はじめに
最近巷を騒がせる存在のAI。
このAIが近い未来今ある仕事の多くを奪ってしまうのではないか、と世間ではささやかれています。
今回はそんなAIの脅威に負けない、未来を見据えた職業選びについて考えてみましょう!
目次
AIが今ある仕事を奪う!?AIをうまく活用し共生するために必要なこと
はじめに:AIにより将来日本の労働人口は約半分に!?
野村総合研究所は、ロボットやAIによって代替が可能な職業601種のうち、代替可能性が66%を超えた職業に就いている労働人口の割合が49%であったとする研究結果を発表しました。
つまり、ロボットやAIによって現在就労している人の約半分が将来失業することになるかもしれないという見方を示したということで、発表当時大きな反響を呼びました。
数だけみれば恐ろしい数字ですね。
これを見ていると近い将来とんでもないことが起こると考える方もいるかもしれませんが、しかしこの研究結果にはいくつか問題点があると筆者は考えています。
- 技術面しか考慮できていない
- いつまでに失業率が半分になるかが明確でない
例えば、AIが裁判官の仕事を代替したとします。
ここで起こる問題は、果たしてAIが人間を裁いても倫理的に問題はないのかということです。
そのようにたとえ「技術的」には代替可能でも、社会がそれを受け入れなかったりする場合もあるため、一概にすぐさま現場に導入されるとは限らないのです。
先ほど紹介した野村総合研究所の発表は、いつまでに労働人口が半分になるかははっきりとしていません。
つまり、今の高校生が就職して定年退職するまでかどうかということがわからないということです。
しかし、いずれにせよAIやロボットというものが近い将来、就業している仕事に大きく影響を及ぼすことは間違いないと言えると思いますが……。
AIは発達してもなお残る職業の特徴とは?
では、どんな職業が将来的に有利になるのでしょうか?
ここではその大まかな特徴を4つご紹介します。
- 創造性・協調性が必要であること
- 非定型であること
- 器用さが必要な職であること
- 人を楽しませる職であること
もちろん、一口に創造性と言っても様々で、AIが持っている創造性と持っていない創造性があります。
持っている創造性としては、例えばAIは現在絵を描くこともでき、『ハリー・ポッター』の新作を過去作をもとに書くといったことまで出来るようになっています。
逆にAIは、抽象的な創造性を持っていません。例えば、哲学や宗教といったものです。
ですから、このような分野を研究する学者は今後も残り続ける可能性が高いと言われています。
また、第三者との協調性が必要な職も残るとされています。
AIは単独で何かをすることができても、他のAIとともに何かをするということは苦手です。
したがって、どうしても他人との共同作業が必要な職、例えば経営者などは今後も残る職業と考えられています。
非定型とは業務が定まっておらず、臨機応変な対応が必要な職、例えば教師がこれにあたります。
逆にやる業務がある程度同じもの、例えばレジ打ちや受付はAIの方がより正確に業務を履行できるので、将来残っている可能性は低いと考えられています。
いくら暗記が得意であっても、AIは人間のように細かい作業はできません。
例えば、いくら綺麗なケーキをAIがデザインできたとしても、それを色々な材料を使って実際に作るとなると無理があります。
この点で、パティシエなどは今後も残ると職といえるかもしれませんね。
例えば、AI同士が2チームに分かれてサッカーの試合をすることを考えてみましょう。
ロボット同士がサッカーの試合をする。
実現できなくはないかもしれませんが、機械同士がサッカーをしたところで、どこか単調と感じてしまうのではないでしょうか?
人間がやるからこそ、色々なドラマが生まれて面白いし、あの選手がいるから応援をしに行こうとなるはずです。
このように考えると、スポーツやエンターテイメントの領域の仕事はAIの代替が困難だといえそうです。
今人気の職業の将来に将来はあるの?
