【3分で分かる日本史】江戸時代の三大改革をわかりやすく解説!

はじめに

皆さんは江戸時代の三大改革に苦手意識を持っていませんか?

たしかに、江戸時代の三大改革は暗記事項が多く、混乱しやすい部分です。

しかし、この範囲をマスターすれば他の受験生と差をつけられます!

今回は「三大改革についてまだ整理できていない!」という人へ向けての解説記事ですが、難関大レベルの用語も紹介しているので、日本史が得意な人も参考にしてみてくださいね。

はじめに歴史の流れを確認したい方はこちらの記事を参考にしてみてください!

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2022.05.03

【18世紀前半】8代将軍徳川吉宗・享保の改革(1716〜1745)

8代将軍徳川吉宗成立の背景

1716年、7代将軍徳川家継が8歳で亡くなりました。

そこで8代将軍の座に着いたのが、徳川御三家(紀伊・水戸・尾張)の内の紀伊藩主であった徳川吉宗です。

彼は、綱吉以来の側用人による政治をやめ、将軍である自ら享保の改革を主導していくことにしました。

徳川吉宗の政策①:人材登用と法整備

まず吉宗は優秀な人材登用を行いました。

大岡忠相(旗本)・田中丘隅(宿駅の名主で地方書『民間省要』を記す)・荻生徂徠(儒学者で『政談』を記す)・室鳩巣(儒学者)らが有名です。

吉宗が行った法整備は以下の4つを覚えておきましょう!

  1. 足高の制
  2. ・・・上記の人材登用に当たって行われた不足の石高(給料)を補う制度

  3. 相対済し令
  4. ・・・金公事は当事者間で解決させる法令

    ※これまで幕府は多くの訴訟を受け持っていましたが、その中でもお金に関する訴訟(金公事)が9割を占めていました。

  5. 公事方御定書
  6. ・・・裁判の判例の集大成

  7. 御触書寛保集成
  8. ・・・これまでの幕府法令の集大成

徳川吉宗の政策②:財政再建政策

江戸幕府の財政は常に窮迫していました。

そこで吉宗は「米」を増やすための政策を積極的に行いました。

  1. 倹約令
  2. ・・・支出を抑えるよう促す法令

  3. 上げ米
  4. ・・・石高1万石につき100石を大名に臨時に上納させる代わりに、参勤交代の在府期間を1年から半年に軽減する命令

    ※この石数が正誤問題にされたりするので、数字まで頭に入れておくと良いですよ!

  5. 年貢率を検見法から定免法
  6. ・・・年貢の増徴が目的

  7. 四公六民から五公五民への年貢率引き上げ
  8. 新田開発
  9. ・・・米の増産が目的

これらの政策によって、幕領の石高も年貢収入も増大しました。

また、米価の平準化を目指すために、大坂堂島米市場を公認しました。

米の増産を目指す政策を象徴する人物として、吉宗は「米公方」と呼ばれます。

徳川吉宗の政策③:産業奨励と都市政策

さらに吉宗は、産業奨励と江戸の都市政策にも注力しました。

  1. 甘薯・さとうきび・櫨・朝鮮人参の栽培
  2. ・・・青木昆陽が甘薯の栽培を提案

  3. 漢訳洋書輸入制限の緩和
  4. ・・・青木昆陽野呂元丈オランダ語を学んだ

  5. 町奉行大岡忠相による都市政策
  6. ・・・防火施設の広小路・火除地を設け、常火消から町火消への組織変革を行った

  7. 目安箱の設置
  8. ・・・評定所に置き、庶民の意見を聞く目的

    ※庶民の意見を取り入れて、小石川養生所(貧民の医療施設)がつくられました。

享保の改革の結果

吉宗が自ら行った改革により、幕府財政の立て直しにはある程度成功しました。

しかし、1732年西日本いなご・うんかが大量発生したことにより、享保の飢饉が発生してしまいました。

翌年には、享保の飢饉で大打撃を受けた民衆たちによって、江戸で最初の打ちこわしが発生しました。

【18世紀末】老中松平定信・寛政の改革(1787〜1793)

寛政の改革の開始

田沼意次が退いた次の年(1787年)に発生した天明の打ちこわしの後に、寛政の改革を行ったのは、8代将軍吉宗の孫で11代将軍徳川家斉の老中である白河藩主・松平定信です。

