みなさんこんにちは!僕は沖縄出身東大生のぴぺりたと言います。
このコラムでは、センター英語で250点満点を獲得したぴぺりたが、洋楽で使われた歌詞を題材にしてみなさんの英語の学習をより楽しくすることを目的としています!
高校生が聴く洋楽アーティストランキングNo.1?
みなさんは日常的に洋楽を聴きますか?よく聴くよ!という方はもちろん、あまり聴かないという方でも知っているアーティストが、Taylor Swiftだと思います。
例えば、『22』や『You Belong With Me』、最近だと『End Game』などどこかで聞き覚えのある曲はたくさんあるのではないでしょうか。
彼女の曲はいわゆる「ノリがいい」曲もたくさんありますし、僕が好きな落ち着いた曲もあります。曲を出すたびに話題になる方ですが、一方でよく恋愛ネタで取り上げられることもありますよね。彼女の派手な人生そのものが、いい曲を作る秘訣だったりするのかもしれません。
今日はそんな彼女の楽曲のうち、2年前くらいに話題になったクールな曲『Blank Space』を使って英語の勉強を手助けしたいと思います!
歌詞で使われた用法の理解度チェック
こちらが『Blank Space』のミュージックビデオです!そもそも、「Blank Space」は直訳すると「空白」です。あまり日本語では使わないようなタイトルですね。
それでは、次の英文の意味がわかるか、みなさんそれぞれで確認してみてください!
- I know you said it before.
- They tell you I am a student.
- Okinawa is a city worth visiting.
- It is worth going to the university.
4つあげてみましたが、内容としては2つですね。意味がわかるという方も、僕がこの例文を使ってどんな文法事項を説明しようとしているかも考えてほしいです。
名詞節を作るthat
みなさんは、thatにいろんな種類があることを知っていますか?例えば、次の例文に出てくるthatは全て違う用法です。
- I am interested in that topic.(指示:その)
- He knows that he has to go to school.(名詞節をつなぐ接続詞:特に意味はない)
- She told me the truth that she was studying Japanese.(同格をつなぐ接続詞:〜という)
- It is the pen that I have been looking for.(関係代名詞:〜な…等)
これ以外にもたくさん用法はありますが、みなさんには「that=あれ」というわけではない、ということを知ってほしいです!
これら1つずつを解説することはできませんので、今回は「名詞節をつなぐthat」について解説しようと思います。
「そもそも名詞節ってなに?」という人もいるでしょう。正直、そのことば自体を覚える必要はないのですが、英文を読む際に文法用語を知っているとより正確に英文を理解できます。
- 節:主語と述語がそろい、1文として成り立っている文章中の一部。
- 名詞節:普通に読んだら「AがBする」となる文章を名詞化して、「AがBすること」とするもの。
ちょっと難しいですね。例文を読んで、理解を深めましょう!
He knows that he has to go to school.:彼は、彼が学校に行かなくてはならないことを、知っている。
この中で「節」といわれるのは「he has to go to school」です。この文章だけでも、「彼は学校に行かなくてはならない」と理解できますよね。
これを、「彼は〜と知っている」の「〜」の部分入れるために、「that」をつけて文を名詞化します。こうしてできたのが、「that he has to go to school」という名詞節です!
このthatの用法には、1つ注意点があります!それは、thatが省略できるということです。
「え!thatの用法なのに主役のthatを省略するのか!」と思う方もいるかもしれませんが、英語の世界は厳しいのです。。
例えば、先ほど紹介した例文でthatを省略すると、「He knows he has to go to school.」となります。まるで1文に主語が2つあるように見えますが、「knowの後にthatが省略されている」と理解します。
闇雲にthatの省略を疑う必要はありません。例えば「聞く」「話す」「知っている」「考える」など、何か内容を持ったことを伝えたり考えたりする動詞の後によくthatがくるので、慣れてきたらすぐにわかるようになります。
さて、歌詞の中ではどのように使われているのでしょうか?
I know you heard about me.(Taylor Swift 『Blank Space』より)
これを先ほど解説したような手順で理解していきましょう!
「私は〜と知っている」の「〜」の部分に入るのが「you heard about me」つまり「あなたは私について聞いた」ですね。そのため、thatを補うと「I know that you heard about me.」だとわかります。
よって、この文章の意味は「私は、あなたが私について聞いたことを、知っている」となります。時制が違うので注意知ってくださいね。歌詞の中では正直あまり重要な箇所ではないですが、文法としては重要なので、ぜひ知っておいてくださいね。
少しややこしいworth
「worth」という単語を知っていますか?それほど難しい単語ではないですが、もしかしたら知らない人もいるかもしれませんね。
基本的な意味は「〜の価値がある」ですが、用法が少し難しいです。よく使う用法を2つ紹介します!
- A is worth ~ing:Aを〜する価値がある
- It is worth ~ing A:Aを〜する価値がある
どちらも同じような意味ですが、構造が違います!worthのややこしいところは、形容詞なのに目的語をとるということです。
例文を見てみましょう!
- Okinawa is a city worth visiting.:沖縄は訪れる価値がある都市だ。
- It is worth going to the university.:その大学は行く価値がある。
1番は動名詞「visiting」の目的語が主語になっている点がややこしいんです!あまり深く考える必要はありませんが、worthが出てきたら特殊な文構造をとるということだけ覚えておきましょう。
2番に関しては、形式主語の「it」が使われていますね。これを使わずに書くと「Going to the university is worth.」(こういう言い方はしません)となりますが、worthは目的語をとる形容詞であるため、このような表現をします。
このように、案外難しいworthですが、歌詞の中では次のように使われています。
You can tell me when it’s over, if the high was worth the pain.(Taylor Swift 『Blank Space』より)
文脈が僕や高校生のみなさんにとっては解釈しにくいのですが、「the high」とは要するに「最大・ピーク」ということだと思います。恋愛中の楽しさやワクワクのようなものの最大値が、「苦しむだけの価値があるなら」という文脈ですね。難しい。
※worthは辞書に「形容詞」という記載がありますが、目的語をとるという理由から「前置詞」と考える人もいるそうです。
ぴぺりたからのアドバイス
今回のコラムでは、細かく名詞節や形式主語、などの文法用語をたくさん使って説明をしました。しかし、実際自分で英語を勉強するときにそのような用語を覚える必要はありません。
例えば、僕は形式主語という用語の代わりに「特に意味なく置かれるit」と理解して覚えています。名詞句と言っても、「SがVすること」とまとめれば意味がわかる英文に「名詞句」と名前をつけて覚えているだけです。
英文を読む際に「どれが目的語なのかな?」とか「名詞節はあるかな?」と細かく考えながら理解する人はいません。英文を理解した後で、「こういう風に理解するなら、この単語は目的語になるな」というように、文章を理解した後で授業で使われるような文法事項が存在することを発見することの方が多いです。
参考書や授業中の説明ではどうしても「文法事項の説明→英文の理解」と進むことが多いですが、英語を読むときは「英文の理解→文法事項の発見」と進む場合がほとんどです。
初めは難しいかもしれませんが、多くの文章を読んで考えているうちにみなさんもそのように読めるようになります。僕の書いたコラムをきっかけに、楽しく英語を勉強できるようになれれば幸いです。
それでは、来週もまたこのコラムを通してお会いしましょう。
僕は個人的にウェブサイト「ぴぺりたぐらむ」YouTubeチャンネル「piperitagram.channel」を運営しているので、こちらもぜひご覧になってください!