なぜ国際関係論を学ぶか?ー古典×現代の世界情勢
―漢文を学びたいということは、文学部に進もうかなと思っていたんですか?
そうそう。中文(思想文化学科中国文学専修)か東洋史学(歴史文化学科東洋史学専修)あたり。
でも漢文をやっているうちに、昔の人って、ある程度学問を積んだ人たちは社会貢献をしなきゃいけないとみんな考えていることがわかってきて。自分も教養を積んでから社会のために役に立つことをしたいと思ってきました。古典も漢文もすごい好きだしやりたかったけど、古典は待ってくれるなと思って。おばあちゃんになっても勉強し直せるし。
だけど、ちょうど進学選択の時に、トランプの大統領当選など世界情勢の激動がありました。そういう時に、ニュース程度の知識しかないからどうせなら体系的に学んでみたいと思って国際関係論コースにしました。
―世界情勢にはなぜ興味を持ったんですか?
コメンテーターの偉い人ですら予測できない予測不可能な動きが多い。その中で古典とかやってたら世界に置いて行かれてしまうと思ったし、曲がりなりにもキャッチアップしたいなって思いました。
―「古典は待ってくれる」けど「世界は待ってくれない」ということですね。
世界情勢を追うということが社会に貢献する1つの方法ということだと思いますが、学科で専 攻してみて実際にキャッチアップできるようになりましたか?
そうですね。知識はだいぶ身につきました。
学科が留学経験者とか知識のある人ばかりで、最初はタジタジだったんですけど、聞けば教えてくれるんですよね。「今日のニュースどう思う?」みたいなことを休み時間とかに聞いたら答えてくれる。それで前よりはアンテナはだいぶ広がりました。やっぱり法とか社会とかあらゆる学問において国際関係は無視できなくなってきているとも思いますし。
―では将来も国際系に?
まだ決めてないけど、アンテナを広げる姿勢が身についたからそれを生かしつつ、情報を集めたり分析したりする仕事ができたらいいかな、と。
―いいですね。アンテナを広げることはとても大事なことですよね。
東大に入ってよかったことは、やっぱりそういう同級生との出会いですか?
そうですね。研究のレベルが高くて、そこに集まってくる同期も先輩も優秀で、どんな瞬間にいても勉強になるというか。
「壁」を乗り越える喜び
―高校生に一言。
やっぱり地方出身だとか女子だからとかで壁を感じている人が多いと思います。私は運よく乗り越えられたけど、迷っている人はなるべく視野を広げるために、大学に来てほしい。この、壁を乗り越える感覚は結構クセになるから。マイノリティかもしれないけど気後れせず、当然のように入ってきてくれれば!なるべく選択肢が多くて自分の可能性を減らさない方を選んでほしいし、経験上その方が良いと思う。
―本当にその通りですよね。少し高い壁を乗り越えて、一旦その世界に足を踏み入れてしまうと抜け出せなくなるし、また挑戦したくなりますね。
そうそう。東大は入ってみれば思っていたよりも多様だし、やりたいことをやりたいだけ勉強できる環境だと思う。
―マイノリティでも関係なく、日常の中でたくさんの学びを得られる環境であるということが東大の魅力の1つなのだと思います。ありがとうございました!
彼女の言葉からは、好きなことをとことん追求する姿勢と同じくらい、幅広い分野にアンテナを張って理解を深めていくことが大切だということが感じられます。「日々のいかなる瞬間にも学びがある」という意識でこれから先の人生を歩んでいけるといいですね。
東大女子キャン運営委員会とは?
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