はじめに
センター試験は、国立大学やセンター試験利用入試を受ける受験生なら、誰もが必ず突破しなければならない第一関門です。
この記事では、センター試験で満点を取りたい人に向けて、その勉強法と対策法をまとめました。
目次
センター試験で満点を取るための心構え
センター試験は簡単ではない!
センター試験は基本的な問題しかでない=簡単だと思っていませんか?
確かにセンター試験は、教科書の範囲を中心に基本的な問題が出題されます。
しかし、決して「簡単」とは言えません!
例えば国語の現代文などは、記述試験で高得点を取れる人にとっても、判断が難しい問題が多いですし、英語も長文を短い時間に読み込む力が無ければ時間内に解ききることは難しいでしょう。
センター試験=簡単という認識を持っている人は、今すぐその考えを捨てるべきです。
早めに対策をはじめる!
センター試験は各大学の2次試験のちょうど1ヶ月前、1月に行われます。
2次試験まではわずか1ヶ月間しかないわけです。
つまり、11月・12月頃からは、センター試験と2次試験対策を行わなければならなくなります。
センター試験だけを受験する人にとっては関係のないことですが、もし2次試験を受ける人にとっては一大事。
マーク式のセンター試験と記述式中心の2次試験はどうしても問題の形式や出題傾向が違うことが多く、直前期はセンター試験と2次試験のバランスが非常に難しくなるわけです。
また、「センター試験対策の勉強は12月に入ってからやれば大丈夫」なんて情報は偽りです。
本命の大学入試間近の12月・1月に、基礎知識ばかり問われるセンター試験の勉強のみをやっている余裕はありません。
そこで、センター試験の対策はなるべく早めに始めましょう。
センター試験でただ6割、7割といった点数を取りたいだけなら、12月からの対策でも間に合う人もいるでしょう。
しかし、もし満点を本気で狙うのであれば、12月に入るまでに9割を取れるようになっていることを目標に学習するべきです。
そのくらい、早く早くの対策をすることが、満点を取るための唯一の近道なのです。
受験全体を成功させたいのであれば、ひと足先にセンター試験対策を始めましょう。
過去問をこなすべし!
センター試験攻略の鍵は、独特な出題形式にいかに慣れるか、というところにあります。
ややこしい選択肢が並ぶ現代文、奇妙な誘導がついた数学など、慣れるまで苦戦を強いられる問題が多いのがセンター試験の特徴です。
では、どうやって独特な出題形式に慣れるか。
それには、過去問を使うしかありません!
センター試験の問題傾向は滅多に変わらないので、過去問の問題形式に慣れるだけで得点が伸びること間違いなしです。
また、過去問をこなす中で戦略をたてることを忘れずに。
配点をよく見て、どの問題からどういう順番で解いていくのが自分に合っているか考えましょう。
出題の傾向を理解する
センター試験の心構えが分かったところで、次に大切になるのが出題の傾向を理解することです。
特に満点を狙う場合、急に出題傾向が変わった場合にも、その場で瞬時に判断し、解答する必要があります。
過去の出題の傾向はもちろん、出題傾向が変わった年の問題の確認など、かなり細かいところまで分析しておくにこしたことはありません。
過去の出題傾向については記事を作成中ですので、お楽しみに!
時間配分に気をつける
センター試験は一発勝負。
センター試験に限らず、試験本番では思わぬハプニングや失敗がつきものです。
そんなピンチを防ぐためには本番までにしっかりとした対策を取るほかありません。
今までの努力の結果を、その当日に全て出し切る必要ために、しっかりとした戦略が必要です。
特に「どの問題をどの順番で何分かけて解くのか」を考えておくことで、本番独特の緊張を乗りきることができ、実力を発揮することができます。
時間配分を考えることは満点を取る上で極めて重要です。
合格者の意見を参考に、自分だけの時間配分戦略を考えましょう!
満点を取った先輩の時間配分
国語
S・F さん ①漢文10分 ②古文20分 ③小説25分 ④評論25分
はじめに得意な漢文・古文をテンポ良く解くことで、最後まで自信を持って解き進められるように工夫しました!
