中世ヨーロッパの文化史の覚え方と特徴を徹底解説!【世界史文化史】

はじめに:中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方を徹底解説!

中世ヨーロッパと言えば文化の時代ですが、横文字の長ったらしい人名や著作名・作品名を覚えるのは結構大変ですよね。

そこでこの記事では、非常に覚えにくい中世ヨーロッパの文化史を攻略するために、中世ヨーロッパの宗教と思想に焦点を当てて、その特徴と覚え方を徹底的に解説します。

中世ヨーロッパの文化史が次のテストの範囲に入っている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方

具体的な特徴の説明に入る前に、文化史の覚え方について1つ注意点を挙げておきます。

それは、「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

暗記項目が多い試験の直前になると、一夜漬けで乗り切ろうとする人がいますが、一晩で覚えられる内容なんてたかが知れています。

一気に全部覚えようとするよりは、分野ごとに覚える内容を分けて、少しずつ覚えていく方が効果的です。

この記事で紹介する覚え方のテクニックを使いながら、地道にコツコツ学習を続けてくださいね。

中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方①:宗教

4世紀から5世紀(古代末期)に活躍したキリスト教神学者を「教父」と言います。

教父たちが提唱した宗教思想は、中世ヨーロッパに大きな影響を与えました。

中でも有名な教父が、エウセビオスとアウグスティヌスです。順に見ていきましょう。

エウセビオス

エウセビオスは、ローマ帝国のコンスタンティヌス帝に仕え、西暦313年のニケーア公会議で活躍した人物です。

彼は、国の皇帝には神からの超越的な恩寵が授与されるとする「神寵帝理念」を提唱し、皇帝権力の絶対性を擁護しました。

彼の理念によって、キリスト教理念は体系化され、後のビザンツ帝国に継承されていくことになります。

アウグスティヌス

エウセビオスに続いて登場し、世界史上最も有名な教父となったのがアウグスティヌスです。

アウグスティヌスは元々マニ教というキリスト教とは異なる宗教を信仰しており、かなり破天荒な生活をしていました。

しかし、古代ギリシアのプラトンの思想や教父たちの思想に触れるにつれて、自らの考え方を改め、キリスト教徒に転向しました。

マニ教からキリスト教への「回心」を語った本が『告白録』です。アウグスティヌスは、自らの半生を振り返って、改めてキリスト教理念の重要性を訴えました。

また、西方からゲルマン人たちがローマ帝国に侵入し、当時公認されていたキリスト教を非難したときには、『神の国』という本を書いてキリスト教を擁護しました。

一地域での信仰だったキリスト教が、現在のような普遍宗教となったのも、ひとえにアウグスティヌスの尽力のおかげと言えるでしょう。

覚え方

経験から言えば、エウセビオスが出題されることはほとんどないので、アウグスティヌスを特にしっかり覚えましょう。

アウグスティヌスは、英語で書くと “Augustine”になります。

“Aug”という接頭語を持つ別の英単語として “augment”(拡大する)があるので、「アウグスティヌスは何かを拡大させた人物」と連想できます。

その「何か」が「信仰」、つまり「神」への「告白」だと考えれば、アウグスティヌスが『告白録』と『神の国』を著したことを自然に覚えられますね。

ほとんどこじつけですが、要領よく覚えられればなんでも良いのです。使えるものは英語でもなんでも使い倒しましょう。

中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方②:哲学その1

中世の思想界を席巻した論争として有名なのが「普遍論争」です。

「普遍論争」とは、文字通り「普遍とは何か」に関する論争で、「実在論」と「唯名論」という2つの立場が対極的な主張を展開しました。

この論争に参加した人物としてまず押さえていてほしいのが、アンセルムス・アベラール・トマス=アクィナスです。一人ずつ見ていきましょう。

アンセルムス

「普遍とは何かという問題について、「普遍は実体として存在する」と主張したのがアンセルムスです。

私たち一人一人が存在するのと同じように、普遍なる者(=神)は存在するとアンセルムスは考えていました。このアンセルムスの考え方を「実在論」と言います。

アベラール

「実在論」を主張したアンセルムスとは対照的に、「普遍は実体としては存在せず、ただ思考されるだけの抽象である」と主張したのがアベラールです。

アベラールの考え方は、普遍を「名前だけ」のものとみなす思想なので「唯名論」と呼ばれています。

トマス=アクィナス

アンセルムスの実在論とアベラールの唯名論との対立を調停したのが、中世最大の思想家として名高いトマス=アクィナスです。

普遍についてアクィナスは、

  1. 具体的な事物から普遍を導く人間の知性からすれば普遍はただの抽象だが、この世界を創造した神の知性からすれば、普遍は自分自身であるがゆえに実体である。
  2. ゆえに、実在論と唯名論はどちらも普遍の一側面の説明として正しい。

