はじめに
私は中学時代、国語は勉強しなくてもできるものだと、自分の能力を過信していました。
(高校入試本番ではそんなに高い点数はとれなかったのですが(笑))
ですが、そんな自信は高校入学とともになくなりました。
高1の時に受けたセンター模試の国語の点数は60点。
こんな点数では東京大学合格は絶望的でした。
しかし、高3までに見事苦手を克服し、高3の5月のマーク模試では195点を取り、センター試験本番でも失敗することなく、東京大学に現役合格しました。
この記事では、そんな私がセンター国語をどのように克服していったかを記していきます!
この1ページ目ではセンター国語がどのような試験であるのかを、2ページ目は私の個人的な経験談をもとに、当時どのように勉強していたかを書いてあります。
最後のページは、具体的な攻略法を紹介しています。
点が取りづらいとされるセンター国語を攻略して、ぜひ合格を勝ち取りましょう!
センター国語の特徴
ここではセンター国語の特徴を概観していきます。
1問1問の配点が高い
センター国語は、まず英語・数学と並んで配点が多い教科の一つです。
現代文と古典で100点ずつ。
現代文は評論文と小説が50点ずつ、古典は古文と漢文が50点ずつで構成されています。
重要な特徴として、読解問題はやたらと配点が高いことが挙げられます。
漢字・慣用句など知識を問う問題は2~4点、内容理解の問題は7~8点が与えられています。
したがって、読解問題では選択肢を選ぶときにとても慎重になる必要があります。
マークミスなどは、本当に笑えないので注意しましょう。
出題内容は時事的なことも
センター国語は意外と世の中のトレンドにあった文章を選びます。
過去の問題を解くのもアリですが、今世の中で起きていることを知っておくことも大切です。
環境問題や、ネットリテラシーなどは少し知識を持っておいても良いと思います。
文章量が多く、素早く正確な解答が求められる
しかしいくら前提知識があっても、問題量が多いので問題を解くときは大変です。
昔のセンターは、文章量が少なめで問題数も少ないのですが、昨今の問題は文章の量がとにかく多く、常識では80分でこなせる問題量ではありません。
正直センター国語が教科として何を要求しているかわかりませんが、センター国語の問題はとにかく素早く正確に解けるよう心がけましょう。
センター国語の時期別勉強法
出鼻をくじかれた高1~高2冬
高1の10月、部活をやめた私は、当時志望していた京都大学総合人間学部合格を目指し、とある予備校のセンター模試を受けることにしました。
英語は7割くらい、数学は5割くらいとれたのですが、国語はまさかの60点…センター試験の国語は200点満点ですから3割という衝撃的な得点率です。
時間も足らず、漢文は何もわからなかったので大問ごと飛ばし、古文は真面目に解いたはずなのに0点、ほぼ現代文だけでこの点数を取っていました。
そんな私が、どのようにセンター国語について勉強を進めていったのかを説明していきたいと思います。
古文・漢文の文法から手をつけた
私はまず、古文漢文の文法から仕上げることにしました。
といっても、何か特別な勉強法を実践したわけではありません。
とりあえず基本の問題集を仕上げて、学校の定期試験の文法問題で満点を取ることを目標にしていました。
その際に使った参考書はこの2つになります。
このおかげで、基本的な文法事項は高1の間に頭に入れることができました。
しかし、文法だけでは成績はそんな簡単には上がらないもの。
高1の時に受けたセンター試験同日模試(2013年センター試験)は90点でした。
相変わらず漢文は飛ばし、古文はまたも0点、現代文だけでこの点数を取りました(笑)
文法の次は単語を完璧に!