時間に迫られて最後に焦ることがないように、もし漢文・古文が難解でも決めた時間通りに解くことがポイントです。 (慶應義塾大学)
S・M さん ①評論20分 ②小説20分 ③古文20分 ④漢文15分 ⑤確認10分
あまり深く戦略を考えすぎずに、前から順番に解き進めていきました。
評論、小説は解答に迷いすぎないことがポイント。
古文・漢文が苦手な人は余った時間でじっくり解くことができるのでオススメです。 (東京大学)
英語
Y・S さん ①第一問5分 ②第二問5分 ③第三問10分 ④第四問10分 ⑤第五問20分 ⑥第六問20分 ⑦確認10分
第一問の発音アクセント問題、第二問の文法、語法問題などは特に力を入れて対策したので、とにかく短時間で正確に解くように心がけました。
配点の大きい図表問題及び長文読解では、設問を読んで、必要な情報を素早く見抜くことが大切です。 (一橋大学)
S・N さん ①第二問5分 ②第一問5分 ③第三問8分 ④第四問8分 ⑤第五問20分 ⑥第六問34分
長文問題が苦手なので、第六問までにどれだけ時間を作ることができるかがポイントです。
また、得意な第二問を先に解くことがセンター英語での僕流の「儀式」なんです。
何かルールを決めると、心を落ち着けて解くことができるのでオススメです。 (慶應義塾大学)
数学
M・H さん 【数学ⅠA】①第一問10分 ②第二問10分 ③第三問15分 ④第四問15分 ⑤確認10分
第三問の三角関数、第四問の確率は計算量が多く解答に時間がかかるため、はじめのタイムロスを極限まで減らすことが大切。
特に序盤での計算ミスに注意です。
また、本番での失敗にも対応できるよう、50 分で解き切る練習をしていました。 (学習院大学)
R・T さん 【数学ⅡB】①第三問15分 ②第四問15分 ③第二問20分 ④第一問10分
計算量が多いが解法が見えやすく取り組みやすい数列・ベクトルを先に片づけてしまうことで、心理的負担を軽くしようとする作戦です。
僕は第一問は10 分で終わったのですが、2012 年度のように難化していると思わぬ落とし穴になるかもしれません。 (東京大学)
具体的な学習ポイント
では最後に、科目ごとの具体的な勉強ポイントをご紹介します。
英語
英語のポイントは、長文をいかに早く、正確に解くかということです。
長文の配点の大きさ、文の長さを過去問で見れば、誰もが納得するはずです。
設問を先に読んで問われていることを意識しながら、該当箇所を読み落とさないよう短時間で読み切る練習を積みましょう。
ポイントは、「意味がわからない箇所があっても、文脈や周囲の単語をヒントに意味を確定できるようになるまで英語の長文に慣れる」ことです。
文法・語法でのミスを連発してしまう人は、もう一度基礎的な文法・語法問題集を一冊解きましょう。まだ遅くはありません。
言い切りの選択肢には要注意!
英語の選択肢を吟味していく中で気を付けて欲しいのが、「all」や「completely」のような「極端に言い切ってしまう」選択肢。
問題作成者が偽の選択肢を作るときに、わざとこれらの語を挟んで、いわゆる「言い過ぎ」の選択肢を作ります。
これらの語が出てきたら「本当に全てか?」と疑う癖をつけておくと、うっかり引っかかってしまうことも無くせるでしょう。
数学
数学は、時間との戦いです。一度考え込むと、全てを解き終わることは不可能になります。
しかし、恐れる事なかれ。
なぜなら、本番では過去問の問題しか出ないからです。
基本公式のみを使う基本問題しか出ないので、しっかり過去問をこなして問題パターンを覚えましょう。
当然、過去問の冒頭にまとめられている頻出事項・基本公式は頭に入れておくように!
また、穴埋めのセンター数学は正攻法で攻めなくても解ける問題が多々あります。
数列や場合の数では、適当な数字を当てはめて答えを算出する技も実用的です。
しかし、これに頼ると時間が足りなくなるのは言わずもがな。
まずは正攻法で答えを出せるようになる努力をしましょう!
