西欧ルネサンスの文化史の覚え方と特徴を徹底解説! 【世界史文化史】

はじめに:西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方を徹底解説!

西欧ルネサンスの文化史に登場する人名や作品名は、似たような名前が多くて覚えにくいですよね。

そこでこの記事では、非常に覚えにくい西欧ルネサンスの文化史を攻略するために、その特徴と覚え方を徹底的に解説します。

西欧ルネサンスの文化史が次のテストの範囲に入っている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

この記事の内容を詳しく知りたい方は、以下の参考書を読んでみてください。

  • 神余秀樹『タテヨコ総整理 世界史×文化史集中講義12』旺文社、2012年。

西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方

具体的な特徴の説明に入る前に、文化史の覚え方について1つ注意点を挙げておきます。

それは、「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

暗記項目が多い試験の直前になると、一夜漬けで乗り切ろうとする人がいますが、一晩で覚えられる内容なんてたかが知れています。

一気に全部覚えようとするよりは、分野ごとに覚える内容を分けて、少しずつ覚えていく方が効果的です。

この記事で紹介する覚え方のテクニックを使いながら、地道にコツコツ学習を続けてくださいね。

西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方①:美術

初めに、西欧のルネサンス期における美術分野で有名な人物を2人紹介します。

ファン=アイク兄弟

ファン=アイク兄弟は、14〜15世紀にオランダ(ネーデルラント)のフランドル地方で活躍した画家です。

ファン=アイクの最大の功績は、なんと言っても油絵技法の確立です。彼らが確立した油絵の技法は「フランドル派」と呼ばれ、ルネサンス以降の絵画の主流になりました。

特に覚えるべき作品などはありませんが、ぜひ押さえておきたい作家です。

ブリューゲル

ファン=アイク兄弟と同じくネーデルラントで画家として活躍した人物に、ブリューゲルがいます。

ファン=アイク兄弟が教会や貴族の肖像画を多数発表したのに対して、ブリューゲルは農民をテーマにした作品を制作し続けました。

覚え方

ファン=アイク兄弟もブリューゲルも、覚えるべき作品名があるわけではないので、

  1. ファン=アイク兄弟が「フランドル派」と呼ばれる油絵技法を確立した
  2. ブリューゲルは農民を描いた

この2点をしっかり押さえましょう。コツは、「フ」ァン=アイクが「フ」ランドル派だと意識することです。「フ」を意識すれば、2人を混同しにくくなります!

西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方②:文学その1

お次は文学です。文学は覚えるべき人物が多いので、2つに分けて紹介します。

エラスムス

まずはエラスムスです。

エラスムスはネーデルラントを代表する人文主義者(ヒューマニスト)で、『愚神礼賛』という著作で聖職者の偽善を赤裸々に語りました。

『愚神礼賛』は、教会の権威の絶対性が失われる時代を象徴する作品と言えるでしょう。

ラブレー

エラスムスと同じく、人文主義者として旧来のキリスト教の伝統を風刺した人物がいました。その名はラブレー。彼は『ガルガンチュア物語(ガルガンチュアとパンタグリュエルの物語)』を著して時の人になりました。