と考えました。見方を変えれば、実在論も唯名論も可能になるということですね。

覚え方

アンセルムス、アベラール、アクィナス。

3人とも似たような名前で覚えにくいですが、名前順と時代順がちょうど逆になっているので、名前の50音順を逆さまにすると「アンセルムス→アベラール→アクィナス」と覚えられます。

あとは、一番素朴な考え方(「普遍はある!」)である実在論が一番古くて、その反対の考え方である唯名論が登場し、最後に両者を調停する考え方が出てきたと考えれば、

「実在論→唯名論→トマス」

という流れを押さえられますね。

中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方③:哲学その2

ロジャー=ベーコン

トマス=アクィナスと同時代に生きた天才哲学者として、ロジャー=ベーコンがいます。

形式的な論理性に重きを置いていた当時の哲学者の大多数とは違って、ベーコンは実験や観察に基づく経験的な知識の重要性を訴え続けました。

経験を重視するベーコンの立場は、後の「イギリス経験論」と呼ばれる思想流派の礎となりました。

ウィリアム=オッカム

先にアベラールを唯名論者として紹介しましたが、文化史上で有名な唯名論者はもう1人います。それが14世紀に登場したウィリアム=オッカムです。

オッカムは、「存在は必要以上に増やされるべきではない」という「オッカムの剃刀」という考え方を提唱し、普遍はただの抽象で実在していないという思想を主張しました。

オッカムが唯名論を主張したことで、普遍論争は唯名論側が優勢になったと伝えられています。

覚え方

ベーコンとオッカムは、名前のイメージを活用すると覚えやすくなります。

アンセルムスとかアベラールとかは、名前がすでに格調高いですよね。それに対してベーコンは、なんとも即物的な雰囲気があります。

名前が即物的な感じなので、荘厳な論理ではなく具体的な経験を重視したと理解すれば、ベーコンの思想を自然に覚えられます。

オッカムは、名前から鋭い剃刀を(なんとなく)イメージできますよね。

そのイメージから、「実在を少なくする→神の実在を否定する」という思想内容を自然に理解できるはずです。ぜひ実践してみてください。

中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方④:大学

最後に、中世の大学について簡単に紹介します。

大学の仕組み

中世の大学は、神学・法学・医学・哲学の4学部から構成されていました。

学部の中にさらに7つの自由学科があり、算術・幾何・天文・音楽・弁論・修辞・弁証法という7科目が学ばれていました。

今の大学と比べると随分シンプルな構成ですね。

有名な大学

中世の大学で覚えていてほしいのは、ボローニャ大学とサレルノ大学です。

ボローニャ大学は法学研究で有名で、サレルノ大学は医学研究に長けていました。2つだけで良いので、しっかり押さえておきましょう。

覚え方

自由学科が試験で問われることは少ないですが、学部の構成はたまに問われます。

中世は宗教の時代なので、まず神学が必須になります。次いで、神を理解するために哲学が必要になりますね。

そして人間を人文学的に分析するために法学が必要になり、理工学的に分析するために医学が必要になると考えれば、自然と4学部の構成が頭に入るはずです。

大学については、ボローニャの「ロー」を “law”(法)と変換し、サレルノから「解剖サレルノ?」と連想すれば、「法学のボローニャ、医学のサレルノ」と覚えられますね。

おわりに:中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方のまとめ

いかがでしたか?

この記事では、中世ヨーロッパの文化史の特徴・覚え方について徹底的に解説しました。

文化史を覚えるときに重要なのは、前にも言ったように「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

急がば回れの気持ちで、ゆっくり少しずつ覚えるようにしてくださいね。

それでは!

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