高2に入り、古文単語を完璧にしようと思い、古文単語を片っ端から頭に入れていきました。
この際はこの参考書を使って覚えていきました。
『入試に出る古文単語300 新装三訂版 (大学JUKEN新書)』(旺文社)
単語の暗記によって、文一つ一つの品詞分解ができるようになり、そして一つ一つの単語の意味までは分かるようになりました。
しかし、文脈をとらえるのが苦手で、多義語をどの意味で読めばいいのか、文章全体が何を言っているのかわかりませんでした。
また、文脈をとらえられないがゆえに、省略された主語が何なのか推測するのが苦手でした。
そんな時、出会ったのが『マドンナ古文 パワーアップ版: 別冊 「識別&訳し分け」早わかりチャートつき (大学受験超基礎シリーズ)』(学研マーケティング)でした。
この参考書は古文をどう読めばいいのか具体的なノウハウが書かれていて、文章を読む力がぐんぐん上がっていきました。
現代文で使った参考書はこちら!
現代文に関しては、高1の頃は定番の実況中継シリーズをやっていました。
これらの参考書は現代文を読む基本スタンスが書かれていて、現代文をどうやって読んでいくのかということに関し、とても参考になりました。
高2の夏は進研ゼミ東大特講√Tの現代文を試しにやってみることにしました。
東大の抽象度の高い現代文に触れることができ、難しくて苦労したのと同時に、現代文を読む楽しさのようなものを感じることができました。
高2の10月に少しセンター試験を意識した勉強をしようと思い、代々木ゼミナールの有名講師である船口先生の著書を進めました。
高2の時に受けたセンター試験同日模試(2014年センター試験)は130点だった覚えがあります。
そこそこ古文漢文にも手が付けられるようになりました。
いざ躍進へ!高2冬~受験本番
高2の冬頃から私は塾の東大クラスに入り、東大形式の問題演習をすることになりました。
やはり東大の現代文は抽象度が高く、空白の回答欄に自分の言葉で説明しなければならなかったため、苦戦を強いられました。
しかし、自分の言葉で解答を作成していく力がついていくと、マーク式の問題も設問文を見た後にまず自分の頭の中で解答の大筋を組み立ててから選択肢を見るようになりました。
そうすると、みるみるうちに現代文の得点が安定してきました。
古典に関しては、東大は基礎知識を要求する問題を多く出題するので、むしろ基礎固めに大いに役に立ちました。
また、古文漢文の定番の参考書を使って、古文漢文の読解問題を1日一題ずつ解いていくようにしました。
センター対策に使用した参考書・問題集
結果的にこれらの参考書を2周から3周することができ、読解の量の面でもアプローチできました。
さらに、夏が終わった頃からセンター国語の本試験の問題を週に1年分のペースで解くようにしました。
ちょうど直前期に数年分残る計算です。
そして11月の東大模試も終わり、本格的にセンター試験の勉強にシフトしていきました。
多くの受験生はこのころに記述式の問題とはご無沙汰になると思うのですが、この時に注意すべき点があります。
せっかく今まで記述式の練習をしてきたのに、マーク式の問題を解いていると、自分で解答を考えることを怠ってすぐに選択肢を見てしまい、記述式で身に着けた力が鈍ってしまうことです。
ですから、先ほども述べたように、マーク式の問題をやるときはいつも、自分の頭の中で解答の大筋を立ててから選択肢を見ることが大切になります。
センターと記述式の問題を解く比率は、センターがどれだけ近づこうとも1:1が限度です。
そうでないと、自分で考える力がどうしても鈍ってしまいます。
記述式の問題でも、マークの問題を解く際の考え方は十分に身につくので、センターの勉強に偏らないことが必要です。
過去問はすぐにやりつくしてしまい、市販されている模擬問題集(マーク模試などの過去問)やセンター試験追試験の問題をやっていました。
(追試験は、過去数年分は赤本に載っていますし、大学入試センターのホームページや、マニアックな受験情報サイトなどから入手可能です。)
このころにセンター試験をどう攻略すればいいのか具体的な攻略法を身に着けました。
身に着けたあとは、それを継続しセンター試験の日を迎え、無事切り抜けることができました。
それでは次のページからセンター試験の具体的な攻略法をご紹介していきます。
センター国語全般について
大問を解く順番
まずは解く順番ですが、「解き終わる時間が早い」、「疲れにくく負担の小さい」ものを先に解きます。
具体的には、漢文→古文→評論→小説の順番が一番人気です。
現代文は重たいので、古典を30分以内に解いて落ち着いて解くことが必要です。
「現代文わからない…残り時間は半分…でも、古典も残ってる…どうしよう」と焦ったり、絶望したりすることを防ぐことができます。
センター国語は、焦っても絶対に正しい答えを導き出せないので、落ち着く状態を自分で作り出すことが必要です。
そのためにも、できるところから片付けてしまいましょう!
