はじめに
こんにちは、私は東京大学の理科一類の一年生です。
理科の勉強はいつから始めればいいのか、どう勉強すればいいのかわからないですよね。
本記事では東大現役合格者が実践した理科の勉強法と、学習を始めるタイミングについてご紹介します。
私は物理と化学で受験をしたので物理化学をメインにお話しします!
理科の立ち位置と特徴
理科の位置付け
大学受験において、理科は数学や英語と同等、もしくはそれ以上の配点が課される科目です。
実際に、東京大学では理科は英語と数学と同じく120点、慶應義塾大学医学部では理科は200点なのに対して英語と数学は150点です。
このため、理科で他の受験生と遅れをとるわけにはいきません。
しかし理科は演習量がものを言う科目であり、現役生と浪人生とで差が大きくなりやすく、数学や英語と比べて1年の差が大きく現れやすい科目です。
さらに理科は高3になるまで模試の科目に含まれないことが多く、それまでは自分の学力の立ち位置を把握する術がありません。
その結果、いつの間にか遅れをとってしまうなんてことも……
そんなことを避けるためには、早めに対策を始めることが大事です。
理科科目の特徴
理科は単に知識の問題が問われることは少なく、覚えた知識を使って考える応用力が問われることが多いです。
難関大になるにつれて応用力が問われる傾向は強くなっていきます。
そのため、理科の勉強は記憶と理解のバランスを保って勉強するのが重要になってきます。
理科についてどんな科目か分かったと思うので、これからいつからどのように勉強をすればいいのか紹介していきます!
理科は学校のペースに合わせていては間に合わない
理科の勉強は、学校の授業のペースに合わせているだけでは間に合わないことが多いです。
多くの学校では、高校の理科範囲を2学期までに終了させるため、演習が高3の2学期から2月にかけてに限られてしまいます。
理科の勉強はいつから始めるべきか
では、いつから理科の勉強を始めればいいのでしょうか。
出来れば高2の冬、遅くとも高3の春から始めるべきです。
そうすれば、知識の定着を夏休み前に終わらせて、夏休み以降は問題演習に時間をさくことができます。
筆者は高2の1月から本格的に始めました。この時期から始められれば、他の現役受験生と大きな差を作ることができます。
理科の勉強を始める前に
では理科の勉強を始めてみましょう。しかし、まだ理科の勉強を始める前に確認すべきことがあります。
英語の基礎は十分に固まっているでしょうか。
理科は英語ができるようになってから勉強を始めるべきです。それは、英語は受験科目で最も成績を安定させやすく、伸びるまでに時間がかかるため、英語をできるようになることが合格への一番の近道だからです。
したがって英語がまだ十分でないならむしろ理科の勉強を始めるべきではありません。まず英単語と文法を完璧にしましょう。
英語の基礎が十分に固まっているなら、理科の中では化学を優先して勉強するのがおすすめです。化学は安定しやすく、満点も狙える科目だからです
英語と同様な理由で、化学をできるようになることで合格率を上げることができます。
物理も満点を狙いやすい科目ですが、安定して高得点をとるのが難しいので化学を優先するのがよいでしょう。
ではこれから具体的な勉強法について紹介していきます!
【東大現役合格者が教える】理科の勉強法
筆者の実際に勉強していた時期と勉強法について紹介します。
理科を得意にしたい場合は筆者と同じペースでやれると良いですが、そうでなければ何ヶ月かけて勉強するのかだけでも参考にしてください!
【高2の1月】全体に、一通り軽く触れてみる
まず、高2の1月には、理科全体に広く薄く触れていきます。
目安として1ヶ月間、教科書的な参考書(おすすめは『化学の新研究』)をただ読んでみましょう。
この段階では完璧に理解しようとせず、ざっくりと何を勉強するのかの流れを掴むことが重要です。
また、次に説明する知識を定着させるときまでは記憶に残しておきたいので、スピード重視で勉強しましょう。
【高2の2、3月から高3の夏休み前】知識を定着させる
次に、高3の夏休みまでに知識を定着させます。
夏休みまでの期間に基礎的な問題集を解くことで、知識や基本事項を身につけていきます。
1周目の時は全然わからなくても大丈夫です。2周目以降に解けるようになっていきましょう。
ここで大事なのは問題集を何度も周回することです。知識問題は考えても無駄なので、とにかく周回数を重視しましょう。
そのため、ここでもスピード重視で勉強をします。
また、知識がある程度定着した後にもう一度教科書的な参考書を読み直すと理解がかなり深まります。
この段階で使用するおすすめの問題集は、化学なら『重要問題集』、物理なら『良問の風』や『名門の森』です。
【高3の夏休み〜受験直前まで】問題集で演習をする
高3の夏休みから受験直前までは、分野横断型の発展的な問題集で演習を行います。
ここでの目的は、覚えた知識を使って考える練習をすることです。
問題演習を通じて知識と知識を繋げて理解することで、知識の応用力を身につけます。
こうして分野を横断した理解を深め、記述問題にも対応できる、確固たる知識を手に入れることができますよ。
この段階で使用するおすすめの問題集は、化学なら『化学の新演習』、物理なら『難問題とその系統』です。
【高3の夏休み〜受験直前まで】過去問で演習をする
最後に、高3の夏休みから受験直前まで過去問演習を行います。この段階に一番時間をかけられると良いでしょう。
過去問を通して各大学の出題傾向を把握します。例えば、東京大学では基本的な知識をもとに考える問題が、慶應医学部では科学史に関する問題が出やすいです。
志望大学の出題傾向は早めに知っておいて損はないので、一度くらいは夏休み中に解いておきましょう。
過去問は本番までに20年分くらい解けると良いです。少なくとも10年分は解いておきましょう。
また、冠模試がある大学については模試の過去問を解くのも有効です。余裕のある人は挑戦してみてください。
冠模試のない大学を志望する人は他大の過去問を解きましょう。理科の思考力が身につく良問が多い東京大学や京都大学がおすすめです。
有機化学を極めたいと言う人は東北大学の問題がおすすめですよ。
おわりに
理科を得意科目にすることは受験において非常に有利に働きます。
この記事を参考にして理科が得意になるように頑張ってください!