【仮面浪人&編入体験談】第一志望以外の大学に行った2人の先輩のその後

はじめに

受験ではもちろん、第一志望の大学に合格する人も不合格する人もいて、第一志望の大学に不合格だったけれども、第二志望以降の大学に受かったという人もいます。

受験の結果がどのようであったかによって、進学浪人かという選択肢が分かれてきますよね。

この記事では、第一志望に落ちて、浪人した先輩と進学した先輩という境遇が全く異なる2人に対してインタビューを行いました。

2人とも、単なる浪人、進学ではないので、是非参考にしてくださいね。

①浪人するという選択肢

名前 あやださん
在籍している学部と学年 一橋大学商学部2年生
遍歴 香川県出身
→駿台浪人(寮生活)
→中央大法学部(仮面浪人)
→一橋商学部
現役時代の志望校 東京大学
浪人時代の志望校 一橋大学

現役時代、浪人するか迷いませんでしたか?

あやださん
迷いましたね。高3の時は目の前の入試に必死で、落ちた場合は考えていなかったので……。

結果、合格したのは中央大法学部のみでした。ただ、模試の判定も悪かったので東大に落ちたこと自体はショックではありませんでした。

不合格になっていざ浪人か進学か決断を迫られると、

  1. 親の金銭的負担
  2. もう1年受験勉強を続ける自信がないこと
  3. 浪人しても合格する保証はない

この3点で悩みました。そこで親に相談したところ、浪人するなら応援すると言ってくれました。

また、クラスの友人で浪人する決断をした人も多かったことも後押しとなって、浪人することに決めました。

浪人した結果と、中央大法学部に進学することを決めた理由について教えてください。

あやださん
模試では東大はBC判定、一橋はAB判定がでるようになりました。

東大か一橋か迷いましたが、模試の結果を見て、12月に一橋を受けることに決めました。浪人生ということもあり、併願校の早慶は厚めに受けましたね。

しかし結果をみると、合格したのは現役時代と同じ中央大法学部のみ

流石に浪人して一橋大学に不合格なことがわかった時は、頭が真っ白になりました。その状況でも入学金を振り込むかどうかの判断をしなくてはいけない訳で。

「一浪して受からない人が二浪しても受かる確率が低い」ということを知っていたので、二浪はせずに、進学することにしました。

中央大学に進学してどうでしたか。

あやださん
浪人の結果をへてモヤモヤしたまま入学式へ向かいました。

入学式の後のオリエンテーションで派手めの人が多くて「自分、この大学でやっていけるのかな」って不安になりました(笑) けど、語学のクラスで仲の良い友人ができたので、結果的には問題ありませんでしたね。

それよりも、授業を受ける中で「あれ、法学つまんないな」って思っちゃったんです。

受験生の時はなんとなく法学部に興味があって進学したのですが、いざ授業を受けたら楽しくなかった。それよりも一般教養科目で受けていた商学部系の内容に心を惹かれました。それに加え、早慶以上の大学に行きたいという気持ちがあり、仮面浪人をすることにしました。

仮面浪人をした感想を教えてください。

あやださん
正直なところ、オススメはできないです。浪人と違って「大学生」であるという安心感があるし楽かなと思ったのですが、違いました。

空いた時間は全て勉強に捧げるため、周りのみんなと違い「大学生」らしいことはできないし、バイトができずに常に金欠ですし、何よりセンター試験と期末試験が被って大学の授業の単位をかなり落としました。

もし仮面浪人して他大学に合格していなかったら、単位が足りず進級できなかった気がします。

浪人して留年までしちゃったら、話にならないですからね。このように大学生活をある程度犠牲にする必要があったので、決して楽ではありませんでした。

今までの選択を振り返って、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

あやださん
自分の経験からいうと、選択した時点ではその選択が正しいかなんて、いつもわかりませんでした。だから、「正しい選択か」よりは「後悔しない選択か」という点で決断するといいかもしれません。

そして「正しい選択か」がわからなくても、「自分の選択を正しくすること」はできます。

一度決めたらその選択をやりきって、後悔の無い正しい選択にする努力を惜しまないで欲しいです。

②進学するという選択肢

名前 橋本ひとみ
在籍している学部と学年 筑波大学情報学群知識情報・図書館学類
遍歴 都内高校
→立命館アジア太平洋大学(APU)
→筑波大学情報学群知識情報・図書館学類(3年生時に編入)
現役時代の志望校 慶應SFC
編入時代の志望校 筑波大学

どういう経緯で、第4志望であったAPUに進学を決めたのですか?

