はじめに
今回は、青山学院大学文学部英米文学科の指定校推薦入試とその対策法について紹介していきます。
英米文学科だけでなく、英語面接がある学部(大学にもよりますが国際系の学部など)の推薦入試においても、参考になる情報です!
指定校推薦であれば受験者全員合格すると一般的に言われていますが、油断してはいけません。
気を緩めずに、しっかりと対策していきましょう。
目次
青学指定校推薦入試:全体の流れ
青学英文学科の指定校推薦入試は、以下のような流れで進んでいきます。
校内選考(9月中旬~10月下旬)
校内選考の基準は高校によって異なり、審査過程や基準は非公開となっています。
ここで一番重要なのは、高校1年の1学期から高校3年の1学期までの評定平均です。
校内選考ではまず、自分の評定平均値が大学の求める評定平均値以上であるかどうかが判定されます。
基本的には、この基準を乗り越えられれば校内選考はクリアです。
しかしもし、他にも同じ大学・学部を志望する人がおり、指定校推薦の枠を超える申し込みがあった場合は、基準の評定平均値をクリアしている人の中でさらなる絞り込みが行われます。
その際には、評定平均値に加え、志望理由書も考慮され、募集枠内の人数に絞られることになります。
この際高校によっては、課外活動、部活動、出席日数なども参考にされることがあります。
出願手続き(11/1~11/5)
「入学志願票・受験票・写真票」、「志望動機・理由書」、「調査票」、「推薦書」、「振込通知書」これらを所定の封筒に入れ、簡易書留郵便扱いにして提出します。
詳しくは、試験要項を確認しましょう。
試験(11/23)
合格発表(11/30)
大学のウェブサイトにて、合格発表が行われます。合格者には、郵送で合格通知書と入学手続きの書類が送付されます。
入学手続き締め切り(12/12)
青学指定校推薦入試:試験当日の流れと体験談
ここでは試験当日の流れと、体験談を紹介していきます。
以下は、当日のタイムスケジュール表です。
小論文 10:30~11:30(1時間)
休憩時間 11:45~13:45(2時間)
面接試験 14:00~(面接時間は10分)
小論文
午前は1時間、小論文の試験があります。試験要項には、「小論文開始30分前までには、試験室に集合してください」と記載されていました。
私はちょうど30分前に着いたのですが、ほとんどの受験者はすでに着席していて、立ち歩いている人はいませんでした。
試験本番ということもあって、ただでさえ緊張していたのですが、それを見てさらに焦ってしまいました。
それから焦りと緊張が続いていましたが、試験が始まってからは、なんとか気持ちを落ち着けて執筆に臨みました。
書き始める前に、導入の切り出し方や、本論で押さえたいポイントを整理しておくことで簡潔に、分かりやすく書くことができましたよ。
休憩時間
小論文の試験が終わると、2時間の休憩時間になります。
私はこの「2時間」をできるだけ有効活用しようと、昼食を取りながら、近くの席の受験生と会話をしました。
高校生の頃の部活の話や、自身の留学経験についての話題で盛り上がり、楽しい時間を過ごせましたよ。
このとき会話をした受験生とは、大学に入学した後に親しい関係になりやすいです!
実際に入学して2か月後、「入試の日、席が隣だったよね」と話しかけられて、盛り上がるということがありました!
私は正直覚えていなかったのですが、話しかけてくれたおかげで思い出し、今ではよく話す友達として仲良くしています。
面接試験
14時からは、英語と日本語の面接が行われます。
教室の廊下に椅子が並べられ、自分の順番が来るのを待ちました。
順番が来ると受験番号ごとに3~5人ずつ呼び出され、面接の試験教室に向かいます。
面接では、日本語と英語で行われます。面接官は、日本人と英語のネイティブそれぞれ1人ずつ。
日本語で聞かれたら日本語で答え、英語で質問されたら英語で答えます。言語がランダムで質問されるため、頭の切り替えが大変でした。
初めはとても緊張していましたが、最後の方は気が楽になり、楽しく受け答えすることができるようになっていました。
英語の文法を間違えてしまい、焦ってしまうこともありました。しかしほとんどの受け答えでは、面接官の質問に対し的確に答えることができたと思います。
実際にかかった面接時間は、約10分でした。
青学指定校推薦入試の対策
小論文・面接は、校内選考が終了した10月下旬頃から事前準備・対策を始めていきましょう。
ほとんどの受験生は、推薦入試だけでなく一般入試も視野に入れて行動しているので、校内選考を通ってから推薦入試の対策すれば十分です。
小論文
制限時間は60分。字数はA4の用紙1枚分(700字程度)。
傾向として、時事問題や社会問題、英語圏の文化・文学やそれに対する自身の意見などについての記述を求められることが挙げられます。
事前準備
事前準備としてまず初めに、過去問を確認しましょう。
過去問を見るときには、出題されている課題文を通して、大学側が何を見極めようとしているのかをじっくりと考えるようにしましょう。
それをもとに大学側が、受験者にどんな内容の記述を求めているか考えると、適切な内容を論ずることに繋がりますよ。
そうは言っても、どうやれば良いのかわからない……という人のために、実際の過去問を通して、実際にやってみましょう!
