諸子百家の特徴・覚え方を徹底解説!【世界史文化史】

はじめに:諸子百家の特徴や覚え方をわかりやすく解説!

中国史って、漢字がやけに難しくて覚えにくいですよね。筆者は世界史選択だったのですが、一番苦手だったのは中国史でした。

諸子百家は、その中国史の最初の関門と言える重要単元です。

中国の文化史の起点であり、日本にも多大なる影響を及ぼした諸子百家の思想は、大学入試でも頻繁に出題されています。

そこでこの記事では、中国文化史のスタート地点・諸子百家について、その特徴と覚え方を徹底解説します!

諸子百家の思想をなかなか覚えられていない人、試験前にもう一度確認しておきたい人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね〜。

諸子百家の特徴・覚え方

以下では、諸子百家の各「家」の特徴と、それぞれの「家」の代表的な思想家の特徴、さらに「家」や思想家の覚え方を解説します。

一挙に全部覚えようとすると頭が混乱してしまうので、各項目ごと(例えば「儒家」)で内容を覚えられているか確認するようにしてくださいね。

何事も、急がば回れというわけです。

諸子百家の特徴・覚え方①:儒家

儒家

儒家の思想の特徴は、「徳治主義」と「家族道徳」の重視にあります。

徳治主義とは、武力によって国を治める「覇道」を否定し、徳によって国を治める「王道」を肯定する思想です。

王に人徳があれば、国民も自然にその徳にしたがって平和な世の中になる、と儒家たちは考えていました。この考え方が、のちの易姓革命へとつながっていきます。

一方、家族道徳とは、主に親に対して敬意を示す「孝」・兄に対して敬意を示す「悌」・両者をまとめた「仁」の思想の総体を意味しています。

年上の者を敬うこのような発想は、現在の日本にも通じる部分がありますね。

孔子

孔子は、儒家の思想家の始祖と言うべき最重要人物です。

『論語』や『春秋』などの著作を著し、「個々の人が己の身を修めれば、家が斉(ととの)い、国が治まり、天下が平定される(修身・斉家・治国・平天下)」という理想を説いていました。

孟子

孔子の理想を引き継いだのが、「性善説」や「易姓革命」を唱えた孟子です。

性善説とは、字の通り人間の本性は善であるという思想で、徳によって国家を治める「徳治主義」の基盤となっています。

易姓革命も「徳治主義」の基盤となった考え方で、「天帝」と呼ばれる神が人徳の優れた者を支配者として選び、支配者が堕落すれば別の有徳者を支配者として立てるという考え方です。

易姓革命には、武力によって支配者を変える「放伐(ほうばつ)」と平和的に支配者を変える「禅譲(ぜんじょう)」があります。こちらも合わせて覚えておきましょう。

荀子

「徳」という人間の内面を重視した孔子・孟子に対して、「礼」(社会秩序)という外面を重視したのが荀子(じゅんし)です。

孟子とは違って、荀子は「人間の本性は悪である」と考えており、「人間は外面的な秩序によって統制されるべきだ」と主張しました。この荀子の考え方を「性悪説」といいます。

覚え方

「儒家」の「儒」には人偏がついていますよね。そこから、「人と人との関係を重視する思想」と覚えてしまいましょう。

孔子・孟子・荀子については、まず孔子を覚えて、孟子と荀子という2人の弟子が反対の意見を述べていると考えてください。

孔子が儒家の思想の基本を作り、孟子が「性善説」を、荀子が「性悪説」を主張した、と覚えれば大丈夫です。

諸子百家の特徴・覚え方②:法家

法家

儒家の荀子は「性悪説」を唱え、人間の行動は「礼」(社会秩序)という外面によって統制されるべきであると主張していましたね(覚えていますか?)。

この荀子の主張をパワーアップしたのが法家の思想になります。

法家の思想は、人間は法によって統制されなければならないという「法治主義」と、業績には褒賞を与え罪過には刑罰を与えるべきだという「信賞必罰」によって成り立っています。

人をアメとムチで支配するのが法治主義というわけです。

商鞅

中国の戦国時代に、秦国の考公に仕えて法治国家・富国強兵を目指して「商鞅の変法」という国家改革に乗り出したのが商鞅です。

商鞅の変法によって秦国は力を増幅させ、やがて他の国の全てを圧倒する覇権国家になるのですが、商鞅自身はその結末を見ることなく、改革反対派によって刑死してしまいました。

韓非

商鞅の思想を引き継ぎ、法家の思想を大成させたのが韓非です。

韓非は、法家思想の重要な主張の一つである「形名思想」(身分=名が実績=形に見合っているかどうかで人を判断せよ、という思想)を形成するなど、大きな業績を挙げましたが、同じ法家の思想家である李斯に殺害されてしまいました。

