練習問題
それでは実際の問題で確認してみましょう。
注は古典に自信がない人向けです。自信がある人は、注を見ずに解いてみましょう。
(1)(2)文の赤字の語を適切な形に活用させなさい。
(3)(4)文の赤字の語を文法的に説明して訳しなさい。(例:完了の助動詞「たり」の終止形)
- 雪がおもしろう降るたりし朝(徒然)
訳:雪が趣深く降っていた朝 - 瓶に花を挿すり。(伊勢)
訳:瓶に花が挿してある。 - 紫だちたる雲の、細くたなびきたる。(枕)
紫だつ=紫がかる 雲の=雲が たなびく=(雲や霞などが)横に長く引く - いと思いの外なる人の言へれば、人々あやしがる。(土佐)
いと思いの外なる人の=全く意外な人が 言ふ=歌を詠む ……ば、人々あやしがる=……ので、人々が不思議に思う
解答
- 雪がおもしろう降りたりし朝
「たり」は連用形の後につくので、ラ行四段活用の動詞「降る」は連用形「降り」となります。 - 瓶に花を挿せり。
「たり」はサ変動詞の未然形と四段動詞の已然形の後につくので、サ行四段活用の動詞「挿す」は連用形「挿せ」となります。 - 両方とも存続の助動詞「たり」の連体形
訳:紫がかっている雲が、細く横に長く引いているの(が良い)。 - 完了の助動詞「り」の已然形
訳:全く意外な人が歌を詠んだので、人々が不思議に思う。
おわりに
いかがでしたか?
「り」は識別で問われることも多いので、まずは基本をしっかり身につけておきましょう。