はじめに:19〜20世紀科学に関する文化史の特徴・覚え方を徹底解説!
19〜20世紀科学に関する文化史は、高校の理科(物理・化学・生物など)を履修していない人にとっては馴染みにくくて覚えにくい分野ですよね。
そこでこの記事では、覚えるのが大変な19〜20世紀科学に関する文化史を攻略するために、その特徴と覚え方を徹底的に解説します。
19〜20世紀科学に関する文化史が次のテストの範囲に入っている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
- 神余秀樹『タテヨコ総整理 世界史×文化史集中講義12』旺文社、2012年。
目次
19〜20世紀科学に関する文化史の特徴・覚え方
具体的な特徴の説明に入る前に、文化史の覚え方について1つ注意点を挙げておきます。
それは、「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。
暗記項目が多い試験の直前になると、一夜漬けで乗り切ろうとする人がいますが、一晩で覚えられる内容なんてたかが知れています。
一気に全部覚えようとするよりは、分野ごとに覚える内容を分けて、少しずつ覚えていく方が効果的です。
この記事で紹介する覚え方のテクニックを使いながら、地道にコツコツ学習を続けてくださいね。
19〜20世紀科学に関する文化史の特徴・覚え方①:物理学と化学
19世紀〜20世紀と言えばイギリスをはじめとして産業革命が進んだ時代ですが、この時代には物理学や化学が大きく発展しました。
そこで以下では、物理学・化学の発展に大きく寄与した人物を5人紹介します。
ファラデー
現代に生きる私たちは、電気をインフラとして当たり前に利用していますが、約200年ほど前まで電気は当たり前の技術ではありませんでした。
そんな時代の中、電気の基本的な仕組みを解明し、現代の電気的技術の基礎を築いたのがファラデーです。
ファラデーは、電磁誘導(磁気によって電流が誘導される仕組み)を発見し、電磁気学や電気分解に関する「ファラデーの法則」を打ち立てました。
当時はあまり周囲に理解されず、時の国王にも「それが何の役に立つのか」と問い詰められたそうですが、ファラデーの研究のおかげで、後の産業革命が促進されることになりました。
ヘルムホルツ
2人目はヘルムホルツです。
ドイツに生まれたヘルムホルツは、1842年にマイヤーという物理学者が発表した「エネルギー保存の法則」をより詳細に検討し、エネルギー保存の法則が経験的にも論理的にも確からしいことを主張しました。
ヘルムホルツがエネルギー保存の法則を定式化したことによって、この法則は熱力学第1法則として認められるようになります。
現在、エネルギー保存の法則はマイヤー・ヘルムホルツの法則として知られています。マイヤーの主張と、ヘルムホルツの定式化の業績が讃えられているわけですね。
レントゲン
3人目は、ご存知レントゲンです。
物理学者として電子に関する研究に励んでいたレントゲンは、陰極線(真空管中の電子の流れ)を観察している際、物体を透過する放射線を偶然発見しました。
偶然発見された透過力のある放射線は「X線」と呼ばれ、世界中の研究者を驚かせました。この功績が認められ、レントゲンは第1回ノーベル物理学賞を受賞することになります。
アインシュタイン
4人目は、世界で最も有名な物理学者の一人であるアインシュタインです。
物理学者としてのアインシュタインの功績は、大きく分けて「相対性理論」と「光量子仮説」の2点があります。
相対性理論とは、簡単にいうと「物質を物理学的に特徴づける質量や長さは、観測者が存在する慣性系(≒慣性の法則が働いている座標系)によって異なる」というものです。
当初、この理論は等速運動にしか適応できませんでしたが(特殊相対性理論)、その後アインシュタインは加速度運動と重力場を取り込んだ「一般相対性理論」を打ち立て、理論の汎用性を高めました。
相対性理論が巨大な宇宙に関する理論であるのに対して、光量子仮説は原子などの微小な世界に関する理論です。
光量子仮説を簡単にまとめると、「光や粒子であるだけでなく波動でもある」ということです。
光量子仮説は、当時議論されていた「光は粒子なのか波動なのか」という問題を折衷的に解決したので、画期的な業績として高く評価されました。
キュリー夫妻
最後はキュリー夫妻です。
キュリー夫妻の業績として有名なのは、なんといっても放射性物質・ラジウムの発見でしょう。
この発見に大きく貢献した妻・マリーは1903年にノーベル物理学賞を受賞し、1911年にパリ大学初の女性教授となりました。
覚え方
レントゲン・アインシュタイン・キュリー夫妻はかなり有名ですが、ファラデーとヘルムホルツは物理を勉強していないと知らないですよね。
ファラデーに関しては、「ファラ電気(ファラデーの電気)」という語呂合わせを作ると、電気に関連する法則を考案した人だと覚えられます。
ファラデーまで覚えられたら、あとはヘルムホルツだけなので、何度も口に出して覚えましょう。
19〜20世紀科学に関する文化史の特徴・覚え方②:生物学と医学
19世紀〜20世紀にかけて、現代の生物学・医学の基礎を成す法則が多数発見されました。
そこで、以下では19〜20世紀を代表する生物学者・医学者を3人紹介します。
ダーウィン
最初はダーウィンです。
ダーウィンは、世界周遊の途中でガラパゴス諸島に立ち寄り、そこで「進化論」を発案します。
進化論とは、生物種は初めから神によって与えられているわけではなく、徐々に進化していくとする理論です。
この進化論を、ダーウィンは『種の起源』に著しました。
神の創造を否定する進化論は、当時多くの人から反発されましたが、次第に世界中で受け入れられるようになりました。
パストゥール
2人目はパストゥールです。
パストゥールは19世紀フランスの生物学者で、微生物や病原体を多数発見し、生物学・医学の発展に大きく寄与しました。
パストゥールの功績の中でも有名なのが、狂犬病の予防接種です。
1885年、狂犬病ワクチンの開発に成功していたパストゥールは、そのワクチンを利用して狂犬に噛まれ重傷を負った少年の命を救いました。
狂犬病の予防接種が可能になったことで、致死率の極めて高い狂犬病で亡くなる人は大きく減りました。
コッホ
最後はコッホです。画家のゴッホとは全く関係がないので気をつけてください。
細菌学を研究していたコッホは、1882年の結核菌を発見し、翌1883年にはコレラ菌を発見しました。
細菌に関する研究をより広めるため、コッホは1891年に「伝染病研究所」を創立し、後進の研究者の育成にも努めました。
覚え方
ダーウィンは有名なので、パストゥールとコッホをしっかり覚えましょう。
パストゥールは、「病気をパスする予防接種」という語呂合わせを作ると簡単に覚えられます。
コッホについては、「コッホ、コッホ」という咳の音を連想すると、結核菌をはじめとする細菌の研究を進めた人だと理解できます。ぜひお試しあれ。
おわりに:19〜20世紀科学に関する文化史の特徴・覚え方のまとめ
いかがでしたか?
この記事では、19〜20世紀科学に関する文化史の特徴・覚え方について徹底的に解説しました。
文化史を覚えるときに重要なのは、前にも言ったように「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。
急がば回れの気持ちで、ゆっくり少しずつ覚えるようにしてくださいね。
それでは!