現在安定的と言われる職業も完全でなくても部分的に仕事が奪われるという可能性があります。
そこで今回は現在人気の職業として医師・エンジニア・公務員・法曹の4つの職業の将来性について分析していきます。
No.1:医師
医療現場には既にロボットが導入されています。
例えば、これまでのカルテや論文を何千万という単位でデータとして入力することで、病名を当て、適切な治療が行えるようになってきています。
こちらも実際に日本においてWatsonというAIが、特殊な白血病をわずか10分で見抜き、治療を成功に導いたという例があります。
しかし、医事者はAIへの代替可能性は低いとされています。
というのも、医療において大切ことはもちろん適切な処置を施すことですが、それと同じくらい患者への思いやりが大切でもあるからです。
医療現場においてAIはあくまでサポート役。メインは今後も人間が担う職業であると考えて良さそうですね。
No.2:エンジニア
エンジニアは代替可能性の低い職業であると考えられています。
というのも、そもそもAIを開発するのがエンジニアであり、AIがAIを作るということは、今のところ不可能です。
このシンギュラリティというテーマは今世界中でホットな話題となっています。
「シンギュラリティの到来はもうすぐだ」
「シンギュラリティが来ては我々はおしまいだ」
などと日々世間を揺るがすニュースが飛び交っています。
しかしながら、これだけAIに注目が集まっていて開発が熱心に行われているにも関わらず、シンギュラリティはまだ来ないという説が有力です。
ひとまずは安心していても良いでしょうが、そう遠くない未来にシンギュラリティは到来すると思われますので、その準備はしっかりとしておきたいものですね。
加えて、エンジニアは何かを作るというクリエイティブな職業でもあります。
最近はAIにも創造性というものがあると言われていて実際に、AIが絵を描いたり、『ハリー・ポッター』の続編を生み出した例もあります。
しかし、それがユーザーのニーズに合うレベルまでにはまだ達していません。
まだ、2020年度から小学校でプログラミングが教科化することからも、エンジニアの需要が増える未来が見えそうです。
No.3:公務員
公務員といっても幅が広すぎるので、ここでは教師と官僚を取り上げます。
まずは教師ですが、代替可能性の低い職業と言えます。
教師は生徒のその時の心理状態やモチベーションの維持、それぞれの実力にあった指導を行う必要があります。
このような臨機応変な対応が必要な教師という仕事はAIには向いていないからです。
次は官僚です。官僚はAIの代替可能性が高いとされています。
理由は簡単で、単純反復が多い職業だからです。
例えば法案の作成という職務がありますが、大半が過去の法律との整合性のチェックや判例の確認といった作業に費やされるそうです。
この仕事を反復が得意なAIが代行させれば、かなりの時間削減になると考えられているためです。
No.4:法曹
最後に法曹、つまり弁護士や裁判官をみてみましょう。
まずは弁護士ですが、部分的に代替されると考えられます。
というのもアメリカでは既に、バラリーガルという弁護士の仕事を補佐する仕事がAIに代替されています。
バラリーガルには過去の判例を調べる仕事がありますが、これは一瞬で適切な判例を出力してくれるAIに判例をデータとして入れておけば、より効率的になりそうですね。
つまり弁護士は、部分的にAIに仕事が代替されると考えられます。
次に裁判官ですが、AIに代替されにくい職業とされています。
裁判官は実際にAIの開発が進んでいますが裁判の公平性が全く担保できていないそうです。
加えて「AIが人を裁いてもいいのか?」という倫理的な問題も発生しているためです。
最後に
いかがだったでしょうか?
AIは現在いろいろなところで議論が盛んに行われている、非常にホットな話題です。
毎日のように更新されていく情報にしっかりと目を向けておかなければ、将来後悔することにもなりかねません。
今回少しでも興味を持ったという人は、自分で本を買って読むのもいいですし、ネットで調べてもいいかもしれません。
いずれにせよ、皆さんの将来に大きく関わるテーマです。
情報のアンテナを常に立てておくようにしましょう!