『ガルガンチュア物語』は、巨大な子供ガルガンチュアをめぐる面白おかしい物語に見えますが、実際には痛烈な社会風刺を含んでいます。

そのため、当時の権力者から発禁処分を受けてしまったと言われています。

モンテーニュ

エラスムス・ラブレーと同様に人文主義者としてルネサンスを駆け抜けたのがモンテーニュです。

モンテーニュは『随想録(エセー)』という著作を発表し、寛容の精神と中庸の重要性を説いて、当時の社会的混乱を収めました。

セルバンテス

スペインの作家だったセルバンテスは、「太陽の沈まぬ国」と言われながらも徐々にその勢いを弱めていたスペインの姿を『ドン=キホーテ』という作品に表現しました。

セルバンテスが生きたのは大体16世紀の後半から17世紀の前半ですが、そのころにスペインは絶頂期から没落期へ移行し始めたというわけですね。

覚え方

エラスムスは、「俺エラい。神」(エラスムスが愚神礼賛を書いた)という合言葉を作ると覚えやすくなります。

モンテーニュについては、人名と作品名を繋げて「モンテッセー(モンテーニュ+エセー)」という呪文を覚えれば一発です。

セルバンテスは、作者と作品名の文字数が一致していることを頭におくと覚えやすくなります。「作品名が6文字だからセルバンテスだな」と。

ここまで頭に入れられれば、あとはラブレーが『ガルガンチュア物語』を著したことを覚えるだけです。何度も声に出して頭に叩き込みましょう。

西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方③:文学その2

チョーサー

チョーサーは、イギリスとフランスの百年戦争期に現れた文人で、イギリスの巡礼者の記録を『カンタベリ物語』という著作にしたためました。

話としては、ボッカチオが著した『デカメロン』に似ているので、興味があれば読み比べてみてくださいね。

トマス=モア

トマス=モアはエラスムスと親交のあった人物で、『ユートピア』という著作を著して人文主義の重要性を訴えました。

それにしても、エラスムスが唱えた人文主義の波及力は凄まじいですね……!

シェイクスピア

最後は、みなさんご存知シェイクスピアです。

イギリスに生まれたシェイクスピアは、『ハムレット』・『オセロ』・『マクベス』・『リア王』の四大悲劇を著しただけでなく、『ヴェニスの商人』などの喜劇も発表し、その文体は現代英語の基礎になりました。

覚え方

シェイクスピアは有名なので問題ないでしょう。問題は残り2人です。

チョーサーについては、「チョー」サーが、カンタ「ベリ」(very→チョー)物語を書いた、と考えるとすんなり覚えられます。

トマス=モアについては、「トマスモア↑のユートピア↑」と、2つの「ア」にアクセントをおいた呪文を作るとリズミカルに覚えられます。ぜひお試しあれ!

西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方④:科学

最後に、西欧のルネサンス期における科学についてご紹介します。

ルネサンスの三大発明

ルネサンス期の三大発明といえば、火薬・羅針盤・活版印刷です。

新型の軍事技術である火薬は騎士の没落を招き、羅針盤は大航海時代の基礎となり、活版印刷は文字資料の普及を促進しました。

しかし、これらの発明はいずれもヨーロッパ発のものではなく、もともとは中国で開発された技術です。

「なんのことだっけ?」と思った方は以下の記事をチェックしてくださいね。

元の文化史の覚え方と特徴を徹底解説! 【世界史文化史】

2020.11.04

コペルニクス

科学者コペルニクスの最大の功績は、やはり「天球回転論」でしょう。

アリストテレスやプトレマイオス以来、地球は天球の中心で静止していて、地球の周りを太陽が回っているという「天動説」が広く人々に受け入れられていました。

ところがコペルニクスは、実際には地球の方が回っているのであり、太陽は回転
の中心で静止しているおとする「地動説」を唱えました。

当時の人々からすれば、地動説の考えはとんでもない妄想だったらしく、ほとんどの人はコペルニクスの地動説を無視していました。

ガリレイ

コペルニクスの地動説を、望遠鏡による観察を通じて真実と認めたのがガリレイです。

天文学・物理学に通じていたガリレイは、地球の回転を主張しただけでなく、木星を発見したり、「落下の法則」(自由落下の速度は一定)を発見したりしました。

ケプラー

ガリレイと同じく天文学に通じていたケプラーは、惑星運行の3つの法則の定式化に成功しました。

ケプラーが唱えた惑星運行の法則によって、当初は黙殺されていたコペルニクスの地動説がいよいよ確信できる学説となっていったそうです。

覚え方

コペルニクスとガリレイは有名ですよね。問題はケプラーです。

ケプラーの「プラ」から “planet”(宇宙)を連想すると、「宇宙の運動に精通し、惑星運行の法則を定式化した人」としてケプラーを覚えられます。ぜひ試してみてくださいね。

おわりに:西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方のまとめ

いかがでしたか?

この記事では、西欧ルネサンスの文化史の特徴・覚え方について徹底的に解説しました。

文化史を覚えるときに重要なのは、前にも言ったように「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

急がば回れの気持ちで、ゆっくり少しずつ覚えるようにしてくださいね。

それでは!

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