【指定校推薦のリアルな体験談】書類審査だけでOK!?指定校推薦のメリット・デメリット

指定校推薦

目次

指定校推薦ってどんな制度なの?

高校によって推薦のある大学が異なる

指定校推薦とは推薦入試の1つです。

大学が高校に推薦の枠を与え、まずはじめに高校で進学希望者を選抜します。
そして大学は、その選抜された生徒に試験を行って合否を判定します。

推薦の枠は高校によって異なり、年によっても変わることがあります。

というのも、高校の卒業生がその大学で優秀な成績を納めた場合、出身高校に指定校枠がプラスされるからです。

もしくは、指定校推薦で進学したものの大学で悪い成績を取ってしまった先輩がいると、その高校の推薦枠がなくなることがあるからです。

毎年どこの大学から枠が来ているのかは、進路の先生に聞いてみると良いでしょう。

校内選考に通ればほとんど不合格はない

校内選考で選ばれれば大学側から落とされることはほとんどありません。

合格通知が来るまでは多少の不安はありますが、校内選考に通る=合格と考えてしまってもよいほどです。

小論文・面接の試験がある大学や、書類を送るだけでよい大学がある

多くの大学は書類審査と面接があります。

書類審査は、高校での成績と志願理由書がメインとなります。

中には小論文を書く試験がある大学や口頭試問がある大学もあります。

私は書類審査しかない大学だったため、志願理由書を書いて送ったら、合格通知が来ました。

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指定校推薦を取るにはどうすればいいの?

条件として評定平均が大切になってくるため定期試験を頑張る

校内選考では評定平均の値が重要になってきます。

評定平均とは、3年間の学校の成績の平均値です。
5段階評価であれば、評定平均が5に近づくほど優秀と言えます。

また、校内選考以外にもそもそもの応募条件に「評定平均〇〇以上」という目安が示されている大学がほとんどなため、それを目安に成績を取っていくことが大切になります。

そのため指定校推薦は模試の点は低いけれど定期試験は得意という人に向いています。

評定平均が同じならば、部活動などの受賞歴や生徒会や学級代表をしていたかなどが考慮されます。

評定平均だけでなく、英検〇〇級取得や、欠席日数が10日以内などの条件が大学ごとに課されることもあります。

指定校推薦に選ばれるためには、5教科の定期試験を頑張ることはもちろん、体育や芸術などにも力を入れて高い評定平均を持っていることが大切です。

条件として欠席日数がかかわる大学もあるので、高校に元気に通うことも大切ですね。

校内選考等の日程は高校によって違う

実際の出願期間は11月の初めくらい。試験日は11月の中旬から後半、合格発表は11月の後半から12月の初めという流れです。

しかしその前に校内選考があり、そちらが本当の意味での選考だと考えてよいでしょう。

というのも校内選考に通れば、もう落ちることはほぼないのですから。

校内選考を行う日程は高校ごとに多少異なります。
私の場合はこんな感じでした。

  1. 指定校推薦を考えている人は夏休みの三者面談で指定校推薦の希望を出し、親・先生・私で相談をする。
  2. 9月1日に指定校推薦の学部・学科や条件の一覧が掲示される。
  3. 掲示から1週間後までに、担任の先生に推薦の希望を出す。
  4. 10日後に、校内選考に通ったかどうかが担任から知らされました。

1回目に出した大学の推薦が取れなかった人は、推薦枠の残っている大学へ2回目も出すことができます。

指定校推薦を考えている人は遅くとも夏までには気持ちを固めておく必要があるでしょう。

指定校推薦のメリット

【指定校推薦のメリット①】受験が早く終わる

校内選考で選ばれさえすれば後は楽です。

私は書類審査だけだったため面接練習や小論文対策もしなかったのでとにかく楽でした。

10月には受験から解放され、勉強に対する気持ちも楽になりました。

センター試験は受けたのでそれまでは勉強していましたが、休日には大学の学園祭に行って大学の雰囲気を見てきたり、ひとり暮らしをする家を探したりしていました。

センター試験が終わった後は車の免許を取るために教習所に通いました。
推薦で決まった子の多くは免許を取りに行きますね。

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【指定校推薦のメリット②】自分の実力よりも上の大学に行ける

