【現役早稲田生が解説!】早稲田大学の法曹コースに入る準備から司法試験合格までの道のり

はじめに

 

法曹(弁護士、検察官、裁判官)になる道のりについて調べても、専門用語が多く、複雑で分かりづらいと感じている人は多いのではないでしょうか。

 

この記事では、法学の知識がない人にも分かりやすく、法学部から法科大学院を経て司法試験に臨む「法曹コース」の流れを解説します。

 

他のルートと比較した場合のメリットについても詳しくご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。

法曹コースとは

 

【法曹コースとは①】一般的な法曹コースの定義

 

法曹コースは、法曹志望の大学生向けに設置された、大学の法学部と法科大学院が提携した5年一貫型教育コースです。

 

司法試験への合格までの道のりを効率化し、学生の経済的・時間的負担を減らすことを目的に、2020年に全国的に創設されました。

 

【法曹コースとは②】早稲田大学ならではの法曹コースの特徴

 

いくつかの大学に設置されている法曹コースですが、ここで早稲田大学ならではの特徴を紹介します。

 

早稲田大学では、2025年に大学と大学院の教員が完全に統合され、一貫性が高まりました。

 

また、早稲田出身の現役法曹が「アカデミックアドバイザー」として学習計画や答案添削などのサポートをします。

 

さらに、学部生のときに取得した一部の単位が、法科大学院卒業に必要な単位として認定されるため、法科大学院の授業を先取りできます。

 

【法曹コースとは③】修了認定に必要な条件

法曹コースの修了認定には、3つ条件があります。

 

①GPA(0から4までの5段階成績評価)が2.8以上であること

 

②不合格単位が0であること

 

③所定の必修科目・選択科目を履修すること

 

1年次には春学期に「導入講義(選択)ー法曹の仕事を知るー」、秋学期に「1年法曹演習」の推奨科目があります。

 

2年次以降の選択科目には法曹コースに特化したものがあるため、2年生以降は履修登録時に注意が必要です。


法学部での勉強の内容や進路について詳しくまとめた記事も合わせてご覧ください。

【学部紹介】法学部ってどんな学部?何を学ぶ?勉強内容・雰囲気・就職先まとめ

2022.03.17

法曹コース登録から司法試験までの流れ

【ステップ①】法曹コースへの登録

 

法曹コースへの申し込みの手順を解説します。

 

申し込みは、大学2年生の春または秋の科目登録申請前から可能ですが、3年次からの開始や離脱も自由です。

 

ただし、早期卒業を目指す場合は、大学2年生の終わりごろに申請が必要です。

 

申請は専用フォームから行い、「My Waseda」(オンデマンド授業の受講や教員との連絡など各種サービスの入口となるポータルサイト)で申請の結果が確認できます。

 

【ステップ②】早期卒業

 

法曹コースから司法試験を目指す上で、早期卒業は必須ではありませんが、学費と司法試験合格までの時間の削減に繋がるメリットがありますよ。

 

早期卒業には以下の3つの条件があります。

 

①2年生の終了時点で88単位以上取得

 

②3年生の冬までに136単位以上取得

 

③3年卒業研究に合格

 

早期卒業の候補者は、3年次に登録できる上限単位数が増加します。

 

ただし、単位を多く取りすぎると1科目ごとの学習密度が下がるため、履修は慎重に行いましょう。

 

早期卒業をする学生の人数に制限はなく、2024年度は23名した

学部は異なりますが、早稲田大学の3年卒業制度についてもっと知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

大学の3年卒業制度って何?〜早稲田大学人間科学部の事例から〜

2020.02.19
 

【ステップ③】院試

 

法曹コース履修者が受けることのできる、法科大学院入試の選抜方式を2つ紹介します。

 

特別選抜入試枠(5年一貫型)

 

法曹コース修了見込み者だけが特別選抜入試を受験できます。

 

募集人数は40名で、倍率は1.8倍程度で、普段の成績と3年9月の面接で合否を決定します。

 

5年一貫型とありますが、早期卒業しなかった場合も受験できます。

 

法律科目の試験がないため、負担が少ないことが大きな利点です。

 

一般選抜入試(既修者)

 

書類審査と法律科目の試験があり、試験科目は、民法、憲法、刑法、刑事訴訟法、民事訴訟法、商法の6科目です。

 

特別選抜入試と併願できます。

 

【ステップ④】司法試験

 

司法試験のスケジュールを見ていきましょう。

 

2023年から大学院2年生の7月に司法試験を受けられるようになり、在学中の合格が可能になりました。

早期卒業すれば、大学入学から約4年半で受験できます。

 

大手の弁護士事務所に入りたい方は、司法試験と並行して就職活動の準備を進めましょう。

 

法曹コースのメリット

 

【法曹コースのメリット①】高い司法試験合格率(新制度版)

 

早稲田大学法科大学院、特に法曹コース修了者は、司法試験で優秀な実績を収めています。

 

平均すると、司法試験合格者数は受験者360名中150名ほどで、全国でもトップクラスです。

 

合格率は全体で40%、既修者(法科大学院入学時に法学部卒業、または同等の水準の知見を持つ人)で50%超え、法曹コース修了者は75%程度と非常に高水準です。

入試方式や進路から、国公立法学部の選び方を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

【東大法学部生が教える】入試と進路に着目した法学部の選び方とおすすめ国公立大学法学部

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【法曹コースのメリット②】予備試験ルートとの比較

 

予備試験合格または法科大学院進学によって司法試験の受験資格が得られます。

 

難易度経済的負担の観点から、予備試験ルートと法曹コースを利用するルートを比較します。

 

まず、難易度の比較です。

 

予備試験の合格率は4%き門ですが、司法試験の合格率は40%程度です。

 

予備試験合格者の90%以上が司法試験に合格することからも、予備試験の難易度の高さがうかがえますね。

 

法曹コースから法科大学院に進学する方が、ハードルが低いと言えるでしょう。

 

ただし、大学生のうちに司法試験に合格した場合、予備試験ルートの方が1年早く法曹になることができます。

 

次に、経済的負担の比較です。

 

大学を3年で卒業する場合、大学4年次の学費である125万円ほどの負担が減ります。

 

また、早稲田大学法科大学院の学費は、2年間で300万円程度すが、成績優秀者を対象とした給付型奨学金があります。

 

一方、予備試験ルートは、難易度が高く、独学は非常に困難です。

 

予備試験に合格するための予備校には2〜5年程度通う必要があり、大手予備校の1〜2年間のコースは150万円ほどかかります。

 

法曹コースと予備校の経済的負担に大差はないと言えるでしょう。

 

【法曹コースのメリット③】他の法科大学院ルートとの比較

 

一般的な法科大学院ルートと比較し、法曹コースを利用するメリットは3つあります。

 

①院試の負担が少ない

 

②法科大学院との一貫性が高い

 

③早期卒業できれば経済的負担が軽減される

 

これらのメリットを考えると、ひとまずコースに申請しておくことをおすすめします。

 

自由に離脱できるので、法曹になるか迷っている方も検討してみてください。

 

おわりに

 

いかがでしたか?

 

早稲田大学の法曹コースを利用して司法試験に合格するルートについて、具体的なイメージを持っていただけたでしょうか。

 

興味がある方は、ぜひこの記事を参考に、法曹コースに入ることを検討してみてください!

 

皆さんの法曹になる夢が叶うことを願っています!

 




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ABOUTこの記事をかいた人

19期/早稲田大学法学部1年