語を理解できていません。英文を和訳するときのように、英文の先頭と末尾を何度も見返しながら読んでしまっているのです。
英文を読む上で、和訳は必ずしも必要ではありません。
例えば、以下の英文を見てください。
When I was a high school student, I wanted to enter a medical faculty of the university in order to help many children who were suffering from incredible diseases and could not take enough medical care because of their poverty.
英文を読むのに時間がかかる人は、一度 “because of their poverty” まで読み通してから英文を理解しようとします。
一方、英語をスラスラ読める人は、この英文の流れに沿って一読で意味を理解できます。
「私が高校生だった頃 → 私はその大学の医学部に入りたいと思っていた → 多くの子供を救うため → その子供たちは、難病に苦しんでいて → 貧困のせいで十分な医療ケアを受けられない」
という感じですね。
ではどうすれば、英文の流れに沿って英語を理解できるようになるのでしょうか。
英語を速読するための勉強方法
ここからは、英語を速読する＝英文の流れに沿って英語を理解するためにhちうような勉強方法を伝授します。
英語を速読するための勉強方法①：読みたいけど読みにくい英文を1つ選ぶ
使う教材は、2〜3ページくらいの英文です。
「教材」といっても、教科書に掲載されているテキストである必要はありません。自分が読みたいテキストを選んでください。
ちなみに私のオススメは、Apple社の元CEOであるスティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学卒業式で行ったスピーチです。
このリンクから全文を読めるので、よかったら使ってみてくださいね。
英語を速読するための勉強方法②：単語と文法を隅々まで理解する
読むテキストが決まったら、そのテキストの英文を一文一文丁寧に読解しましょう。
具体的な手順は以下の通りです。
文法を徹底的に理解する
まず、英文の文法を徹底的に理解しましょう。いくら単語がわかっていても、文法がわからなければ英文の意味を理解することはできません。
例えば、以下の英文を見てみてください。私のオススメ、スティーブ・ジョブズのスピーチからの引用です。
Except that when I popped out they decided at the last minute that they really wanted a girl.
単語はどれも見たことあるけれど、意味を取ろうとすると難しいですよね。
実はこの文は、文全体がExcept that 節となっている特殊な形になっています。和訳するときには「〜であることを除けば。」という形になります。スピーチならではの表現ですね。
単語を徹底的に理解する
文法を理解したら、英文の単語の意味を徹底的に理解しましょう。
以下の英文を見てください。スティーブ・ジョブズのスピーチの冒頭です。
I am honored to be with you today at your commencement……
みなさんが知らない単語は、おそらく commencement ではないでしょうか。
commencement を辞書で引くと、
- 開始
- 学位授与式
という2つの意味が出てきます。このスピーチはスタンフォード大学の卒業式で行われているので、②の学位授与式の意味になります。
普通の人は、ここで単語の意味の調査を終了します。しかし、ここで終わってしまうと、すぐに意味を忘れてしまいます。
意味を忘れないためには、単語を英英辞書で引いたり、言葉を何度も発音してみたりするのがおすすめです。詳しくは以下の記事を見てください。
英語を速読するための勉強方法③：英文でカラオケする
一文一文、文法と単語を徹底的に理解して最後まで英文を読み終えられたら、使った英文でカラオケをしてみて下さい。
やり方は以下の通りです。
英文を見つつ、意味とニュアンスを意識しながら音読する
まずは、英文を見つつ、意味とニュアンスを意識しながら音読しましょう。意味のまとまりごとに区切って読むと、意味・ニュアンスを意識しやすくなります。
I am honored to be with you today / at your commencement / from one of the finest universities in the world. （/ が音の区切り）
という感じですね。
英文を見ないで音読する
東進の名物教師・安河内哲也先生が言っているように、5回10回と音読していると、自然に英文を覚えられるようになります。
音読を繰り返して「英文が頭に入ってきたな」と思ったら、英文を見ずに音読してみましょう。
英文を深く理解できている箇所はすんなり暗唱できて、英文の理解が浅い箇所は暗唱に苦しむはずです。なかなか暗唱できない箇所があったら、もう一度文法と単語を確認してみましょう。
強弱をつけながら、カラオケするように音読する
一通り英文を暗唱できるようになったら、音の強弱をつけながら、カラオケをするように音読してみましょう。
スティーブ・ジョブズのスピーチをテキストにしているなら、スティーブ・ジョブズの声の強弱に注目して、その音の強弱を真似てみるといいですね。
音に強弱をつけて発音すると、その文章の意味内容をより深く理解できるようになります。
英文の理解を深めると、英語そのものに対するセンスも向上します。恥ずかしがらずに、ぜひ英文でカラオケしてみて下さいね。
他の人と一緒に音読して、カラオケする
「英文カラオケ」の学習効果は、他人と一緒にやると更に高くなります。他人に聞かれるのを意識することで、音読の質が向上するからです。
それに、他の人と一緒に音読すれば、自分の音読の問題・課題が見えやすくなります。より他人に伝わりやすい英語の喋り方を目指して、頑張って下さいね。
おわりに：英語を速読できれば、英語力は飛躍的に向上する
いかがでしたか？
この記事では、英語を速読するために必要な能力と、英語の速読に必要な勉強方法について解説してきました。
英文カラオケは、私が高校1年生のころに実際にやっていた方法です。お風呂の中でスティーブ・ジョブズのスピーチを熱唱していたおかげで、今でもある程度暗唱できます。
英文を暗唱すると、単語や文法を身体に叩き込むことができます。
一度身体で覚えた単語や文法は、英語を聞いたり読んだりするときだけでなく、書いたり話したりするときにも自然と使えるので、ぜひカラオケして英文を覚えてみて下さいね。
それでは！！
