はじめに
皆さんは防衛大学校や防衛医科大学校について知っていますか?
また、これらの学校の受験を考えたことはありますか?
実は、防衛大学校や防衛医科大学校には、進学するつもりがない人でも、受験するメリットがたくさんあります!
この記事では防衛大学校と防衛医科大学校の受験の利点を、実際に防衛医科大学校を受験した筆者が紹介していきます。
目次
防衛大学校・防衛医科大学校を受験するメリット
【防衛大学校・防衛医科大学校受験のメリット】①自分の実力を図れる
防衛大学校はMARCHレベルといわれています。
この偏差値帯の私立大学や国公立大学を受験する予定の受験生にとって、10月の自分の立ち位置を把握する目安になります。
この偏差値帯の大学を目指す受験生が合格を手にできれば、その後の受験に自信をもって望むことができますよ!
逆に不合格となった場合、志望校や勉強時間、勉強方法を見直すきっかけとなり、その後の受験に役立てられます。
また、防衛医科大学校医学科では上位医学部、薬学部、獣医学部や東京大学等に出願する予定の受験生が出願することが多く、防衛医科大学校看護学科では看護学部、中堅薬学部や獣医学部に出願する予定の受験生が出願することが多いです。
【防衛大学校・防衛医科大学校受験のメリット】②本番の緊張感を体験できる
もちろん、本気で進学したくて臨んでいる受験生も多くいるため、本番の張り詰めた緊張感の中で受験ができます。この緊張感は模試では体験できません。
緊張すると実力を発揮できなくなる受験生は多いため、10月の時点で本番の緊張感を体験しておくと、ライバルに差をつけられますよ!
また、受験生30人程度の教室にも、制服を着た自衛官が3人程いたり、問題冊子や解答用紙はその都度、アタッシュケースにつめられて運ばれてきて、その場で開封されます。こうした他の大学と比べてかなり厳重に行われている不正対策も緊張感を高める要因になると思います。
防衛大学校と防衛医科大学校の受験情報
防衛大学校と防衛医科大学校の受験の注意点
防衛大学校と防衛医科大学校の一般選抜は一次試験と二次試験の二段階で選抜されますが、防衛大学校や防衛医科大学校に進学するつもりがなく、練習として受験する人向けに、一般選抜の一次試験の受験情報を紹介していきます。
自衛隊の採用試験であるため、二次試験の面接は、受験より就職面接に近かったり、自衛隊に関する質問が多かったりと、第一志望の練習には向きません。
そのため、筆者の周りは、一次試験には受かったけれど、二次試験には行かないという人ばかりでした。
二次試験は、自衛隊に連絡する必要はなく、面接に行かないだけで辞退という形になりますが、一次試験は、何かしらの理由で行けなくなった場合、必ず連絡するようにしましょう。自衛隊から高校に連絡が行き、担任の先生などから行かなかった理由を問い詰められるはめになります……
どちらの大学校か、どの学科かによって、受験形式や受験科目が異なるので、練習として受けるにしても注意が必要です。例えば、数3と理科2教科を含めた実力を試したい場合、防衛医科大学校医学科を受験することになります。
どちらの大学校も先生から書類をもらい、手書きで書類に記入し、出願します。たいていの高校では出願書類の調達、チェック、郵送等は先生が手伝ってくれるため、高校生が自分でやることは書類の記入のみです。
この際、書類には自分の顔写真を貼る必要があります。筆者は私服で親にスマホで撮ってもらいました。写真に関する指示は特に無いため、このような写真の撮り方でも出願できます。写真屋さんや証明写真のボックスで撮って来る際は、共通テストや他の大学でも使えるように、冬服の制服で撮り、写真とデータの両方を買うようにしましょう。
防衛大学校の一般選抜一次試験の情報
防衛大学校は二つの専攻に分かれており、人文・社会学専攻と理工学専攻があります。
一般的には、文系は人文・社会学専攻、理系は理工学専攻を受験することになります。入学後にこれらの専攻から学科に分かれていきます。
なんと、防衛大学校では受験料がかからず、家の近くの会場で受験できます。受験に際しての負担が少ないのは、受験生にとって嬉しいポイントですよね。
各都道府県の駐屯地や自衛隊関連の施設で受験が行われるため、わざわざ、防衛大学校まで行く必要がありません!
防衛大学校の一般選抜一次試験の受験形式
受験は毎年、10月下旬に行われます。
受験科目は以下の通りになります。
-
人文・社会学
- 国語、外国語、数学(1A,2B)、地歴(数学、世界史、日本史から1科目)、小論文
- 数学(1A,2B,3)、外国語、理科(物理、化学から1科目)、小論文
理工学
一次試験は一日で行われ、人文・社会学専攻は英、数or地歴、国。理工学専攻は英、数、理、小論文の順に実施されます。
全て択一式の問題になります。
防衛医科大学校の一般選抜一次試験の情報
防衛医科大学校は二つの学科に分かれており、医学科と看護学科があります。
看護学科はそこからさらに、自衛官コースと技官コースに分かれます。
また、防衛医科大学校でも受験料がかからず、各都道府県の駐屯地や自衛隊関連の施設で受験が行われるため、家の近くの会場で受験できます。やっぱり、受験に際しての負担が少ないのは、受験生にとって嬉しいですね。
防衛医科大学校の一般選抜一次試験の受験形式
受験は毎年、医学科では10月下旬、看護学科では10月中旬に行われます。
受験科目は以下の通りになります。
-
医学科
- 国語(古文、漢文除く)、数学(1A,2B,3)、外国語、理科(物理化学生物から2科目)、小論文
- 外国語、国語(古文、漢文除く)、数学(1A)、外国語、理科(物理化学生物から2科目)
看護学科
一次試験は一日で行われ、英、数、国、理、(小論文)の順に実施されます。
医学科は択一式と記述式の両方の問題が出題されますが、看護学科は択一式のみの問題が出題されます。
防衛大学校と防衛医科大学校の合否の受け止め方
防衛大学校一般選抜一次試験の合格発表は11月中旬に、防衛医科大学校一般選抜一次試験の合格発表は11月下旬に自衛隊ホームページ上で行われます。
結果を見るときは、これらの大学校をどういう目的で受けたのかを念頭に置くようにしましょう。
本番の雰囲気を感じることや場慣れを主な目的として受けたのならば、合否をひどく気にする必要はないでしょう。
逆に、志望校が防衛大学校や防衛医科大学校と同じレベル帯であり、秋時点での自分の立ち位置を把握することを目的として受けたのならば、合否を気にし、それを受け止めるべきでしょう。
不合格だった場合、勉強時間、勉強法を見直すことはもちろん、志望校や他の併願校を見直す必要もあると思います。
ちなみに筆者の高校では、防衛大学校の一次試験の合格が、千葉大学や横浜国立大学等に出願できるか否かの判断材料になっていました。
おわりに
今回紹介したように、防衛大学校や防衛医科大学校を受験するメリットはたくさんあります。自分の第一志望の大学の合格可能性を上げるためにも、受験を検討してみてはいかがでしょうか?