はじめに
文系の方は、ほとんどが必須科目の現代文。
理系の方も、共通テストで受験するという場合も多いでしょう。
現代文は、普段使っている日本語が主体の科目です。
原理的には、誰が解いてもそれなりの点数は取れるもののはずです。
だからこそ、無意識に解答してそんなに悪くない点数を取ってしまい油断するのは要注意。
逆に言えば、現代文で高得点をとればそれだけ差がつくということなのです。
そんな現代文のとっておきの読み方と、解き方(パターン)の極意を紹介します!
現代文という教科の意味を考えてみよう
問題の答えはすでにそこにある
「全く現代文を解けない」という人はいません。
実際に入試の開示などを見ても、点数のばらつきが他教科より少ないのが現代文の特徴です。
その理由は簡単。与えられた例題文の中に、すでに答えが書いてあるからです。
ですから、その答えを見つけ出し(=読解)、うまく表現する(=解答)コツさえ身につければ、誰もが高得点を取ることができる教科なのです。
現代文は”日本語”だと思うから解けない
現代文ができない人がよくいう言葉。
「だって、文章が読めなかったから」
でも、現代文の文章は我々が普段使う日本語で書かれています。
普通に考えて読めないという状況はあり得ないはずですよね。
では、こう考えてみればどうでしょう?
「現代文は”日本語”ではない」
もちろん日本語では書かれてはいますが、我々が普段使うような日本語ではないということが言いたいのです。
話のテーマが難しかったり、簡単なことを筆者が小難しく言ったり……。
そんな現代文ですから、すでに数学のように解法パターンが開発されています。
普通に読んでは太刀打ちできないので、あらかじめ武器を増やして戦いに備えておこう、そういうことなのです。
ここからは、その解法を簡単にまとめてみました。
解法を習得するために、是非、現代文に取り組む時間を割いてくださいね。
現代文の解法パターン!文章の読み方の極意
難解な文章を読解するにあたって、ただ漠然と読み進めても何も頭に入ってきません。
いくつかの意味段落や要素ごとに問題文を分解して、その特徴を把握することが必要です。
そうすれば、自ずと文章全体の流れが見えてきます。
読み方の極意とは、ズバリ問題文の要素分解なのです。
ここからは、その要素を各々見ていきましょう。
文中で疑問形とキーワードを探し出せ
第一に行うべきことは、問題文の問題提起の発見。つまり、これから筆者が何を言わんとしているのかを把握することです。
多くの場合、問題文の冒頭付近に問題提起がされています。
問題を簡単に発見するためのコツは、ズバリ、疑問形で表されている文章です。
また、冒頭で問題がわからない場合もあるかもしれません。その時は慌てず読み進めてください。
そうすれば、何度も出てくる単語=キーワードがあることに気づくでしょう。
そのキーワードに関する問題こそ問題文のテーマなのです。
文中に出てくる断定と逆接をチェックせよ
問題があれば、それに対する筆者の主張が必ず存在します。
念頭に置いてほしいのは、問題文中では筆者の主張は何度も言い換えられながら繰り返されるということ。
言い換えに惑わされず主張内容を把握することが大切なのです。
そして、その主張を発見するコツは、断定と逆説です。
筆者が主張したい内容はすでに決まっているのだから、主張部分の文末は断定になる場合が多いのですね。
しかし、断定ばかりが続くと説得力に欠けてしまいます。持論を勝手に言っているだけだと思われますからね。
そこで、筆者は逆接を途中途中で利用してきます。
つまり、一般的な演説を紹介したあとに「しかし、」と続けて自らの主張を際立たせるのです。
問題文中に出てくる一般論に注意せよ
単調な文章にならないよう筆者は、自らの主張と異なる意見、一般論も文章に盛り込むことが多いです。
これらを筆者自身の主張だと勘違いしないよう気をつけましょう。
前述の通り、筆者の主張に対する逆説は、一般論として提示されるパターンがあることを覚えておきましょう。
一般論を「たしかに~だ。」というように自然な形で紹介されると、筆者の主張のように勘違いしてしまう。
どこまでが一般論で、どこからが筆者の主張なのかしっかりと見極める練習をしておきましょう。
どの主張に対する補助解説なのか気をつけよ
筆者の主張を、理解しやすいように補助するのが例示です。
例示を交えることで、筆者の主張はより明確で具体的なものになっていきます。
しかし、難しい文章は、この例示があたかも筆者の主張のように自然に配置されていることが多いのです。
これら例示を用いた解答は、筆者の主張の説明としては不適切だから気をつけましょう。
