こんにちは、ライターのありさです。
文法チェック&演習シリーズ、今回は副助詞「のみ・ばかり・まで・など・し」を取り上げます。副助詞とは様々な語について、ある意味を添えて、後の用言を修飾する役割があります。
副助詞「のみ」
助詞 | 文法的意味 | 訳し方 | 接続 |
---|---|---|---|
のみ | 1.限定 2.強意 |
〜だけ・〜ばかり 特に・〜してばかりだ |
種々の語 |
1.限定
夜鳴くもの、何も何もめでたし。乳児どものみぞさしもなき。(枕草子・鳥は)
(夜鳴くものは、何もかも素晴らしい。ただ赤ん坊が泣くのだけはそうでもない。)
2.強意
(趣深いことを)取り集めたることは、秋のみぞ多かる(徒然草・十九)
(趣深いことを取り集めたことは、特に秋に多いことだ。)
副助詞「ばかり」
助詞 | 文法的意味 | 訳し方 | 接続 |
---|---|---|---|
ばかり | 1.限定 2.程度 |
〜だけ・〜ばかり 〜ほど・〜くらい |
種々の語 |
1.限定
月影ばかりぞ、八重葎にも障らず、射し入りたる。(源氏物語・桐壷)
(月の光だけが、幾重にも生い茂った雑草にも妨げられないで、射し入っている。)
2.程度
また新手の武者五十騎ばかり出で来たり。(平家物語・木曽最期)
(また新手の武士が五十騎ほど出て来た。)
活用語+「ばかり」の意味の判別
(1)連体形+「ばかり」⇒限定
(1)連体形+「ばかり」⇒限定
例:人の討たるるばかりにて、その功成り難し。(太平記・七)
(人が討たれるだけで、成功しそうにない。)
(2)終止形+「ばかり」⇒程度
例:庵なども浮きぬばかりに雨降りなどすれば、(更級日記・かどで)
(庵なども浮いてしまうほどに雨が降ったりしているので、)