彼は、財政難の打開と荒廃した都市や農村の立て直しを目標に掲げて、寛政の改革に着手しました。

彼は、晩年に自伝『宇下人言』・随想『花月草子』を著しています。

松平定信の政策①:財政難の打開と農村・都市の復興

  1. 囲米
  2. ・・・飢饉に備えて各地に社倉・義倉を作り、大名1万石につき50石の米の貯蔵を命じた

  3. 旧里帰農令
  4. ・・・農村人口の減少による農村荒廃を防ぐため、正業がない者に資金を与えて農村に帰らせることを奨励

  5. 人足寄場
  6. ・・・江戸の石川島に置かれた、無宿人を収容して労働技術を身に付けさせる施設

    ※無宿人をなくす江戸の治安対策の一環です。

  7. 七分積金
  8. ・・・町費節約を命じて、節約分の7割を積み立てさせた

    ※江戸町会所が運営し、天災時に困窮した貧民を救うための資金としました。

  9. 棄捐令
  10. ・・・旗本・御家人の救済が目的で、札差に貸金を放棄させる法令

    ※6年前以前の借金は帳消しになりました。

松平定信の政策②:思想の統制

  1. 寛政異学の禁(1790年)
  2. ・・・朱子学を正学とし、湯島聖堂学問所での朱子学以外の講義や研究を禁止させた

    ※湯島聖堂はこの後官立になり、昌平坂学問所と呼ばれます。

  3. 寛政の三博士
  4. ・・・寛政期に、幕府の教学の中心となった朱子学者たちで、柴野栗山・尾藤二洲・岡田寒泉(→後に古賀精里に転任)がいる

  5. 出版・風俗の統制
  6. ・・・林子平『三国通覧図説』『海国兵談』、洒落本作家の山東京伝、黄表紙作者の恋川春町を弾圧

    ※出版元である蔦屋重三郎らも弾圧されました。

松平定信の失脚

松平の寛政の改革は、厳しい倹約令に対する批判が大きいものでした。

また、1789年尊号一件という朝廷がらみの問題が発生しました。

これは、朝廷が「光格天皇の実父・閑院宮典仁親王に太上天皇尊号を宣下したい」と幕府に同意を求めましたが、松平がこれを拒否したために起こった事件です。

この一件により、11代将軍家斉と対立した松平は、わずか6年余りで退陣する結果となりました。

【19世紀前半】徳川家斉と老中水野忠邦・天保の改革

11代将軍・徳川家斉の時代

松平定信が失脚した後、11代将軍家斉は自ら政治を行うことにしました。

家斉は、1837年に将軍職を家慶に譲った後も大御所として実権を握ることになります。

関東の農村各地で、無宿人による治安の乱れが目立ったため、関東取締出役を設けて治安維持に当たらせました。

また、近隣の村々を組み合わせて寄場組合をつくり、町を取締る対策も行いました。

しかし、1832年から天保の飢饉が起き、これに伴い百姓一揆・打ちこわしが頻発するようになります。

そして、1837年には大塩平八郎の乱・生田万の乱が発生し不穏な状態が継続することとなってしまったのです。

老中水野忠邦・天保の改革(1841〜1843)

大御所家斉が亡くなると、12代将軍徳川家慶の老中となった水野忠邦による天保の改革が始まります。

水野忠邦は、経済政策と幕府権威の向上を目指しました。

  1. 倹約令
  2. ・・・一般民衆だけでなく将軍や大奥も含めて出された法令

  3. 風俗の取締り
  4. ・・・華美な贅沢品や衣服、高価な菓子なども禁止

    ※人情本作家の為永春水らが処刑されました。

  5. 株仲間解散令
  6. ・・・物価引き下げが目的だったが、原因の解消ができず逆に物価は高騰

  7. 人返しの法
  8. ・・・江戸に流入した貧民を「強制的」に帰郷させた

    ※寛政の改革の旧里帰農令は「奨励」だったので区別しましょう!

  9. 棄捐令
  10. ・・・御家人・旗本の財政難を助ける目的で、札差に対して低利での貸出しを命じた

  11. 三方領知替え
  12. ・・・幕府の海上防備をしていた川越藩の財政難を救う目的

    川越藩・庄内藩・長岡藩の封地を入れ換えようとしましたが、領民の反対などで撤回されました。

水野忠邦の失脚

彼は上知令を出して、江戸・大坂周辺約50万石の領地を直轄領にしようとしましたが、大名や旗本に反対されました。

さらに、改革の厳しさによる反発も相まって、水野忠邦は失脚しました。

結果的に、幕府権威の低下を証明することとなってしまったのです。

おわりに

三大改革を改めて整理すると、やはり「暗記することが多い……」と思ってしまうかもしれません。

しかし、三大改革をマスターする上で重要なことは限られています。

まずは、権力者が行おうとしたことを大まかに掴んだ後に細かい政策を覚えることが大切です。

それぞれの時期の将軍・権力者・政策を言えるようになるまで、繰り返し声に出したり書き出したりしてください。

今回紹介した中で記憶が曖昧だったものは必ず教科書、用語集、資料集などで確認してくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

早稲田大学社会科学部2年。中国研究ゼミ所属予定。関心分野はメディア・出版・ジャーナリズムなど。日本史大好き。