はじめに
流れが重要な日本史では、時代区分を整理できると理解がはかどります!
この記事では、原始・古代、中世、近世、近現代という4つの時代区分のうち、「古代」分野を解説します。
大まかな流れや重要なポイントをおさえて原始・古代分野の理解を深めましょう!
目次
概観
日本史には、原始・古代、中世、近世、近現代という4つの時代区分があります。
旧石器時代、縄文時代、弥生時代が原始、古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代が古代という区分です。
日本列島が形成され、食料面では狩猟・採集から稲作へと発展、制度面ではムラからクニへと発展し、クニとしての日本の基礎ができてくるのが原始古代です。
古墳時代
概観
古墳時代は、3世紀中頃から7世紀初め頃までの時代です。
時代区分としては古墳時代以降が古代となりますが、制度的には古墳時代と飛鳥時代以降で大きく変わります。
古墳時代はヤマト政権の時代、飛鳥時代以降は律令制度の整備に向けての動きがみられるようになるというのがポイントです。
古墳時代は古墳の特徴とヤマト政権の理解が特に重要な時代です。
古墳については前期、中期、終期(終末期)と時代を分けて特徴を覚えましょう。
ヤマト政権については支配方法と対外関係を覚えましょう。
この時代は、のちの律令制度と対比される時代で、論述の際にはこのポイントを押さえておくと有利です。
頻出ポイント
古墳の登場
古墳時代前期、中期、後期で古墳の特徴が変化します。
時代ごとに分布、代表的な古墳、埋葬方法などをセットで覚えておくとよいですよ。
古墳の特徴が変化していった背景には技術力の変化があります。
ヤマト政権の支配
古墳時代には、近畿を中心にヤマト政権が成立し、徐々に勢力を拡大していきました。
氏姓制度に基づく支配が特徴的で、中央政治は中央の有力豪族が担当し、地方政治は地方豪族が担当しました。
氏姓制度や中央、地方の支配体制は飛鳥時代以降に律令制度が整備されていく中で変化していきます。
律令制度との対比で出てくることが多い部分なので、しっかり整理しておくと良いですよ。
大陸文化の伝来と日本の文化
古墳時代には、渡来人がやってきて大陸文化を伝えました。
仏教が日本に伝わったのもこの時代です。
この際の仏教受容をめぐる対立は飛鳥時代の争いにつながっていきますので、飛鳥時代とのつながりもおさえておきましょう。
飛鳥時代
概観
飛鳥時代は、6世紀末から710年(平城京完成)までの時代です。
時期的には一部古墳時代と被る部分があります。
飛鳥時代以降は天皇とその時代の出来事をセットで覚えましょう。
欽明天皇から村上天皇までは必ず覚え、村上天皇以降は必要に応じて適宜覚えていきましょう。
また、飛鳥時代は厩戸王(聖徳太子)の登場から大化の改新を経て大宝律令の完成までの律令制度が整備されていく過程が特に重要です。
律令制度完成までの変遷、古墳時代まで、平安時代以降との違いなどを意識して覚えると良いですよ。
知識問題はもちろん、論述問題でも律令制度に関する問題は頻出分野です。
頻出ポイント
飛鳥時代初期の豪族の争い
大伴氏から物部蘇我の争いを経て推古朝へつながっていく流れをおさえておきましょう。
大化の改新から大宝律令
乙巳の変から改新の詔を発布するまでの一連の流れを大化の改新といい、これは超重要事項です。
大化の改新は対立構造を整理しておきましょう。
また、改新の詔の内容はのちの大宝律令や養老律令などの内容と混同しやすいのできちんと整理しておきましょう。
律令制度完成に向けた流れを覚えるうえで、いつの時代にどんな制度が整備されたのかを明確にいえることは非常に重要です。
そして、律令制度は大宝律令により完成したといわれています。
律令制度では、中央、地方の政治体制、民衆の負担(土地制度、人民支配、税制)の観点で以前の制度と対比しながら覚えておくと良いですよ。
大化の改新以降の遷都
大化の改新以降、頻繁に遷都が行われます。
天皇と遷都の過程をセットで覚えておくと良いでしょう。
都の場所、遷都の年、天皇を地図に書いて遷都の過程を整理しておくと視覚的にも覚えられて整理しやすいですよ。
奈良時代
概観
奈良時代は、710年(平城京完成)から794年(平安京完成)までの時代です。
藤原家の摂関政治をおさえることが非常に重要です。
頻出ポイント
摂関政治
摂関政治というと藤原道長の頃が有名ですが、平城京遷都以降、藤原家の政界進出が徐々に進んでいきます。
平安時代の藤原道長の摂関政治につながる重要な部分なので、天皇と政権中枢をになった人物(藤原家が中心)をセットで覚えておきましょう。
並べ替え問題や年表の穴埋め(出来事や政権担当者など)が良く出題されます。
元明天皇から光仁天皇までの時代について、天皇、政権中枢者、主な出来事をまとめた年表などを使って覚えるのがおすすめの方法です。
人民支配や土地制度の変化を支配に対する民衆の不満という観点を意識して整理しておくと、後に支配制度が揺らいでいく過程の理解が深まります!
遣隋使(飛鳥時代~)と遣唐使
使者として誰を派遣したかと中国の王朝・支配者をセットで覚えておきましょう。
中国の王朝・支配者は世界史的な内容でもありますが日本史の入試でもよく聞かれるので覚えておくと良いですよ。
平安時代
概観
平安時代は、794年(平安京完成)から武士が登場する前までの時代です。
摂関政治で藤原氏が覇権を握るまでの流れが最も重要です。
頻出ポイント
政治改革
桓武天皇から嵯峨天皇の頃までの平安時代初期にどのような改革があったかが特に重要です。
中国に倣って制定した律令制度ではうまくいかない部分があり、民衆からの不満が出る中で、国内の実情に合わせて制度改革がされていきました。
藤原氏の台頭
薬子の変(平成太上天皇の変)をきっかけに藤原氏北家が台頭していきます。
奈良時代からの流れと合わせて覚えておけると良いでしょう。
天皇家と藤原家の覇権争い(主に奈良時代の出来事)と藤原家内部の覇権争い(主に平安時代の出来事)をそれぞれ整理して覚えておきましょう。
蝦夷征討
大化の改新の頃の動きから整理しておくと良いですよ。
時期(天皇)と出来事をセットで覚えるようにしましょう。
並べ替え問題で頻出のテーマです。
征討の過程を地図と対応させて覚えるのがおすすめの方法です。
地方政治の展開と武士の登場
国司のもとでの地方支配体制が揺らぎ始め、律令制度が崩壊していく過程をおさえましょう。
律令制度成立以降の土地支配のあり方の変化は頻出のテーマです。
特に論述問題がある場合、成立から崩壊までの一連の流れを説明できるようにしておくと良いですよ。
また、この時代には地方の混乱に伴い武士団が形成され、地方武士の反乱がおこります。
そんな中で源氏と平氏が台頭していきました。
源氏と平氏の動きは中世につながっていく重要事項ですので、人物名と出来事をセットできちんと整理しておきましょう。
おわりに
今回の記事では古代分野の重要事項をまとめました。
混同しやすい時代なので天皇や年号を基準にいつの出来事なのかをしっかり覚えておくといいですよ。
受験に向けては、この記事で説明しきれなかった事項やより詳しい説明まで覚える必要があります。
この記事を参考に時代の大枠や勉強のポイントを踏まえたうえでさらに深堀りしてみてください!