もし例示が気になって仕方がない場合は、その部分は飛ばしてしまっても、筆者の言いたいことの本筋が理解できていれば問題ありません。
二項対立と弁証法の2パターンを攻略せよ
批判をそのまま放っておけば、その文章における筆者の主張は不明確なままです。
批判があれば、その反論が必ずあります。前述したように、筆者の主張は文章内で形を変えて繰り返されます。
反論部分を見つけるポイントはまず、二項対立への気づくことです。
二項対立とは、相対する二つ概念のこと。
つまり、「対立意見⇄筆者の主張」という2つの要素のことです。
筆者は「対立意見の欠陥を指摘する」=「反論する」ことで自らの主張の論理性を高めているのです。
また、弁証法による反論パターンも覚えておきましょう。
これは、Aという意見と、それに反対するBという意見に対して、筆者がCという「新しい解決策を提示する」=「反論する」という形です。
AとBのメリットを同時に活かすハイブリッドな意見があればそれは筆者の主張だと考えて良いでしょう。
文章全体の復習をせよ
問題文の末尾には、筆者は自分の考えをまとめた結論を提示することが多いです。
これは、文章全体「主張→批判→反論」の流れを踏まえた最後の主張です。
最初の主張が、どのような経緯で論理的に鍛えられ、説得力のある結論に達したかをもう一度確認しましょう。
現代文で高得点を出すために必要なこと
出題者の意見は絶対(主観的にならない)
現代文の問題は、「出題者が理解した」筆者の主張を、「出題者の想定通り」に解答することが高得点になることを覚えておきましょう。
つまり、現代文においては、出題者が絶対的に正しいのであって、解答に自らの意見や推測を書いても得点には結びつかないのです。
だから、問題文の理解はもちろんのこと、問題文の理解=出題者の意図を知ることが高得点を取るために重要になります。
採点基準を踏まえて解答を分解する
とはいえ、通常の試験では、出題者と採点者は異なっています。
そこで、大抵の場合は、出題者が期待する解答=模範解答をいくつかのポイントに分けて、そのポイントごとに点数を設けており、これが採点基準です。
つまり、解答作成は、分解された課題文をもう一度わかりやすく組み立て直すという作業なのです。
以上のこと踏まえて、解答のコツを学んでいきましょう。
現代文の解法パターン!問題の解き方の極意
内容説明問題は傍線部の言い換えに注意せよ
問題形式の1つとして、傍線部に対する内容説明を要求する記述式や選択式問題があります。
この形式での解答の語句はズバリ、傍線部の言い換えです。
傍線部は、各要素のまとめ部分に引かれている場合がほとんどで、簡潔に書かれた傍線部は、その文だけを読んでも意味が分かりづらいことが多いです。
解答作成の際は、まず傍線部を文節ごとに区切り、その対応部分を要素から見つけだし、平易な表現に言い換えることから解答作成を試みてください。
理由説明問題は論理展開の補充を意識せよ
次に、傍線部に対する理由説明を要求する場合について考えてみましょう。
上記のように、傍線部は各要素のまとめ部分に引かれている場合がほとんどなのです。
なぜなら、まとめ部分に対する説明をさせることで、その要素の論理の流れを理解しているかを確かめられるからです。
また、時には、1つの要素だけでは完全な解答を導けないことがあります。例えば、対立意見の要素内に引かれた傍線部を説明するためには、何に対立しているのか、すなわち筆者の意見についても言及しなくてはならない場合です。
このように、要素間の関係についても記述する必要がある場合もしばしばあるということに注意しておきましょう。
答案を書くときは三段論法と二項対立に注意せよ
最後に、解答作成にあたって重要になる二つのテクニックを書いていこうと思います。
三段論法
1つ目は三段論法です。
図1のように「AだからC」という部分に傍線が引かれている場合、その理由を説明するためには、三段論法を見抜き、隠されたBについても言及する必要があります。
解答の骨組みは、「Aは、BであるためCだから」というようになるためです。
二項対立
2つ目は、先ほどの文章の読み方のところでも出てきた二項対立です。
このとき、二項対立のもう片方の内容を対比して解答すると上手くいくことが多いです。
「筆者の主張」「反論」と「対立意見」の対応する部分を補充して解答しましょう。
最後に
いかがだったでしょうか。現代文の読み方、解き方のコツは理解頂けたでしょうか。
文系の人にとっても理系の人にとっても、現代文を得意教科にすればかなりの強みになるはずですよね。
この記事を参考にしつつ、現代文の勉強に主体的に取り組んでいきましょう!