私は正直、一般受験で受けたら合格は厳しいだろうという大学の推薦をもらえたので、自分の実力よりも上の大学に行けたと感じています。

公立高校だと上位の子は国公立大学を目指す人が多いため、私立大学の推薦枠は空く傾向にあると考えられます。
一般入試至上主義だったり国公立志望主義の高校だと、指定校推薦が取りやすい気がしますね。

私は公立高校だったため、私より成績の良い子は国公立医学部や薬学部を目指していました。

一方で私立高校出身で指定校推薦の友達からは「推薦を取れなかった子は一般入試を受け直して入学した」という話も聞いたので、高校によると思われます。

指定校推薦のデメリット

【指定校推薦のデメリット①】毎年同じ大学・学部の推薦が来るとは限らない

毎年推薦枠が来ていても、今年に限って狙っていた大学から枠が来なかったということもあります。

私も実際、別の大学の理工学部の生命系の学科の推薦を考えていましたが、私の年だけ学科が物理学科に変更されてしまいました。

校内選考でライバルに負けてしまう心配はしていたが、まさか推薦の学科が変わってしまうとは本当にびっくりでした。

しかも大の苦手な物理学科だったため、その大学は諦めました。
今考えればあの時学科が変わってしまったために別の大学にして本当に良かったと思いますが、当時は本当に焦りました。

本当に行きたい大学は一般入試で受かるように勉強し、指定校推薦は枠が来たらラッキー程度に考えていたほうが良いと思います。

【指定校推薦のデメリット②】大学での成績が高校にも届く

その高校の代表として大学に推薦されて通うことになるため、大学での成績が高校にも通知されます。
成績が悪いと出身高校の推薦枠がなくなってしまいます。責任重大です。

実際に私の高校では、毎年慶応法学部の推薦枠があったのですが、先輩がひどい成績を取ってしまい、推薦枠が無くなってしまいました……。

また、推薦入試で入学すると入学してからの学部や学科の変更はできません。
退学も出身高校の推薦枠にかかわってしまうのでできません。

安易な気持ちで推薦を取ってしまうと、自分に合わない学部だったときにとても辛い思いをして4年間を過ごすことになります。
大学名だけでなく、学部選びもしっかり考えましょう。

【指定校推薦のデメリット③】一般入試組と学力差ができてしまう

私は実力よりも上の大学に行ったので、特に一般入試を受けて入った子より学力がないと劣等感を感じました。

そうでなくても、本格的な受験期に入る前に受験が終わってしまう指定校推薦組は学力に差がついてしまいます。

ですがそれは私の場合。同じように指定校推薦の友達で成績が良い子もいれば、一般入試で入った友達でも単位を落としていたりもします。

その違いは入試形式というよりも、大学はゴールなのか通過地点なのかという意識の違いだと思います。
やりたいことがあって大学に入っていればしっかり勉強しますし、大学受験で燃え尽きてしまった人は授業に出席しなかったり。