「大学に入ってから積極的に取り組みたいことを3点挙げ、その理由を述べなさい。」
「社会、政治、教育、環境、その他の問題であなたが興味を持っているものについて説明し、それに対する意見べなさい。」
1つ目は、積極的に取り組みたいことを3つ考えて書く必要があります。
この課題文を通じて大学側は、この受験生は大学入学後、どのように大学に貢献してくれるのか、活発に行動するのかを判断します。
大学側もあまり無気力な学生を合格させたいとは思いませんよね?
そこでできるだけ「具体的に」、大学に入ってから取り組みたいことを書くようにしましょう。
例えば、「大学の勉強に積極的に取り組んでいきたい」や「学園祭実行委員として大学を盛り上げたい」などを、具体的に説得力をもたせて書くようにしましょう。
具体的にであればあるほど、採点官にやる気がある受験生であることが伝わりやすくなりますよ。
2つ目は、まず様々な社会問題を説明させることを通じて、受験生がどの程度、時事問題に関心を持っているのかを判断します。
また、それに対する意見を述べることで、答えのない問いにどのように対処していくかが読み取ろうとしています。
選ぶ社会問題は、課題文にある通り興味のあるものを選び、自分がその問題について「詳しく知っている」ことをアピールしましょう。
例えば、新型コロナウイルスやアメリカ大統領選挙、SDGsなどがメジャーでしょう。
それに対する意見は、倫理的に問題がなければ、どのようなものでも基本的には大丈夫。
意見自体よりも、その問題についてどのように考えるのかというプロセスのほうが重要です。
余力があれば、似たような小論文が出題される学部・学科の問題にも目を通しましょう。
例えば、文学部英米文学科であれば、国際系、経済系、社会系などの学科の問題も見て、傾向が似ている問題は、練習題材として活用していきましょう。
過去問を確認することに加え、背景知識を習得することも重要です。
小論文では自分の論を裏付けることができるデータや事例があると、説得力が増します。
日頃から新聞やウェブニュースを読み、時事的な情報をキャッチする習慣を付けましょう。
例えば、日経新聞などの新聞や、NewsPickやスマートニュースというスマホのニュースアプリなどを使うのがおすすめ。
小論文対策
小論文を書くときに最も大事なのは、自分の主張を論理的に述べることです。
論理的であればあるほど、採点官に伝わりやすく、主張が受け入れられやすくなりますよね。
したがって、どれだけ論理的に主張を述べられるかに焦点を当てることが、合格に近づく道になります。
小論文の書く練習をするときには、論理的な文章を書くことを意識するようにしましょう。
ではここからは、論理的な文章の書き方を見ていきましょう。
まず第1に、客観的な根拠を明確に示すこと、第2に、論理展開を明確にすること。この2点を守ることが論理的な文章を構成する重要な要素です。
第1の点について。客観的な根拠は主張を支える重要な部分。
主観的な根拠よりも、数値やデータを用いた、客観的な根拠を示すようにしましょう。そうすることで、より主張に説得力を与えることができますよ!
第2の点について、論理展開を明確にすることも意識しましょう。どこに何が書いてあるのかわからないと、採点官も混乱してしまいます。
特に主張と根拠がどこに書いてあるのか明確にすることは重要です。
そこで、PREP法という文章の書き方のフォーマットを利用するのがおすすめです!
「結論(Point)→理由(Reason)→例(Example)→再び結論(Point)」の順に論理展開することで、説得力のある、わかりやすい内容になります。
実際に過去問を解く際には、上の2つのポイントを意識して事前準備で確認したお題の小論文を書き上げましょう。
書き上げた後は、高校の国語の先生に添削をしてもらうことを忘れてはいけません。
添削後は解きっぱなし書きっぱなしではなく、アドバイスをもとに2、3回書き直しを行いましょう。
振り返って書き直す作業は、自分の文章力改善において重要な作業です。
アドバイスをもとに書き直すことで、自分に足りなかった部分がより明確になり、その部分を補うことに繋がりますよ!
