近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の覚え方と特徴を徹底解説!【世界史文化史】

はじめに:近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の特徴・覚え方を徹底解説!

近代ヨーロッパの芸術に関する文化史は、興味がない人にとっては非常に覚えにくい分野ですよね。

そこでこの記事では、非常に覚えにくい近代ヨーロッパの芸術に関する文化史を攻略するために、その特徴と覚え方を徹底的に解説します。

近代ヨーロッパの芸術に関する文化史が次のテストの範囲に入っている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

この記事の内容を詳しく知りたい方は、以下の参考書を読んでみてください。

  • 神余秀樹『タテヨコ総整理 世界史×文化史集中講義12』旺文社、2012年。

近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の特徴・覚え方

具体的な特徴の説明に入る前に、文化史の覚え方について1つ注意点を挙げておきます。

それは、「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

暗記項目が多い試験の直前になると、一夜漬けで乗り切ろうとする人がいますが、一晩で覚えられる内容なんてたかが知れています。

一気に全部覚えようとするよりは、分野ごとに覚える内容を分けて、少しずつ覚えていく方が効果的です。

この記事で紹介する覚え方のテクニックを使いながら、地道にコツコツ学習を続けてくださいね。

近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の特徴・覚え方①:古典主義文学

近代ヨーロッパの文学は、フランス古典主義イギリス・アイルランドの文学に分けられます。

まずは、フランス古典主義文学の大家である3人を紹介していきましょう。

コルネイユ

1人目はコルネイユです。

コルネイユは17世紀フランスを代表する古典主義作家で、「レコンキスタ」を題材にした『ル=シッド』という悲劇を著しました。

レコンキスタとは、8世紀から15世紀まで行われた、イスラム勢力によるイベリア半島支配の活動のことです。

ラシーヌ

続いてはラシーヌ。ラシーヌは、トロイを舞台に英雄伝を描き、『アンドロマケ』という悲劇を描きました。

ラシーヌの悲劇は史実に則った物語になっており、基本的にはギリシア神話のストーリーを踏まえて作られています。

ラシーヌの悲劇を読むと、ギリシア神話がより理解しやすくなるかもしれませんね。

モリエール

3人目はモリエール。コルネイユ・ラシーヌと違って、モリエールが著したのは『タルチョフ』という喜劇です。

『タルチョフ』は、なんの罪も無い市民を搾取する詐欺師・タルチョフが、私腹を肥やしながらも最終的には国王に拿捕されるというストーリーです。

日本の演劇でも古くから見られる、勧善懲悪のストーリーですね。

覚え方

フランス古典主義文学を代表する3人については、作品名を覚える必要はありません。コルネイユ・ラシーヌ・モリエールという人名をしっかり押さえておきましょう。

この3人の名前を覚えるときには、「セルベール」という胃薬のCMを利用するのがオススメです。「胃にベ〜ル、セルベール!」という、あのCMですね。

「胃にベ〜ル、セルベール!」という語呂に合わせて、「コルネ〜ユ、ラシーヌモリエール!」という語呂合わせを作ると、意外とすんなり覚えられます。

ラシーヌの部分を早口にするのがコツです。ぜひお試しあれ。

近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の特徴・覚え方②:イギリス・アイルランドの文学

次はイギリスとアイルランドの文学を代表する3人の文人を紹介します。

ミルトン

まずはミルトンです。

ミルトンは、ピューリタン革命によってイギリスの指導者となったクロムウェルの秘書として働いていましたが、病によって失明してしまいました。

その後革命は崩壊し、王政が戻ってきた後、旧約聖書のアダムとエヴァのストーリーを元に作成したのが『失楽園』です。

『失楽園』の中には、服従よりも自由を選んで死んでいく堕天使ルシファーの生き様が克明に記録されています。

革命とその崩壊の中を生きたミルトンは、ルシファーの生き方に自分の人生を重ねていたのかもしれませんね。

スウィフト

お次はスウィフトです。

アイルランド人だったスウィフトは、『ガリヴァー旅行記』という著作の中で、当時信じられていた世界各地の奇妙な国々(巨人の国など)の様子を記しました。

『ガリヴァー旅行記』は、自分たちの住む地域が世界の中心だと思っていた当時のヨーロッパ人にとって、未開の大陸に住む人々はどのような存在だったのかを知るための資料でもあります。

児童文学として有名な作品ですが、世界史を知ってから読むとさらに面白いですよ!

