はじめに
早稲田大学では文学部、文化構想学部の両方で人文学系の勉強ができます。
両学部の違いはあまりないとされがちですが、細かく見ていくと両学部でしか学べないことや学び方の特徴があるんです。
この記事ではそれぞれの学部特有の点を重視して違いを紹介していきます!
ぜひ学部選びの参考にしてくださいね!
目次
【早稲田大学文学部・文化構想学部】基礎知識・共通点
【早稲田大学文学部・文化構想学部】両学部の基礎知識
両学部とも戸山キャンパスで4年間勉強します。
戸山キャンパスは、大隈講堂のあるメインキャンパスのすぐそばにあるキャンパスです。
文学部では歴史、文学、哲学、社会学、心理学、教育学を 専門的に学んでいるのに対し、文化構想学部では近代の芸術、現代の社会、メディアなどを中心に人文学系の学問を横断的に勉強しています。
文学部も文化構想学部も1年生の時には専攻がなく、両学部で共通した授業から選択して受講します。
1年生の内は文学部、文化構想学部の違いはほとんどないと言えるでしょう。
2年生になるタイミングで文学部では18あるコースから、文化構想学部では6の論系から自分の専攻を選択し、4年生まで所属します。
ここ最近では文学部は社会学・心理学コース、文化構想学部は表象・メディア論系がそれぞれ人気ですよ。
【早稲田大学文学部・文化構想学部】両学部の共通点
両学部の共通点として、他の学部に比べて第二外国語でマイナーな言語を学習できるということがあります。
フランス語やドイツ語などのオーソドックスな言語に加えて、アラビア語・ロシア語などマニアックな言語も選択可能で、同じ言語を選択した両学部学生混合のクラスが編成されます。
第二外国語は重要度が高く、なんと1年生の間は週に4回も第二外国語の授業があるんです!
第二外国語の単位を1つでも落とすと留年が決定するため、1年生は二外の授業を真面目に受ける必要があります。
他にも共通の特徴として、一週間の授業のコマ数が他の学部と比べて少なめというのがあります。
空いた時間に自分で科目を多く選択して好きな勉強をすることもできますし、勉強以外の活動に時間を割くのも自由です。
また、文学部、文化構想学部は入試科目、問題構成ともに非常に似ています。
両学部とも入試科目は国語、英語、日本史or世界史で、得点配分と入試制度も完全に同じです。
英語、歴史に関しては、大問の構成とそれぞれの内容、全体の難易度ともにほぼ同一です。
ただ、国語の問題は、文学部では現代文、古文、漢文の問題がそれぞれ出題され細かい知識が問われるのに対し、文化構想学部では現・古・漢融合問題が出題され、複数の資料を横断的に読解することが求められますよ。
国語では両学部で受験生に求める能力が少し違うといえるでしょう。
【早稲田大学文学部】特徴・カリキュラム
【早稲田大学文学部】カリキュラム紹介
文学部には以下に示すような18のコースがあります。
文学部のコース |
哲学コース、東洋哲学コース、心理学コース、社会学コース、教育学コース、日本語日本文学コース、中国語中国文学コース、英文学コース、フランス語フランス文学コース、ドイツ語ドイツ文学コース、ロシア語ロシア文学コース、演劇映像コース、美術史コース、日本史コース、アジア史コース、西洋史コース、考古学コース、中東・イスラーム研究コース |
これらのコースで学べることの中から、文学部特有と思われる内容を取り上げて解説していきます。
【早稲田大学文学部】学べること
文学部で主に学べることの1つに歴史があります。
文学部ではそれぞれの地域や分野ごとに分かれて詳しく歴史を勉強できるので、歴史好きの人におすすめです。
特に中東・イスラームコースでは全国的にも珍しく中東・イスラームに限った歴史の勉強ができます。
同じく全国的に見ても珍しい考古学コースでは実習を伴った勉強が可能です。
技術的側面からの考古学の勉強は文化構想学部ではできないので、考古学に興味がある人は文学部向きといえるでしょう。
文化構想学部でも歴史は学べますが、歴史と様々な事柄を結び付けて勉強するので、純粋に詳しく歴史を勉強したい人にはちょっと物足りないかもしれません。
また、文学部では美術について学べるコースもあります。美術史コースでは美術鑑賞や技法についての詳しい勉強ができますよ。
文学関係のコースでは、その文学が書かれた言語の勉強を深めながら、実際に原文を講読します。
文学作品の表現方法をメインに勉強する文化構想学部に対して、文学部では内容重視の文学の勉強ができるといえます。
【早稲田大学文化構想学部】特徴・カリキュラム
【早稲田大学文化構想学部】カリキュラム紹介
文化構想学部には以下の6つの論系があります。
文化構想学部の論系 |
多元文化論系、複合文化論系、表象・メディア論系、文芸・ジャーナリズム論系、現代人間論系、社会構築論系 |
どの論系でも人文学系の学問を横断的に勉強できますが、文化構想学部では学ぶ視点によって論系が分かれていると理解するのが分かりやすいでしょう。
ここからは主に文化構想学部で学べる特徴的な学問領域について紹介していきます。
【早稲田大学文化構想学部】学べること
文化構想学部で学べることの一つに文化人類学があります。
ざっくり言うと、文化人類学では歴史よりも現代に残された風習に着目して、その背景となった人間の性質を探ります。
複合文化論系には文化人類学を専門とする教授が多く在籍し、入試問題でも文化人類学関連の文章がたびたび出題されていることを踏まえると、文化人類学は文化構想学部イチ押しの学問だといえるでしょう。
文芸の実践的な技術を勉強できるのも文化構想学部ならではです。
>文学部では文芸の歴史や内容を研究するのに対して、文化構想学部では実際に創造することがメインとなっています。
小説家などの文筆業に興味がある人は文化構想学部向きといえるでしょう。
文芸・ジャーナリズム論系では重松清氏など実際の小説家が教授を務めています。
卒業生にも小説家が多く、朝井リョウ氏は文芸・ジャーナリズム論系出身で、卒論として小説を提出したそうですよ。
また、全体的に見て文化構想学部では感情の表象の研究に重きを置いている印象があります。
特に、表象・メディア論系では人々の感情が、ダンスや演劇を通して、身体や作品にどのように表出されるかを研究できます。
数値的に人の心理を分析するのが文学部での勉強の中心なのに対し、文化構想学部では人の感情がどのように表出されるか、なぜそのように表出されるかについての研究が盛んに行われていますね。
おわりに
いかがでしたか?
文学部、文化構想学部は同じように見えて実は少しずつ違うということがお分かりいただけたかと思います。
どちらの学部もとても魅力的ですが、ぜひ自分に向いた学部を知ったうえで入試に臨みましょう!
この記事が皆さんの学部選びに役立つことを願っています!