面接
面接時間は10分。面接官は、日本人1人と英語ネイティブ1人の計2人。日本語の面接と英語の面接が並行して行われます。
事前準備
事前準備として、まずは過去に出題された質問をインターネットや学校の資料などで確認しましょう。
基本的にやることは、小論文のときと同じです。質問の意図を見極め、どのような答えが適切なのか考えていきましょう。
以下の質問例を見て、どのような答えが良いのか見ていきましょう!
例えば、過去の英米文学科の面接では、以下の質問が出題されていました。
「他の大学・学部ではなく、青山学院大学文学部英米文学科を選んだ理由を教えてください。」
「イギリスやアメリカのどんな文化が好きですか?」
「最近新聞やテレビで取り上げられている社会問題の中で、関心を持っている問題はありますか?それについて、どう思いますか?」
1つ目は、なぜ、この大学・学部・学科ではなくてはならないのかを述べましょう。
自分の学びたい分野とここで学べる分野が一致していることを簡潔に説明すると分かりやすいですよ。
2つ目は、ここは「英」「米」文学科なので、面接官は、受験生がイギリスやアメリカに興味を持っている前提で話をします。
受験生は、特定の文化や文学に興味のあるということを示しましょう。そして、文学であれば、どんな作品なのか簡単に説明できると良いでしょう。
3つ目は、小論文で取り上げた話題と同じく、社会問題への関心の有無を面接官は見極めてきます。自分の考えを簡潔に述べる準備・練習をしておきましょう。
以上の質問事項は、実際に出題されたものなので、今後も聞かれる可能性があります。少なくとも答えられるように準備をしておくといいでしょう。
私が受験生の時は、志望する大学学部の公式ウェブサイトを見て、自分のやりたいことと大学で学べることを確認し、志望理由を考えました。
また、アメリカとイギリスの文化に触れるために本を読んだり映画を見たりしていました。
面接対策
面接を練習する際のポイントは、3つあります。
1つ目は、話す内容のキーワードを事前に頭に入れておき、自信を持って自然に答えることです。
事前準備の段階で、質問に対する答えを文章で用意してしまうと、全てを覚えるのが億劫だと感じてしまったり、実際に話すときにぎこちなくなったりしてしまいます。
そこで、文章で準備するのではなく、話すトピックやキーワードを頭の中に入れるようにしましょう。
トピックやキーワードだけであれば覚えやすいですよね?また、丸暗記を感じさせない、自然な会話になります。
例えば、『最近の社会問題の中で、関心を持っている問題はありますか?』という質問に対して
「アメリカ大統領選挙に興味があり、特に民主党の今後の動向に目を離せない」ということを述べる場合。
・アメリカ大統領選挙(メイントピック)
・バイデン大統領:コロナ対策・環境問題や人種問題に取り組む姿勢が意欲的
(共和党のトランプ大統領と比較して、自分が民主党のバイデン氏に興味があるという理由)
・カマラ・ハリス副大統領:アジア系黒人女性アメリカ人
(同じく民主党の副大統領の選挙活動に興味がある理由)
2つ目は、面接練習中の動画を撮影することです。
動画を撮ることで、客観的に自分がどのように話しているのかを確認できます。
自分自身では上手く話しているつもりでも、案外直すべきポイントが多く見つかるかもしれませんよ。
例えば、自分では見ることができない、表情や姿勢。怖い印象を与える表情だったり、猫背になっていたりと、知らぬ間に悪印象を与えていることに気づくことができます!
動画を撮り自分を見ることは、少し恥ずかしく躊躇しがちですが、とても有効的な練習方法なので、実践するといいですよ!
3つ目は、結論を先に話すことです。
質問されたことに対して、具体的な説明から始めたり、会話が長すぎると、面接官にとっては、受験者が何を話しているのかわからないことがあります。
面接官にとって分かりやすく話すために、1番最初に何を話していくのか提示しましょう。
その後、具体例や体験談を添えて、説明していくという順序を意識しましょう!
これら3つのポイントを意識して練習をしましょう。
おわりに
指定校推薦入試でも気を緩めずに、最後まで対策していきましょう。
4月から、華のキャンパスライフが送れるように、あと少し頑張りましょうね!