はじめに
今回ご紹介する日本画専攻は、芸大受験においても、特に高度な技術や感性が要求される最難関のひとつと言えるでしょう。
毎年倍率は20倍近く、学生の多浪率(3浪以上)はナンバーワンを争います。
落ち着いた雰囲気と完璧な画力はみんなの憧れです!
現在、日本画専攻に在籍しているOさんにご協力いただき、学校のこと、受験のことなど教えていただきました。
目次
日本画専攻はどんなことを勉強する所ですか?
日本に古くからある顔料や素材・描き方を学び、それらを利用して表現をする専攻です。
日本画を志望した理由を教えてください。
幼少期から日本美術に興味があったのと、一日本人として自国の美術をまず学ぶべきだと思ったからです。
受験勉強はいつから、どんなことをしましたか?
美術科の高校に通っていたので、高二くらいからかと。
日本画は入試試験では岩絵具や水干絵具などの顔料を使用しないので、高校では基本的に受験用の課題を出されていました。
具体的には、デッサン(主に石膏)と着彩。着彩は静物が殆どで、まれに人物も。
大体週一のペースで課題を出されていたと思います。
一年間浪人をされたそうですが、浪人時代はどんな生活をされていましたか?
浪人の時は、実家から予備校に通っていました。
日中は塾で描き、帰宅後も部屋で制作していました。
センター対策として、移動時間に過去問等を解いていました。
▼Oさんの受験時代の着彩
特徴的な授業や好きな授業について教えてください。
特徴的や好きな授業があると言えるほど課題をこなした訳ではないので何とも言えないけれど、言うとすれば、日本画の顔料に触れている時間は大抵楽しいです。
科の雰囲気はいかがですか?どんな人がいますか?
日本画専攻は他の専攻に比べて多浪して入学する傾向があり、大抵皆気が強くとてもプライドが高いです(自分含め笑)。
今年は例年に比べ特に多浪生の数が多いので初めは緊張していたけれど、実際皆仲が良く毎週誰かの家に集まって食事するほど打ち解けあっています。
普段絵を描く上で意識していることはありますか?
常に神経を使って描かないとそれが全て画面に出るので、気をつけてます。
精神が落ち着くような作品を描きたいって思うことが多いかもしれないです。
▼入学後のOさんの日本画
最後に
いかがだったでしょうか。
日本画の清楚な画面や繊細な筆跡についうっとりしてしまいそうですね。
芸大には日本画専攻のように、伝統技法を学び大切に残していきたいという学生が沢山います!本当に頼もしいですし、たとえ分野は違えどそのような人々と一緒に勉強する機会があることがとても喜ばしいです。
芸大に限らず、大学では幅広い分野の人と一緒に勉強したり、話す機会がたくさんあります。みなさんにも、そのような機会をぜひ大切にしてもらいたいです。