連立方程式の2つの解き方(代入法と加減法)
この記事では、連立方程式の2つの解き方(代入法と加減法)を紹介します。
連立方程式は、最初は戸惑うかもしれませんが、何問も繰り返して解いていくうちに当たり前のようにできるようになります。
初めて連立方程式を学ぶ人にもわかるように丁寧に解説しているので、復習の際にも参考にしてください。
目次
連立方程式とは
連立方程式とは未知数(x,y,zなどで表される)を含む2つ以上の方程式のことです。
例えばこれは連立方程式です。
\begin{equation}
\begin{cases}
\; 2x+y= 4 \\
\; x+3y= 2
\end{cases}
\end{equation}
こちらも連立方程式です。
\begin{equation}
\begin{cases}
\; y= 4x-2 \\
\; 2x+4y= 11
\end{cases}
\end{equation}
この方程式の両方を満たす(x,y)の組み合わせを見つけることを連立方程式を解く、と言います。
連立方程式を解くことで、2つの条件を満たすx,yをみつけることができます。
例えば以下のような問題があったとします。
りんごとみかんを何個ずつ買ったでしょう。
このとき、合計の個数が10個、値段が880円ということから、りんごをx個、みかんをy個とすると以下の式が成り立ちます。
\begin{equation}
\begin{cases}
\; x+y=10 \\
\; 100x+70y= 880
\end{cases}
\end{equation}
この方程式を解くことでそれぞれの個数が求められるようになります。
その肝心の連立方程式の解き方ですが、代入法と加減法の2つあります。
これから代入法・加減法のそれぞれについて詳しく解説します。
連立方程式の解き方:代入法
代入法は連立方程式がこのような形をしているときに有効です。
\begin{equation}
\begin{cases}
\; y= 2x-3 \\
\; 6x-5y= -1
\end{cases}
\end{equation}
y(またはx)が\(y=ax+b\)という形で表されるときは代入法を利用します。
代入法はその名の通り、片方の式をもう一方に代入することで連立方程式を解きます。
実際にやってみましょう。
上の連立方程式より、\(y=2x-3\)ですので、これを下の\(6x-5y= -1\)に代入すると
\(6x-5(2x-3)= -1\)
となります。これを整理すると
\(x=4\)であることがわかります。
次にyの値を求めます。
\(y=2x-3\)に先程求めたxの値を代入すればいいので
\(y=2・4-3=5\)
このようにして(x,y)=(4,5)を求めることができました。
計算を間違えなければ簡単に求めることが出来ます。
また、検算(答えを確かめること)するために元の方程式に解を代入してみましょう。
\(5=2・4-3\)
\(6・4-5・5= -1\)
両方の式を満たすことがわかりますね、これで正しく計算できていることがわかります。
連立方程式の解き方:加減法
代入法がすぐに利用できないようであれば加減法を利用します。
加減法とは、これも字の通りで、方程式を足したり引いたりすることで変数(x,y)の片方を減らすやり方です。
実際にやってみましょう。
\begin{equation}
\begin{cases}
\; 2x+3y= 12\\
\; 3x-5y= -1
\end{cases}
\end{equation}
こちらの連立方程式の場合、\(y=ax+b\)の形ではないので先程の代入法は使えませんね。
式を変形することで、使おうと思えば使えますが、分数が入って計算が複雑になります。
そこで、加減法を利用します。加減法では片方の変数を減らせるように方程式を足し引きします。
今回はxを消してみます。xを消すためには、xの係数を揃えることが必要です。
xの係数は2と3ですので、最小公倍数の6になるようにそれぞれ、3、2を掛けると
\begin{equation}
\begin{cases}
\; 3(2x+3y)= 3・12\\
\; 2(3x-5y)= 2(-1)
\end{cases}
\end{equation}
これを計算すると
\begin{equation}
\begin{cases}
\; 6x+9y= 36・・・(1)\\
\; 6x-10y= -2・・・(2)
\end{cases}
\end{equation}
となります。これより①ー②をするのことでxを消すことができますね。
①ー②より
\begin{align}
6x+9y-(6x-10y)&=36-(-2)\\
19y&=38\\
y&=2
\end{align}
こうしてyの値を求めることができました。次にxの値を求めます。
このとき、連立方程式のどちらの代入しても求めることができます。上の式に代入すると
\begin{align}
2x+3y&=12\\
2x+3・2&=12\\
x&=3
\end{align}
このように連立方程式の解が(x,y)=(3,2)であることを求めることができました。
ポイントは、片方の変数を減らすために係数をそろえ、足し引きすることです。
代入法・加減法を使う連立方程式の練習問題
それでは実際に連立方程式の問題を解いてみましょう。出題されやすい文章題形式です。
問題
100円のりんごと70円のみかんを合計10個買ったところ、合計で880円になりました。
りんごとみかんを何個ずつ買ったでしょう。
解答・解説
まずは連立方程式を立てるために文字を置きましょう。
りんごの個数をx個、みかんの個数をy個とすれば良いですね。
問題文の条件から連立方程式を組み立てると
\begin{equation}
\begin{cases}
\; x+y=10 ・・・(1)\\
\; 100x+70y= 880・・・(2)
\end{cases}
\end{equation}
となりますね。①は個数について、②は値段についての方程式です。
今から連立方程式を解いていくのですが、今回の場合、上の式を変形することで代入法でも計算することができますね。
今回は加減法の練習のために、加減法で解いてみます。
yを消すために②-①×70をすると
\begin{align}
100x+70y-70(x+y)&=880-70・10\\
30x&=180\\
x&=6
\end{align}
x=6を求めることができたので、これを①に代入してyを求めます。
\begin{align}
x+y&=10\\
6+y&=10\\
y&=4\\
\end{align}
これより連立方程式の解は(x,y)=(6,4)と求めることができました。
よって求める答えは「りんご6個、みかん4個」です。
連立方程式を適切に立てるには練習が必要
代入法・加減法を用いれば連立方程式はどんな形であっても解くことができます。
ただし、x,yの値を求めたいのに、方程式が1つしかない場合などは値が求まらないので注意しましょう。
また、文章題を解くにあたっては、連立方程式を解くことよりも、問題文から条件を読み取り連立方程式を立てることの方が難しいことが多いです。
多くの文章題を解きながら、何を文字においてどういう条件が成り立つかを問題文から読み取る練習をしましょう。