はじめに
こんにちは。
私は東京大学理科1類に在学中の1年生です。
初めに断っておくと、私は1年浪人して東大に合格しました。現役生の人には反面教師として、浪人生の人には1浪で志望校に受かるための参考に少しでもなることを願って、僕の浪人合格体験記をつづろうと思います。
東大合格のための私の戦略
現役時は参考程度にして、浪人時をメインに書こうと思います。
センター試験と二次試験の目標点数(現役時)
現役時のセンターと二次試験の目標点数は以下のとおりです。
試験名 | 目標点数(満点、得点率) |
センター試験 | 810点(900点、90%) |
二次試験 | 230点(440点、50%) |
現役時は自分に力が足りないことを模試などで理解していたので、最低点ギリギリを狙った目標点を設定しました。
センター試験の科目別目標点数(と実際の得点)
科目名 | 目標点数(実際の点数) |
国語 | 170点(169点) |
現代文 | 80点(90点) |
古文 | 45点(37点) |
漢文 | 45点(42点) |
数Ⅰ+A | 100点(92点) |
数Ⅱ+B | 100点(82点) |
英語(筆記) | 180点(179点) |
英語(リスニング) | N/A(46点) |
物理 | 90点(74点) |
化学 | 90点(89点) |
地理B | 80点(85点) |
合計 | 810点(770点) |
東大入試ではセンターの点数が900点満点から110点満点に圧縮されるのですが、そのうちの約9割(110点満点で100点ほど)が合格ラインの一つと言われています。
ですので僕もその点数を目標に勉強していました。
しかし結果は惨敗であり、かなりショックを受けてしまいました。
二次試験の科目別目標点数(と実際の得点)
科目名 | 目標点数(実際の点数) |
国語 | 40点(46点) |
数学 | 60点(55点) |
英語 | 65点(50点) |
物理 | 30点(22点) |
化学 | 35点(34点) |
合計 | 230点(207点) |
二次試験に関しては全教科で5割を狙いつつ、比較的得意であった英語と化学でセンターの穴埋めを図りました。
しかし、やはりセンターでつまづくような基礎力では二次試験も太刀打ちできず、全体としては最低点に20点ほど届かない結果に終わりました。
センター試験と二次試験の目標点数(浪人時)
浪人時のセンターと二次試験の目標点数は以下のとおりです。
試験名 | 目標点数(満点、得点率) |
センター試験 | 835点(900点、93%) |
二次試験 | 240点(440点、54%) |
とにかく基礎がない状態で浪人をスタートしてしまったので、浪人生にしてはセンター・二次どちらも低めの目標点数を設定しました。
センター試験は、基礎をしっかり固めることができればこれくらいの点数は取れるはずだと考え、失敗したとしても9割は得点できるだろうと思っていました。
二次試験は、僕は特に数学が苦手だったので、英語と理科で点数を稼ぐイメージで、全体で240点を目標にしました。
これらの点数を目標に設定したのは、毎年合格者の平均点がおおよそセンター(900点満点を110点満点に圧縮)・二次(440点満点)の合計で350点程度であるからです。
センター試験の科目別目標点数(と実際の得点)
科目名 | 目標点数(実際の点数) |
国語 | 170点(179点) |
現代文 | 80点(87点) |
古文 | 45点(50点) |
漢文 | 45点(42点) |
数Ⅰ+A | 100点(100点) |
数Ⅱ+B | 100点(98点) |
英語(筆記) | 190点(192点) |
英語(リスニング) | N/A(46点) |
物理 | 95点(90点) |
化学 | 95点(89点) |
地理B | 85点(92点) |
合計 | 835点(840点) |
予備校でたくさんのマーク模試をこなす中で、各教科の目標点数を決定しました。
まず、理系科目については、基礎力強化を目標に掲げていたこともあったので数学はどちらも満点、理科も物理化学それぞれ1ミス以内に収めることを目標にしました。
英語は苦手意識もなく成績も順調に伸びていたので、190点以上を目標にしました。
国語と地理Bに関しては、そこまで徹底的にやる余裕はなかったのでどちらも8割5分をしっかり取り切る方針で勉強しました。
結果的には目標点よりも高い点数を取ることができ、自分の成長を感じられましたし二次試験へのモチベーションにもなりました。
二次試験の科目別目標点数(と実際の得点)
科目名 | 目標点数(実際の点数) |
国語 | 40点(44点) |
数学 | 60点(46点) |
英語 | 80点(75点) |
物理 | 35点(32点) |
化学 | 35点(36点) |
合計 | 240点(233点) |
現役時の点数と東大模試の点数を参考に、英語と理科で点数を稼ぎつつ苦手な数学は最低限の点数で合格することを考えて、この目標点にしました。
しかし蓋を開けてみれば数学は現役時より点数が下がり、全体でも目標点に届きませんでした。数学が難化したこともありますが、かなり悔しかったです。
終わった直後の感触としては目標点付近だろうなと思ったので、落ちたのではないかという不安はそこまで強くなかったです。
東大合格を勝ち取る時期別の勉強時間・モチベーションの変化