橋本ひとみ
元々は、一般入試ではなくAO入試だけで受験を終える予定でした。慶應SFCが第一志望で、併願校の津田塾大学のAO入試は倍率が1.2倍程度だったので、慶應レベルの対策をしていれば受かるはずでした。

しかし、予想外の出来事が起こりました。高校側のミスで、高校の卒業単位が足りないことが発覚したんです。そしてそれは、全ての大学のAO入試に出願できないということを意味していました。

この事件によって私は絶対に受かると思っていた大学に受験すらできず、10月に突然一般入試に切り替えざるを得ない状況に陥りました。結果はもちろんボロボロ。

初めての合格通知が来たのは、卒業式の一週間前でした。

それはかなり辛い経験をしましたね……。そんな理不尽な状況で、浪人して再受験するか悩みませんでしたか?

橋本ひとみ
悩みましたが、あと1年辛い受験生を続けることができる自信がありませんでした。いろんなトラブルがあって心身ともに疲れてしまったんです。

また、どんな大学に行っても結局は楽しめると思って、進学をすることにしました。

実際にAPUに入学しての生活はどうでしたか?

橋本ひとみ
大学生は無条件に楽しいかと思っていたのですが、違いました。深い仲の友人をつくることが難しく、中には授業にあまりでない人もいたので気が合いませんでした。

そんな生活の中、ストレスで毎週体を壊すようになり、それを見かねた親が大学で編入をした人の記事を送ってくれました。編入を考え出したのはその頃からでしたね。

編入を決め、勉強を始めたのはいつ頃でしたか?

橋本ひとみ
最終的に編入の気持ちが固まったのは、1年生の秋でした。ただ、編入試験の勉強はほぼしませんでした。

というのも、試験に必要だったのはプレゼンスキルと志志望理由書、活動報告書だけだったので、高校時代にAO入試のために書いたものを少し修正するだけで十分だったんです。

編入のための通信講座を受けて添削をしてはもらいましたが、現役時代の貯金があった分、特に対策をする必要はありませんでした。けれど実は、編入を決めた後から大学が楽しくなってきたんです。

どうしてAPUの生活が楽しくなってきたのですか?

橋本ひとみ
電話で高校時代の友達と話して「大学で私は〇〇をした」と言えない自分に気づき、「何かしないと」と思って、2年生からTAを始めたのがきっかけでした。

TAは自分の担当の生徒を6人程度持ち、課題の添削等をするため、TA同士でのコミュニケーションが重要になっていました。

担当したTAによって生徒達のカラーが全然変わるのも面白かったし、人気授業なだけあって生徒のレベルも高く、教えている自分も刺激を受けました。

また、わざわざTAをしているだけあって、TAの同期も皆レベルの高い人たちでした。そうやって周りから刺激をもらえる環境に身を置いたことで、一気に大学が楽しくなったんです。

筑波大に編入した今の生活はどうですか?

橋本ひとみ
今度こそ志望大学に入学できましたが、控えめな人が多く、少し物足りなく感じています。

高校までは、受験等いう目標や学校行事、友人と切磋琢磨する環境が学校側から与えられていたからこそ、自然と友達ができ、様々な活動ができた恵まれた環境だったんだと思います。

けれど大学からは、自分で目標を定め、自分で所属する集団を見つけ、切磋琢磨する仲間に出会わなければなりません。

志望していなかった大学にも、志望していた大学にも両方通った経験のある今だからこそ言えるのですが、「志望大学=楽しい」という訳ではないですね。

自分で目標を持って行動できなければ、充実した大学生活を大学が勝手に作ってくれるなんてことはありません。

筑波大学に入って、これからの目標を教えてください。

橋本ひとみ
最近研究室が決まったのですが、図書館を中心とした地域コミュニティの形成を研究したいと思っています。

もともと北欧に興味があって北欧の図書館についての本を読んだ時に、日本の図書館との差に驚いたのがきっかけです。日本の図書館があまり活用されていない現状はとても勿体無く感じます。

そこで今年の夏は大学に向けてプレゼンをし、18万円の補助金をもらって北欧に図書館の視察に行ってきました!

とても良い経験になり、この研究をしたいという思いが強まりました。このように、大学はいろんな機会を用意してくれています。ただ、自分から情報を集める姿勢がないと、その機会を知ることもできないですよね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

橋本ひとみ
高校の時は、大学のネームバリューを気にしていました。しかし2つの大学に通った今、大学によって学べることに大きな差はなく、自分から行動できる人はどこでも成長できて楽しめるということを、周囲の人を見て強く実感しています。

以上、こんな経験をした人は少ないと思うので参考になるか不安ですが、一つ言えるのは第一志望の大学に行けなかったからといって、その後の大学生活が真っ暗になるなんてことはない、ということです。

漫然と過ごさないよう気をつけていれば、きっと素敵な大学生活を送れると思います。

おわりに

第一志望以外の大学へ進学した先輩たちのその後はどうでしたか?

そのまま第二志望以降の大学にいるのではなく、仮面浪人や編入などさまざまな選択肢があるのですね。

みなさんも、進路選択の中で悩むことはあると思うので、是非参考にしてくださいね。




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