早稲田大学とかにある、「人間科学部」ってどんな学部?

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文理両方の知識が必要な学問を学ぶ学部

みなさんこんにちは。ライターのこばゆりです。
突然ですが、
”人間科学”と聞いて何をするのかピンと来る人はいますか…?
おそらくほとんどの人がよくわかっていないと思います。

人間科学部は、既存のあらゆる学問(例えば、生物学や工学、人類学…等々)を組み合わせて、新たな観点で分析、実験、応用していく学問であるということができます。文理の枠組みを超えていろんな分野を学習することができます。
・・・って言われても、まだピンときませんよね。

例えば、「人の行動や生活に動物としての特性がどのような形で存在、進化してきたのか」というのを研究するには、心理学の知識も、体の器官の研究、脳科学、コミュニケーション論や文化人類学などの形而上学も学ぶ必要があります。
つまり、文系と理系両方の知識がないと解決出来ないような学問をするところといってもいいでしょう。

早い話が、人間科学部というのは「比較的新しい学問、最近になって出来た学問分野を学ぶところ」「文系と理系両方の知識が必要な分野」と思っていただいて大丈夫です。

文系と理系の両方を使う=どちらも中途半端になる?

よく言われるのが「文理の枠組みを超えて勉強できるって言っても、表面的で中途半端な学習になっちゃうんじゃないの?」という質問。実際そうなってしまうかどうかは自分次第です。

先ほど心理学の例があったのでその話をすると、早稲田大学の人間科学部には心理学一つをとっても約20個の授業が用意されています。
つまり、各分野の学問を深く学ぶだけのコンテンツは用意されているのです。

だから、それをどう利用してどの程度学ぶかはまさに自分次第です。

また複数の分野を合わせて学ぶこと自体にも発見はたくさんあります。一つの学問しか学んでいない人だと分からないような気付きがそこにあるかもしれないのです。

結局、文系なの?理系なの?

文系か理系か一体どっちなのという質問もよく受けますが、それは自分の専門とする分野で変わってくるのもこの人間科学部の面白いところ。

心理学、社会学系、人類学系となると文系になりますし、人間工学や教育工学、プログラミング系だと理系になります。
福祉や医療系の学習もできます。

早稲田大学の場合、自分の専門とする分野を決めるのは、「ゼミ」という少人数制のクラスに入る段階です。
3年生になるまでは一般教養を学ぶのでゼミには入りませんが、1・2年生の間に興味分野を絞っておく必要があります。

学習分野が偏らないようにきちんと設計されている!

大学は自由に自分の履修を決められるので、人によっては自分の興味分野ばかり学ぶ人もいます。
しかし早稲田大学の人間科学部では、履修分野が偏らないようにきちんと大学がプランを設計してくれているのです。

それが必修制度です。必修授業といって、必ず履修しなければいけない授業が用意されています。
これはどの大学・学部にもある制度ですが、例えば工学部では数学系の授業のみが必修となっているのに対し、人間科学部では広い分野の授業が必修となっています。

早稲田大学の人間科学部の必修の一部をご紹介しましょう。

早稲田大学の人間科学部の必修例

データリテラシー:excelやR(プログラミング言語の一種)を使った統計学の基礎を学ぶ
Tutorial English:4人程度の生徒に一人の先生がついた英会話の授業
人間科学概論:人間科学について教授、先生方が討論したり語ってるのを見る

ちなみに、人間科学概論という授業はオンデマンドで配信されている授業です。
他にも学術論文の書き方を細かく教えてくれる授業もあります。

英語にはかなり力が入っている!

人間科学はもともとアメリカで盛んに行われており、その論文を読むためには英語がどうしても必須です。フランスやドイツでも盛んに研究が行われていますが、論文は英語で書かれています。

そのため、早稲田大学の人間科学部では英語の学習にかなり力が入れられています。
必修の中だけでも3つの英語の授業が取り入れられています。
日常的な英語を学ぶ授業、英会話の授業、本などで使われる英語(いわゆる一般的な英語)の授業の3つです。

もちろん、必修以外にも様々な英語の授業があります。
映画を見ながら英語を学んだり、ディスカッションを中心とする英語の授業があったり、論文に使われる堅苦しい英語を学ぶ授業があったり。

とにかく英語には力を入れられているのもこの人間科学部の特徴です。

人間科学部の研究の一部をご紹介

何となく人間科学部がどんなところかイメージをつかめてきたところで、実際にどんな研究がされているのかご紹介します。
早稲田大学のゼミの研究内容から5つほどピックアップしました。

野生動物保全学

「人の行動や生活に動物としての特性がどのような形で存在、進化してきたのか」を学びます。適応って何?コミュニケーションは、動物はどのようにとってきたの?性の進化の過程は?動物の絶滅を防ぐってどうするの?といったことを学びます。

最先端の人工知能・言語メディア技術の開発

人間のように話す人工知能を作ったり、声の表現力を調べたりとその内容は様々。ロボットの研究はもちろん、言語学や社会学も駆使して研究に挑みます。

老年学

少子高齢化社会における社会問題を考えるゼミです。防災マップを高齢者の方々と一緒に作ったり、認知症患者の方にも使いやすいアイデア作品を考えたりと様々なフィールドワークも行います。研究の集大成である卒論は、ハワイ大学の社会学のクラスと連携して発表します。

職場メンタルヘルス学

うつや不安が形成されるメカニズムを研究したり、総合病院におけるメンタルケアシステムの開発を行ったりします。

いかがでしょうか。文系と理系両方の知識が必要だということがよく分かっていただけたのではないかと思います。
進路選択に悩んでいる高校生のみなさん、人間科学部がどんなところなのか分かった今、ぜひ人間科学部を進路の一つにしていただきたいです!