自分の目標点を決めて、何問までミスが許されるか計算する
一問に5分も10分もかけられないのがセンター試験です。
たとえば、170点を目標にするなら、「配点にもよるけど、5問までだったらミスが許されるかな」というように、大体でいいので許されるミスの数を頭に入れておいてください。
心づもりをしておくだけで本番の試験運びが全然違います。
大問ごとにかける時間を決めておく
例として、事前に漢文は10分かけると決めていたとします。
そしてもし本番で漢文を解き始めてから10分経って解き終わっていなくても、ある程度のところまで選択肢を絞り、かつ「もうこれ以上はわからない」という状態の場合にのみ、次に移りましょう。
たとえ時間を設定したとしてもあくまで目安なので、「まだ選択肢が絞れたり、解き終わってない」といったまだ点数が稼げる状態の場合は、時間を過ぎても粘りましょう。
ただし、それでも数分が粘れる限度です。
それを過ぎれば、残念ですが諦めて次に移りましょう。
事前に想定しておく時間には、見直しの時間をほとんど考慮する必要はありません。
というかできません。
しかし、最後の1分ほどはマークミスをしていないか確認する時間を取りましょう。
また、考え直す時間については考える必要はありません。
むしろ解答に不安を覚えるだけなのでやめましょう。
国語は見直しをして変えた答えが、間違っていることが多くあります。
ほとんどの場合、見直しの際に本文を全部読み直す時間がなく、本文の一部分だけを読んで見直しをしようとします。
すると誤った論理を辿ってしまい、一度目の答えが正しい答えにもかかわらず、間違えに見えてしまうからです。
何度も言いますが見直しに割く時間はほとんど必要ありません!
時間をめいっぱい使って、本文の正しい論理を辿ることを優先してください。
センター現代文の対策法
ここでは、現代文を中心に解説していきます。
東大の記述式現代文の問題を解いてみよう!
前章までに述べてきた私の経験談のように、センター試験は記述問題とセットで対策するのが近道です。
センター試験の現代文に関しては、東大の二次試験の現代文との相性がとても良いのです。
センター試験現代文の正解の選択肢を記述させるのが東大現代文だと思ってください。
ですから、東京大学を受けようと思っていない方でも、東大の現代文の過去問は一度解いてみるのをお勧めします。
何度も言いますが、マーク式問題も一度記述式問題のように解答の大筋を頭の中で作成してから選択肢を見ましょう!
引っかけの選択肢を安易に選ばなくなります!
本文の読み方にも注意する
本文の正確な読解は現代文の基本中の基本です。
自分の感情や深読みは間違った選択肢へとあなたを誘う敵です。
もちろん普通に家で読書する際には、感情移入したりして読んだ方が楽しいのは間違いありません。
しかし、現代文のテストは「いかに客観的に筆者の言いたいことを読み取っているか」をテストしています。
センターなどでは、感情移入などを事前に「こんな間違いを学生はやりそうだ」と想定してダミーの選択肢を作っています。
それに騙されないように、最後の最後まで客観的に筆者の主張を読み取りましょう。
東大やセンター試験、私大入試に限らずに重要なことなので、しっかり意識するようにしましょうね。
段落ごとのキーワードをおさえる
その段落が何について論じているのかをおさえることで、その段落内にある設問で的外れな選択肢を選んでしまうことを防げます。
またその段落が果たす役割(「具体例を論じているのか筆者の主張を論じているのか」、「対立されているA,Bのうち述べているのはAについてなのかBについてなのか」など)を意識しておくことも大切です。
また意味段落ごとに問題が設定されていることが多いので、段落ごとに言いたいことをまとめることは大切なのです。
段落ごとに言いたいことをまとめる練習をしてみても良いかもしれません。
本文中に対比が出てきた場合
2項の共通点と相違点をともに検討しましょう。
本文中に対比が出てきているのに、対比に触れられていない選択肢は誤りの場合が多いです!