では、受験生として本格的に勉強をスタートした高3の春からどんな勉強をしていたか紹介していきたいと思います。
高3・春&夏:文化祭の準備をしながら受験勉強を本格的にスタート
僕の出身高校は11月に高3が中心の文化祭があったので、春は文化祭準備と受験勉強を同時に行っていました。
というのも、僕らの独自ルールで夏休みは文化祭準備は休むというものがあったので、春から準備を進めていたわけです。
かなり特殊な環境でしたが、僕のように基礎が固まっていなかった受験生にとっては、春の時期に思うように基礎を固める勉強ができなかったのは痛かったなと思います。
また、部活も5月の大会まで続けていたので、実際にはほとんど勉強できていなかったと思います。
高3でも文化祭や部活をやりたいけど、なんとか現役合格したい人は、やはり高3になるまでに計画的に勉強しておくことが必要不可欠だと思います。
夏休みは文化祭作業もすべて中断し、ずっと勉強していましたが、2か月だけでは遅れを取り戻せず、不安を抱えたまま夏休みを終えました。
また、夏の東大模試は2つ受けて、どちらも一番下の判定(駿台はe判定、河合はd判定)でした。
高3・秋&冬:文化祭終了からセンター・二次試験へ
文化祭は11月の頭にあり、夏明けから文化祭本番までは1分も勉強しませんでした。
これは別に勉強したくなかったからではなく、文化祭でかなり忙しかったので、中途半端に勉強するよりもメリハリをつけたほうがいいと思ったからです。
そして文化祭が終わり、いよいよ受験勉強に突入したのですが、基礎が固まりきっていなかった僕は11月の終わりの時点でセンターの過去問すら安定して点が取れる状態ではありませんでした。
そのまま必死にもがいているうちにセンター本番、2次試験を迎え、20点近く足りずに理科1類に不合格となりました。
現役で失敗した一番の原因は、高3以前に基礎学習を積み重ねてこなかったからだと思います。
特に、高3が忙しいことをわかっていながら、しっかり基礎を積み重ねる地道な勉強から逃げてしまっていたのです。
この記事を読んでいる現役生の皆さんには「高3の1年でなんとかなるだろう」という楽観的な考えは捨て、地道な努力で志望校現役合格をつかみ取ってほしいと思います。
浪人・春:浪人が決まり1年間どう過ごすかを考える
浪人が決まってからしばらくの間は、なぜ自分は落ちたのかを分析しながらこれからの1年でどうやって東大合格までたどり着くかを考えていました。
この時期の勉強は予備校の予習復習を中心にしていました。この時期は予備校も基礎的な内容をやっているので、変に自分なりの勉強をしようとしないほうがいいと思います。
浪人・夏:夏休みは毎日休みなく塾の自習室で1日12時間勉強
この夏が本当に最後の夏になると思い、朝から夜まで予備校の自習室に籠っていました。
受験は夏が勝負というのはよく言う話ですが、僕にとってもそれは同じで基礎を固める最後のチャンスだと思いとにかく各教科の基礎的な分野を反復していました。
基本的に2日で全教科に必ず触れるように勉強していました。特定の強化に偏った勉強をしてしまうと、他教科が知らないうちに下がっていってしまうからです。
また、お昼を食べた後には必ず15分ほど昼寝をして、頭をリフレッシュさせていました。
8月の初めと半ばに東大模試があるので、そこを目標に勉強していましたね。
浪人・秋:夏模試のショックで再奮起しスパートをかける
浪人生は秋が一番つらいとよく言われます。
実際に寒くなってきて冬が近づいてくる感じは、本番の入試が着実に近づいてきていることを嫌でも感じさせられ、とても憂鬱になりました。
それに加え、9月の初めに夏模試の成績が返ってきたのですが、結果はまさかのC判定でした。
かなり凹みましたが、もう自分には凹んでいる時間すらないのだと悟った僕は無心で勉強する日々を送りました。
この結果を受けて僕は、過去問に取り組むのは予備校の授業だけにして、放課後の自習ではもう一度基礎を見直すことにしました。
浪人・冬:直前のプレッシャーと戦う日々
1度受験を経験していると、冬が近づくにつれ感じるプレッシャーもまた大きくなります。
僕の場合は11月の東大模試の結果が12月に帰ってきて、初めてA判定を取れたので精神的にうまく軌道に乗ることができました。
直前期は過去問の演習と基礎の確認を半々ずつくらいのペースで続けていました。
過去問の演習で東大の傾向を体で覚えつつ、基礎の抜けで周りに差をつけられないようにするためです。
そうして必死に勉強しているうちに、僕は2回目の受験本番を迎えました。
教科別の使用していた参考書と使い方
数学の参考書
英語の参考書
物理の参考書
化学の参考書
最後に(受験生への応援メッセージ)
現役生の方は僕のことを反面教師にしてください。
たまに「浪人すると成長できる」といったようなことを言う人がいますが、それは嘘です。
「浪人をきっかけに成長する人はいても、浪人したおかげで成長する人はいない」というのが、僕が1年浪人した末に出した結論です。現役合格することに勝るものはありません。
そして浪人してしまった、あるいは計画的に浪人するという道を選んだ人は、ぜひ頑張ってください。
浪人中の行動は自由です。自分を律して、その1年を無駄のないものにしてください。
何度も言いますが、やはり計画的に勉強する人が一番強いです。是非みなさんも、計画的に勉強を続けて現役合格を勝ち取ってください。