はじめに
目次
皆さんは、国際教養学部という学部を聞いたことがありますか?
名前の似ている教育学部と間違えられることが多く、何を学んでいるのかよくわからないのが国際教養学部……。
国際教養学部とはアメリカのリベラルアーツ教育に倣って設置された学部で、分野にとらわれずに様々な学問を広く浅く扱う学部です。
リベラルアーツ教育では少人数教育が推奨されており、学部内で一番小さなクラスでは生徒人数が15名程度になることもあります。
国内の国際教養学部は大きく二種類に分かれていて、英語で授業を行う学部と日本語で授業を行う学部があるのです。
そこで、今回の記事ではオールイングリッシュの国際教養学部に注目して学部紹介を行いたいと思います。
以上のように、国際教養学部では英語を学べる環境が提供されていて、やりたい学問に満遍なくアプローチできるメリットがある反面、気をつけ置くべき点がいくつかあります。
皆さんには、今回の学部紹介記事を読むことで、国際教養学部の特徴と注意点を理解したうえで自分に合った学部紹介を行ってほしいです!
国際教養学部の特徴
【国際教養学部の特徴】①分野にとらわれないリベラルアーツ教育
高校生のうちに学びたい学問を見つけられなかった人や、様々な分野に興味を持っていて自分が学びたい学問が絞れない人にとって、国際教養学部はうってつけです!
では、「『国際教養学部』って『教養学部』と同じなのか!」と思う人もいるでしょう。
しかし、国際教養学部では教養学部のカリキュラムに加えて充実したグローバル教育を受けられる特徴があるのです。
【国際教養学部の特徴】②教養学部とは一味異なる「国際」教養学部
国際教養学部の教授の大半は国際経験が豊富であったり、外国から来た方です。
英語教育が充実している理由はここにあるのです。
さらに、インターナショナルな教授陣から授業を受けることで、日本人の教授からは学べない新しい視点が学べるメリットがあります。
そんな「新しい視点を学ぶ」ことに関して筆者が面白いと感じた国際教養学部の授業は日本文学の授業です。
高校時代に学んだ作家の作品を扱った際、文章の解釈において高校時代とはまた違った文章解釈を行いました。
高校時代では、日本人ならではの美の視点を用いて文学を読み解いていたのに対し、国際教養学部では英訳された日本文学を留学生達と解釈しました。日本人ならではのバイアスがかかっていない状態での文章解釈を経験することができましたよ。
英訳された文章は、日本語とは少しニュアンスも異なることに気づくことができ、日本語でしか表現できない特有の意味合いを再認識することができました!
英訳を用いて海外の方から日本文学を学べる機会はなかなかありません。
新しい視点を身に着けたいと考える人には、これは絶好の機会なのではないでしょうか。
ほかにも、国際政治や国際文化などの海外に関する学問ばかりを扱うと思われがちな国際教養学部ですが、それに加えて日本について学べることもあります。
日本社会について学ぶ授業では、教授が海外の方であることもあり、海外から見る日本を学ぶことができます。
自国について客観的な視点を持ち分析できるようになるのも国際教養学部ならではの特徴です!
【国際教養学部の特徴】③オールイングリッシュの講義
国際教養学部は英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ学部です。
どれだけ英語を使うのかイメージの湧かない人に説明すると、「友人との日常会話が英語になってしまうほど」です。
授業のほとんどではディスカッションが行われていて、留学生も沢山いるためクラス内で英語は常に飛び交っています。
また、各グループのディスカッションのまとめを200人ほどのクラスで発表することもあり、プレゼンテーションスキルや積極性を身に着ける機会が沢山あります。
授業によっては留学生の割合のほうが多いこともあり、国際交流の場は常に用意されています!
文化人類学の授業では生徒のバックグラウンドが多様であることを活用して各々のアイデンティティについて話し合えます。
このように、英語を使用している中で文化交流を並行して行うことができることも国際教養学部の魅力の一つです。
ここまでの説明だと海外経験がある人が多そうに聞こえますが、筆者の周りの友人は半数近くが純ジャパなので、海外経験有無にかかわらず、積極的に授業に参加できますよ!
国際教養学部の注意点
【国際教養学部の注意点】①課題が多い
国際教養学部生は、様々な分野を扱うこともあり、予習時間が長いことに苦しみます。
ほかの学部に比べて幅広い分野に関する知識を短期間で得なければいけないので、一つの科目に対して平均で三時間以上の予習、復習が求められます。
特に、レポートの下調べであったり各授業のテストの予習動画を見るのに時間がかかります。
すべての宿題は英語で行うので、英語が母国語でない人にはより負担がかかってしまいます。
さらに、予習用の資料の長さに打ちひしがれてしまう学生がいます。
国際教養学部の授業の9割は週2回の頻度で授業があるため短期間で次の授業までに資料を読み終えなければいけません。
クラスによっては次の授業前に本を一冊読まなければいけないこともあるので2〜3日間で他の課題と並行しながら本を読み終えなければいけないと考えると少し辛いです……。
【国際教養学部の注意点】②周りのレベルに圧倒されてしまう
「広く浅く」がモットーの国際教養学部は、ほとんどの授業に学年の隔たりがありません。
低学年向けの科目であっても常に先輩がいる状態であるため、周りの英語力に圧倒されてしまう上に、学ぶ意欲の強い留学生の積極性に驚かされます。
20代後半からさらに年上の留学生や学部生も在籍していて、人生経験が豊富な生徒が多いです。
中には、兵役を経験した人、いくつかの大学に行ったことのある人もいました。
それゆえに時々、自分自身の経験値の低さや周りの高レベルなディスカッション内容に混乱してしまうこともあるので要注意です!
【国際教養学部の注意点】➂最終的に進路選択で悩む
最後に、進路選択についてです。
国際教養学部には学びたいことが見つかっていない人が多く、最終的に自分の専門分野を決定するのにつまずく人が多いです。
もともとアメリカのリベラルアーツカレッジを模倣して作られた国際教養学部の基本的なカリキュラムは、大学院進学を見越しての教育となっています。
大学院進学を考えていない人は、大学在籍中に真剣に自分の専門分野を見つけなければいけません。
国際教養学部進学を考えている人は、幅広い分野への関心を忘れずに、いつかは専攻を決めることを心に留めておいてほしいです。
おわりに
以上のように、国際教養学部は自由なイメージが強く、魅力的ですが、意外に大変な場所です。
自分自身の性格に合った学部を見つけるために学部のメリットをリサーチしながらも、知っておくべきデメリットも念頭において学部選びを行ってくださいね!