デフォー

3人目はデフォーです。

『ロビンソン=クルーソー』を著したデフォーは、自分の運命を自分で切り開く資本主義的な人物像を描ききり、成長を続けるイギリスの市民を勇気づけました。

ある意味、現代の『半沢直樹』のような小説と言えるかもしれませんね。

覚え方

イギリス・アイルランド文学を代表する3人とその作品名は、言葉の音に紐付けると覚えやすくなります。

ミルトンの『失楽園』は、ミルトンから “melt”(融解)という英語を連想し、固まっていたはずの地面が融解して落ちていく様子をイメージすると、「失楽園」という作品名が自然と頭に入るでしょう。

スウィフトは、英語で書くと “swift”ですよね。 “swift”は「速い」という意味なので、世界各地を足早に移動する旅行者をイメージすると『ガリヴァー旅行記』を覚えやすくなります。

デフォーについては、「フォー」という音と、クルーソーの「ソー」の音が似ているところから、「デフォー↑のクルーソー↑」と覚えると頭に入りやすくなります。

↑の部分にアクセントを置くのがポイントです。ぜひ試してみてくださいね。

近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の特徴・覚え方③:絵画

ここからは、フランス・ルイ14世の時代に流行したバロック式(豪華絢爛な)絵画について紹介します。

ファン=ダイク

まずは1人目・ファン=ダイクです。

ファン=ダイクは、「フランドル派」という油絵技法を用いた画家です。

似た名前を持つファン=アイク兄弟は、このフランドル派技法の発案者なので、併せて覚えましょう。

レンブラント

お次はレンブラントです。

レンブラントはオランダで活躍した画家で、首都アムステルダムの市警団を描いた「夜警」が(世界史的には)有名です。

「夜警」は、タイトルとは裏腹に昼間の警察を描いた作品で、現在でも数多くの謎に包まれています。興味があれば「夜警」で調べてみてくださいね。

ベラスケス

3人目はベラスケスです。

ベラスケスはスペインの宮廷画家で、宮廷の要請に応じて肖像画や戦争画を多数発表しました。

しかしその画風は伝統的な古典主義技法とは正反対で、バロック式らしい奔放な色使いが特徴になっています。

代表作の「宮廷の侍女たち」は筆者の推しなので、興味があればぜひ見てくださいね!

フェルメール

4人目はフェルメールです。

「真珠の首飾りの少女」などで知られるフェルメールの作品は、現存する作品数が少ないことから、近年人気が高まっています。

エル=グレコ

最後はエル=グレコです。

エル=グレコは、ベラスケスと同じくスペインの宮廷画家で、宗教画を得意としていました。

中でも「受胎告知」はエル=グレコの代表作として有名なので、ぜひ覚えておいてください。

覚え方

バロック絵画を代表する5人の画家のうち、作品名まで押さえてほしいのはレンブラント(「夜警」)とエル=グレコ(「受胎告知」)だけです。

レンブラントについては、「ブラント」から「ブライト」(bright=輝き)をイメージし、夜の街に光るパトカーを連想すると、「夜警」という作品名を自然と覚えられます。

エル=グレコは、「グレコ」から「グリコ」を連想し、あの卵のような形をイメージして、その卵からキリストが生まれると考えると覚えやすいですね。

ファン=ダイクについては、「ファン=アイクの弟子」(「ア」よりも「ダ」の方が50音順では後)と考えて覚えましょう。

ベラスケスとフェルメールについては、名前だけ頭の隅の残しておけば十分です。

おわりに:近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の特徴・覚え方のまとめ

いかがでしたか?

この記事では、近代ヨーロッパの芸術に関する文化史の特徴・覚え方について徹底的に解説しました。

文化史を覚えるときに重要なのは、前にも言ったように「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

急がば回れの気持ちで、ゆっくり少しずつ覚えるようにしてくださいね。

それでは!

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