数えることは悪いことではない!
数Ⅰ・Aの第4問「場合の数・確率」では、時に単純な「数える」という作業が強烈な効果を発揮することがあります。
出来ればきれいに式を立てて解きたいですが、センター試験は「答えを埋めればいい」試験。
通り数えて出した答えでも、合っていれば問題なしです。
数えることを恥ずかしがらず、センター試験特有の形式をうまく利用しましょう。
国語
現代文では、消去法で削ってもなお残る紛らわしい選択肢をいかに判別するか、選択肢の文章全体を漠然と見るのではなく要素に区切ってみましょう。
「前半部は正しいが後半部は微妙」「二つを比較している部分に線が引かれているのに、片方にしか言及していない」など、選択肢に穴が見えてくるはずです。
センター現代文は意地が悪い独特な選択肢が多いです。
過去問をたくさんこなし、解説を読み込んでセンター現代文独特の癖に慣れましょう。
次に、古文・漢文。文法事項や敬語は、得点源にしなければなりません。
覚えることはそう多くないので、効率よく点数を伸ばしましょう。
助動詞、敬語、句法など基礎事項が完璧になると、読解の得点も安定してきます。
一つだけ目立っている選択肢には要注意!
国語、特に古文の文法や主語の識別・漢文の句形などで、一つだけ明らかに他とは性質の違う選択肢が混ざっていることがあります。
例えばア〜エの選択肢は主語を「女房」としているのに、オの選択肢だけ主語を「天皇」としている場合などがこれに当たります。
このような「初見で絞れてしまう選択肢」は、偽であることがほとんどです。
時間が無くなり、やむを得ず適当にマークする場合でも、明らかに性質の違うものは避けるようにしましょう。
地歴
世界史や日本史はとにかく暗記あるのみです。
問題にひねりはないので、力を入れた分だけ得点に直結します。
ポイントは、紛らわしい人名や地名、年号に知識の穴がないかという点、出題者はそういう箇所を狙ってきます。
一方地理は、世界史・日本史に比べると暗記が少ないのが特徴です。
その分、知識を活用して答える問題が多いので、地層間の類似点と相違点を的確にとらえたり、その類似点・相違点がどのような結果をもたらすかを予想するような複合的な訓練を積みましょう。
とにかくセンター地歴の点が取れなかったら、本番の大学入試で高得点を取ることは不可能です。
本命の入試で点を取るためにも、気合を入れて学習しましょう。
公民
政治経済や現代社会は中学までで習ったような一般常識が大いに役立ちます。
過去問を解く中で、昔勉強したことを思い出し、新しい話が出てきたらその周辺を重点的に学習しましょう。
過去問の他にも、時事問題を参考書で補っておくこともお忘れなく!
ただし、分厚い参考書は必要ありません。
倫理は他の2科目とはちょっと違った科目です。
知識が必要なのは言うまでもないですが、知識を使った上で考えることが必要になってきます。
基礎知識をある程度積んだ上で、問題の反復演習あるのみです。
理科
基本的な公式を完璧に覚えたうえで、過去問で間違った問題の解きなおしを丹念にしていくことが高得点への近道です。
間違った問題の周辺知識を補っていくことで、穴を潰していきましょう。
また、理科は焦って問題文を読み落とすと、大問を丸々落とすことのある科目です。
そのため、制限時間よりかなり短い時間で解く練習をしておきましょう。
そうすればセンター本番で焦らなくなるはずです。
理系の人は、早い時期に高得点をとれるように完成させていきましょう。
文系で理科を使う人は、教科書や基礎的な参考書を使って地道に基礎固めをしていくしかありません。
理科は、勉強を続けて行けば必ず急激に伸びます。焦らずじっくり勉強しましょう。
おわりに
いかがでしたか。
センター試験は、ポイントを押さえて勉強すれば、効率よく点数を伸ばすことができます。
満点は決して夢ではありません。
センター試験を受ける受験生は、ぜひこの記事を参考に満点を取れるよう頑張ってください!