しっかりと大学に通って試験勉強をすれば、入学時の学力差はあまり気にしなくてよいと思います。

【指定校推薦のデメリット④】校内選考では友達がライバルになる

身近な友達がライバルの可能性もあります。

基本的には担任を通して希望を出すため、知ることはないのですが、なぜか「あの子はあそこの推薦を受けるらしい」と噂が飛び交うこともあります。

誰とは言いませんが、もしも自分よりも評定の高い子が同じ枠を希望していた場合、担任の先生が他の大学を勧めたりするそうです。

【指定校推薦のデメリット⑤】進学校だと受験期に肩身が狭い思いをする

みんなが受験で必死になっている中合格が決まってしまっているのでみんなからどう思われているのか気にしてしまいました。

だから私は合格後のほうが授業中一生懸命に勉強していたように思います。受験するこのサポートなどもしていました。

でも、推薦を取ったこの中で授業中寝てばかりいる子がいて、友達の中にはその子を見てイライラしてしまう人もいました。

合格した後は受験するクラスメイトの邪魔をせずに力になってあげられるように行動しましょう。

【指定校推薦のデメリット⑥】受験の達成感は感じられない

私はこれが指定校推薦の1番のデメリットだと感じます。

どこか受験から逃げてしまったという思いが残ってしまうことです。

前からずっと志望していた大学に受かったのならそうはならないかもしれませんが、私は推薦の枠が変わってしまったため、直前で大学も学部も学科も変えました。そのため志望動機がややあやふやでした。

そもそも指定校推薦を考えるようになったのも、志望していた大学が模試の結果から現役では難しいと担任の先生に言われたことがきっかけでした。

ー受験から逃げて楽してしまったー
ー必死に勉強して受験すればよかったー
ー浪人してでも、初めから志望していた本当に行きたい大学を目指せばよかったー

そんな思いばかりが溢れることもありました。

2年生となった今ではそんな思いも消え推薦を受けてよかったと心から思っていますが、しばらくは楽してしまった罪悪感のようなものもありました。

指定校推薦で大学に入学した後の生活は?

指定校推薦でも大学の成績がいい子もいる

一般入試組との学力差のところでも話しましたが、指定校推薦=大学での成績が悪いとは限りません。

指定校推薦の人は大学の成績が高校の推薦枠にもかかわることから、まじめに授業に出る傾向にあるのも事実だと思います。

高校の勉強と大学の勉強は異なるので大学で頑張ればついていけます。

私は学力差があると感じている分、試験期間の勉強量は友達よりも多くないといけないため大変ですが、なんとかついて行っています。

周りの友達のレベルが高くていい環境にいると感じられる

周りの友達や先輩がとにかく頭がいいです。

自分の能力が1番下というくらいの環境にいられることは本当に良い経験だと思います。

人それぞれかと思いますが私にはとても居心地の良い環境で、周りを頼りながら高めあったりできると思います。

一般入試では入ることのできなかった環境なので、指定校推薦を利用してよかったと心から感じます。

友達や先輩のサポートで単位取得できる

授業でわからないことは友達と一緒に勉強して教えてもらったり、親切な先輩に詳しく解説してもらったりしてなんとか試験を乗り越えています。

大学の試験は情報戦ともいわれるくらいで、過去問を手に入れて要領よく勉強することが重要です。

先輩と仲良くなって過去問をもらったり、わからないところは素直に周りを頼って頑張ればなんとかなるので、自分の実力より上の大学だからついていけるか心配と思っている人も心配しすぎずに推薦のチャンスを考えてみると良いでしょう。

まとめ

いろいろ悩みや不安もあったものの、今は指定校推薦でこの大学に入ることができて本当に良かったと感じています。

気の合う友達や、頭が良くて盛り上がる大好きな先輩達に出会って、授業もサークルも楽しくて充実しています。

実習や試験は大変だけれど、専門科目を学ぶうちに興味もわいてきました。

大学入学後の心配はいりません。大学に入ってから頑張ればなんとかなるものです。
というか、自分次第。

一般入試では厳しくても、もしかしたら指定校推薦という方法で入学できる可能性があるかもしれません。

高校での頑張りを生かせるのが指定校推薦です。
一般入試での合格を目指しつつ、指定校推薦も入試方法の一つとして視野に入れてみてください。

気になる方はぜひ学校の進路指導の先生に詳しく相談してみてはいかがでしょうか?

大学には様々な入試形式があります。ぜひこちらの記事もぜひ参考にしてください。

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