李斯

韓非を謀殺した李斯は、丞相として秦の始皇帝に仕えたエリートです。

法家の思想に基づき、度量衡(メートルやグラムなど、事物を測る単位)を統一したり焚書(危険な書籍を焼き払うこと)を行いましたが、始皇帝亡き後は権力闘争に破れて処刑された悲運の人物です。

覚え方

法家の思想自体は、文字の見た目通り「法」の思想として覚えられるでしょう。

商鞅、韓非、李斯の3人は、「商鞅を韓非が引継ぎ、李斯が韓非を殺した」という流れで覚えるのがオススメです。

法家の3人の特徴のうち、李斯による度量衡の統一と焚書はよく出題されるので、「李斯の度量衡、焚書」と何度も唱えて覚えましょう。

諸子百家の特徴・覚え方③:墨家

墨家と墨子

墨家の重要人物は墨子だけなので、墨家の思想は墨子の思想として覚えられます。早速見ていきましょう。

墨家の思想は、大きく分けて「兼愛」・「非攻」・「尚憲」・「交利」という4つの要素から成り立っています。

「兼愛」とは普遍的な愛のことです。「家族を大切にする」という限定的な愛を唱えた儒家の思想とはちょうど対極にある考え方ですね。

「非攻」とは平和主義的思想のことで、外敵が来てもいきなり攻撃するのではなく、まずは自陣を堅く守るべきだと墨子たちは考えていました。

「尚憲」とは賢い人に敬意を払うべきだという思想で、有能なのであれば家柄に関係なく登用すべきだという実力主義的な考え方のことを指します。

最後の「交利」は、文字通り「お互いにとっての利益を求める」という思想です。

他人を蹴落として利益を得るのではなく、他人と一緒に利益を得るのが良いという、極めて平和主義的な考え方ですね。

覚え方

墨家の思想は基本的に平和主義なので、「他人を攻撃せず、他人を広く愛する思想が墨家の思想」と覚えれば大丈夫です。

余裕のある人は、「兼愛」の思想が儒家の家族道徳の対極に位置していることも抑えておくと良いでしょう。

諸子百家の特徴・覚え方④:道家

道家の思想は老子と荘子の思想ですので、2人の思想を順に見ていくことにしましょう。

老子

老子は、儒家の孔子と同時代の人で、「無為自然」という思想を説いたことで知られています。

無為自然とは、世間体や権力への欲望に振り回されることなく、自分らしくあるがままに生きるのが良いという思想です。

この思想を示した老子の著作が、その名もズバリ『老子』です。作者と著作名が同じなので忘れることはないでしょうが、この著作もしっかり覚えておきましょう。

荘子

老子の思想を引き継ぎ、道家の思想を「老荘思想」としてまとめたのが荘子です。

荘子によって完成された老荘思想は、当時の民間宗教の源流となるとともに、後世の道教につながっていきました。

荘子が書いた『荘子』は、後に道教の経典となる重要な著作なので、こちらも抑えておきましょう。

覚え方

道家の思想は「老荘思想」ですが、この言葉から「老人が山荘で1人ひっそりと暮らしている」とイメージしてください。

1人でひっそり、ゆったりと生きようという思想を唱えたのが老子と荘子であると覚えられますね。

諸子百家の特徴・覚え方⑤:縦横家

縦横家がいた時代、中国では秦が圧倒的な力を持つようになり、他の6国は秦との関係について悩んでいました。

そんな中登場したのが蘇秦と張儀で、2人は強国・秦に対する外交政策について真逆の意見を唱えました。

蘇秦

蘇秦は、秦以外の6国は連合して秦に立ち向かうべきだとする「合従策」を唱えました。

1つ1つの国の力は小さくとも、6つの国力を「合従」すれば秦にも対抗できる、という発想ですね。

張儀

張儀は、蘇秦とは逆に、秦以外の国は秦と争わずに連携すべきだと考える「連衡策」を唱えました。

蘇秦が武力によって秦に立ち向かおうとしたのに対して、張儀は平和的に秦と関わろうとしたわけです。

覚え方

蘇秦と張儀の考え方は対極にあるので、一方を覚えれば他方も覚えられます。

というわけで、まず張儀を覚えましょう。名前の漢字から、「人としての義を張った張儀が、平和的な連衡策を唱えた」というイメージを持ってください。

平和なのが張儀、平和じゃないのが蘇秦と覚えれば十分です。

おわりに:諸子百家の特徴・覚え方のまとめ

いかがでしたか?

この記事では、諸子百家の中でも特に重要な儒家・法家・墨家・道家・縦横家の思想の特徴と覚え方を徹底的に紹介しました。

この記事を何度も繰り返し読めば、自然と諸子百家の知識が頭に入るはずなので、ぜひ熟読してくださいね。

それでは!!

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