はじめに
集中して勉強しているときに限って襲ってくる、頭痛、肩こり。顔を上げると視界がぼんやりとにじんでいる……。
それは、疲れ目の危険信号。放っておくと視力が落ちてしまうかもしれません。
受験期では、眼科に行ったりメガネを作ったりする時間ももったいないですよね。
受験はもちろん大切ですが、目は一生使う大切な臓器です。
目の疲れをためず、視力を落とさないことが、受験にとっても皆さんの体の健康にとっても非常に重要です。
この記事では、視力の低下を防止し、疲れた目を回復させる方法を解説します!
目次
受験勉強と視力低下の関係って?
そもそもどうして視力が低下するの?
視力が低下する原因として、主に次の3つが考えられます。
① 目元の筋肉の緊張
② まばたきの不足
③ 太陽光の不足
それぞれについて、詳しく解説していきます。
① 目元の筋肉の緊張
目の周りの筋肉である外眼筋(がいがんきん)は、至近距離でものを見続けることなどにより凝り固まってしまいます。
皆さんも、長時間勉強をしたときに、目の周りが重いと感じたことがあるのではないでしょうか。
この眼精疲労の状態が続くことで、視力の低下が引き起こされてしまいます。
② まばたきの不足
まばたきは、目を涙で潤わせて汚れをぬぐう、いわばワイパーのような役割をしています。
勉強に集中してまばたきの回数が減ると、涙が出づらくなり、黒目の表面にあたる角膜の汚れが流れにくくなります。
それによって角膜が傷ついて、見えにくさにつながってしまうのです。
③ 太陽光の不足
毎日勉強で忙しい受験生は、家や自習室にこもりきりになりがちですよね。
紫外線を気にして、紫外線カットのメガネやコンタクトレンズを使用している人もいるかもしれません。
ですが、太陽光に含まれるバイオレットライトには、近視の進行を抑制する効果があることが近年の研究で分かってきました。
太陽光を十分に浴びないと、このバイオレットライトの効果を受けられなくなってしまうのです。
受験勉強で視力が低下しやすいのはどうして?
受験勉強で視力が低下しやすい理由として、大きく次の2つが考えられます。
① 勉強中手元が暗くなりがちだから
② 目を休めづらい環境になっているから
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
① 勉強中手元が暗くなりがちだから
自分の部屋や、パーテーション付きの自習机で勉強しているとき、手元が暗いと感じたことはありませんか?
暗いことそのもので目が悪くなるわけではありませんが、手元と部屋の中とで明るさに大きな差があると、調整のために目が疲れてしまいます。
さらに、手元が暗いと文字が見えづらくなるため、机に顔を近づけすぎて目元の筋肉を酷使してしまいます。
② 目を休めづらい環境になっているから
勉強中は、教科書やノートなど、ずっと至近距離でものを見ていることが多いです。
自習室などで周囲に人がいると、筋肉を緩めるためのストレッチもしづらいですよね。
その結果、目元の筋肉が凝り固まってしまうのです。
視力の維持と回復方法
【今すぐできる対策編】今この瞬間から取り組もう
この記事を読んでいる今から取り組める対策法をご紹介します!
まずは意識的にまばたきを増やしましょう。涙で目が潤い、目のかすみが改善されます。
まばたきの間、目や脳は休息しているため、しっかりとまばたきをすることで集中力も維持しやすくなりますよ。
次に、利き手の関係で、左右どちらかの目だけが机に近づきすぎていないか確認してみましょう。
勉強に集中していると、どうしても猫背になりがちですよね。
目の筋肉の凝りを防止するためには、姿勢を正して目と机との距離を離すことが重要です。
椅子の背もたれに背中をぴったりとつけ、背筋を伸ばしてみましょう。
パソコンやタブレットで勉強をしている場合、画面の明るさを調整することも大切です。
白い背景に目がチカチカする場合は、背景が暗くなるダークモードや、背景が暖色になるナイトモード(ナイトシフト)を利用するとよいですよ。
【ストレッチ編①】自習室や移動中でもできるストレッチ
周りに人がいる状況でも、目の疲れはためたくないですよね。
ここでは、こっそりできる3つのおすすめストレッチを紹介します。
1時間ごとに次のいずれかの運動をして、目の周りの筋肉をほぐすとよいですよ。
① ぎゅっ・ぱっ運動
目をぎゅっとつぶり、ぱっと一気に開きます。
できる限り右の方向を見るようにして、5秒間キープしましょう。
再び目をぎゅっとつぶり、ぱっと開きます。
今度は左を見て5秒間キープします。
同じように上下左右で繰り返しましょう。
② 眼球ぐるぐる
できる限り外側を見るようにしながら、時計回りに目をゆっくりと3回まわします。
次に反時計回りに3回まわします。
③ 遠近ピント合わせ
親指を立てて顔に近づけ、親指の先に目のピントを合わせます。
親指にピントを合わせたまま、ゆっくりと親指を顔から離していきます。
同じように、親指を顔に近づけたり離したりを繰り返しましょう。
親指を立てられない状況の場合は、近くのものと遠くのものを交互に見ると同じ効果が得られますよ。
【環境づくり編】視力が低下しないような勉強環境を整えよう
視力の低下を長期的に防ぐためには、環境から改善することが大切です。
まずは部屋を明るくしましょう。
手元が影にならないよう、利き手の反対側に電気スタンドを設置するとよいですよ。
次に、机と椅子の高さを調整します。
目と机との距離は30センチ以上、机に手を乗せたときの肘の角度は90度以上になるように調整しましょう。
椅子には深く座り、足の裏全体が床につくようにします。足を乗せる台を用意するのもよいでしょう。
自習室など、自分の体に合わせた調整が難しい場合は、折りたたみクッションを使うのがおすすめです。
コンパクトな折りたたみクッションは持ち運びに便利ですし、腰痛予防にもなります。
机に伏せて仮眠をとるときの枕としても使えますね!
【日常生活編】自宅や生活の中でできる回復法
体の筋肉がほぐれるお風呂の時間は、目元のケアにうってつけです。
お湯につけて温めたハンドタオルを目の上に乗せ、3分ほど目を温めましょう。
ハンドタオルが難しい場合は、自分の手で目元を覆うだけでも目が楽になりますよ。
視力低下の防止には、普段の食事も重要です。
緑黄色野菜やブルーベリー、鮭、レバーなどは目の健康によいことが知られています。
目だけでなく体の健康にもつながるため、栄養素をバランスよく接種することが大切ですね。
おわりに
受験は、人生の大きなターニングポイントです。ですが、受験が終わったあとも人生は続いていきます。
勉強机の周りの環境や、勉強しているときの自分の姿勢などを、今一度チェックしてみてください。
一生使う目を大切に!!