正しい答えは、文章の内容を網羅している必要があるので、一見正しそうに見えても要素が足りないという理由で間違いになることもいるので注意しましょう!
センター古典の対策法
次に古典について解説していきます。
1日一題、古文漢文の読解問題を解こう!
古文については、高2冬からの私の勉強法で触れましたが、何らかの問題集で1日一題は古文漢文の読解問題を解くようにしましょう。
語学は古文漢文に限らず、毎日読解問題に触れることが重要です。
1日でも触れないと、語学のセンス(勘)はすぐに鈍ってしまいます。
勘は実は受験においてとても大切です。
英語などでなんとなく意味が取れたりといった経験をされた方も多いのではないでしょうか。
それが勘なのですが、問題を継続的に解かないと鈍っていきます。
必ず1日一題、読解問題を解くようにしてください。
古文を読解するうえで気をつけること
古文には漢文と違って、気をつけるべきポイントがたくさんあります。
今回は、そのポイントの中でも代表的なものを紹介していきます!
・「を、」「ば、」「が、」「に、」で文章を切る!
古文は一文が長くなることが多いです!
文章を細かく区切って、一部分一部分を正確に理解していくようにしましょう。
・尊敬語による主語の識別
古典において主語の判定は、文章を読解する上でとても大切です。
主語の判定をする際、尊敬語によって主語を判定するやり方は有効なやり方です。
まず登場人物を把握し、誰が偉いのか、最高敬語を使われているのは誰かを把握しましょう!
登場人物の身分の高さによって尊敬の程度はきちんと区別されているので、ほとんどはこの識別法で主語を推測できます。
主語は誰かということになったら、文末に使われている尊敬の程度をみてみましょう!
・日記モノの省略された主語は筆者の場合が多い
見落としがちですが、日記モノの主語はその文章を書いている筆者であることは多いです。
例えば、自分が日記を書いている状況を想像しているところを考えてみてください。
自分が主語の行為についていちいち「私は…」から始めるとくどいですよね?
なので、主語は基本省略すると思うのですが、古文の日記もそれと同様です。
本文にはない主語なので、筆者が主語のときの主語の省略には気をつけましょう!
消去法を駆使する
現代文ではあまり消去法という手段はおすすめできません。
しかし、古文漢文においては消去法が絶大な効果を発揮します。
ここではその具体的な手順をご紹介します。
1.まずは文法、句法で誤っている選択肢を切る
特に古文の問1。現代語訳の問題は文法で正解を出せてしまうことが多いです!(特に助動詞に注目!)
むしろ内容で判断しようとすると、引っかけに引っかかりやすくなってしまいます!
2.次に語句の意味で誤っている選択肢を切る
3.主述関係で選択肢を切る
1.2.3.の手順でほぼ2、3択に絞れます!
簡単な問題では、ここで答えしか残っていないことも!
あとは細かい意味の違いで選択肢を選びましょう。
こうすることでミスを極限まで防げます!
おわりに
私のセンター試験国語の攻略法はいかがだったでしょうか。
この世にはセンター試験の攻略法を唱える人は星の数ほどいます。
私の方法もそのうちの一つですが、もし参考にできる部分があったら参考にしてみてください!