はじめに
高校生の皆さんを苦しめるものの1つ、それは定期テストですよね。
「遊びたい!」「ダラダラしたい!」などの欲望を捨てなければならない定期テストには、大学生である私も高校時代は苦しめられたものです。
では、高校を卒業してめでたく定期テストからも卒業できたのでしょうか?
残念なことに、大学生になってもその地獄は続きます。
まだ救いがあるとすれば、大学の定期テストは高校とは良い意味で違うということです。
今回は大学と高校の定期テストの違いについて話していこうと思います。
残りはあなたの志望校に入学したあとのお楽しみということで!
目次
- 1 はじめに
- 2 大学の定期テストあるあるでみる、高校と大学のテストの違い
- 2.1 大学のテストあるある1:明確なテスト期間がない
- 2.2 大学のテストあるある2:教科書などの持ち込みが可なテストもある
- 2.3 大学のテストあるある3:テストを解き終わったら途中で退室ができる
- 2.4 大学のテストあるある4:そもそもテストがない授業もある
- 2.5 大学のテストあるある5:テストの採点基準が全くわからない
- 2.6 大学のテストあるある6:テストの難易度が授業によって全然違う
- 2.7 大学のテストあるある7:テストが年に1回しかない学部もある
- 2.8 大学のテストあるある8:大切なことは高得点ではなく単位が取れるかどうか
- 2.9 大学のテストあるある9:テストに行かなくても怒られることはない
- 2.10 大学のテストあるある番外編:答案には何を書いても点数が来る!?
- 3 最後に
大学の定期テストあるあるでみる、高校と大学のテストの違い
大学のテストあるある1:明確なテスト期間がない
当たり前ではありますが、大学でのテストは一定の期間内で行われます。
テストが行われる日の告知はWebサイトなどで行われるものの、明確なテスト期間開始というアナウンスはありません。
高校であれば、定期テスト1週間前にテスト範囲を発表することなどによって、「そろそろテストが近いぞ!」と意識しますよね。
ですが、大学は基本的に知らなければ本人の自己責任。テストの日程も自分で確認。テスト勉強ももちろん自分で。テスト範囲だって知らされないこともあります(基本的に学期中にやった内容が範囲になるので)。
問題形式を言ってくれる教員や、何も言ってくれない教員など様々で、きちんとお知らせをしてくれる教員を選んでおかないと、そもそも何を勉強したら良いかさえわからないなんてことになります。
テスト勉強は各自に完全に委ねられています。
日頃からコツコツ復習していくスタイルでもよし、前日に詰め込むもよし。
ただ絶対に押さえておくべきなのは、「テストがいつ行われるか」。これだけです。
高校とは違って、大学と部活やサークルが接続していることも少ないので、テスト前に活動しているサークルがほとんどですし、バイトなどをしていればシフトの関係でテスト前日に働かざるを得ない、ということもあるようです。
「テスト期間中」という概念があまりないので、筆者としては前々から計画的に自分で勉強していくのがやはり一番だと思います。
前日に詰め込もうとして、その日にバイトを入れられた……となっては最悪ですからね。
大学のテストあるある2:教科書などの持ち込みが可なテストもある
高校のテストと大学のテストが決定的に違うところ。それは、合法的に「カンニング」ができるテストがあることではないでしょうか。
いわゆる「持ち込み可」のテストです。
持ち込み可というのはその名の通り、テストに参考書などを持ち込んでもOKということです。
これだけを聞くと、「大学のテストって超楽じゃん!!」と思うかもしれませんが、では勉強しないでいいのかというとそんなことはありません。
「持ち込み可=テストが楽になる」という思考には落とし穴があります。
そもそも持ち込みができるテスト自体が少ない
まず、そもそも持ち込みができるテスト自体が少ないことです。
例えば、東大の前期課程のテストでは持ち込みができるテストというのは非常に少ないです。
筆者の体験では、これまでに受けた授業の中で1つしかテストに持ち込み可な授業はありませんでした。
もちろんですが、そのような授業のテストはちゃんと勉強しないと大変なことになります。
持ち込みができるものに制限が多い
次に、持ち込みができるものに制限が多いことです。
持ち込みはできるけど、
- 所定の紙に直筆で書いたもののみ(コピー不可)
- 書き込みがないもの
といった制限がついているテストが多いです。
所定の紙だけOKとなると、その紙に授業内容を全部詰め込めばいいのですが、非常に骨の折れる「作業」です。勉強ではもはやなく、書き写すという単純作業でしかありません。
また、書き込みはなしとなると、持ち込みがOKなテキストであっても書き込みがあるものを持ち込むと不正行為になります。
持ち込めたところでテストが解ける訳ではない
最後に、持ち込み可なテキストはテストに解答する際に「参考」にはなっても、そのまま「答え」になることはほとんどありません。
さらにダメなことに、持ち込みができてもその参考書が参考にならないことだってあります。
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色々と面倒な側面を紹介しましたが、それでもテストに何らかの参考にできるものを持ち込みができるのは高校生にとっては画期的ではないでしょうか?
大学のテストあるある3:テストを解き終わったら途中で退室ができる
これも大学ならではでしょう。大学のテストでは、途中退出が認められています。
もちろんこれは、テストが早く終わってしまった人が時間を無駄にしないためのものです。テストを早々に諦めて帰るためのものではありません。
東大の場合、途中退出自体が認められていない科目もありますが、基本90分以上のテストであればできます。テスト開始後30分後から、終わる10分前まで可能ということになっています。
筆者も結構この制度を使っていますが、テスト終わりの帰宅ラッシュに巻き込まれずにスムーズに帰れるので気に入っています。
一方で、基本大学の机は長机でかつ座席指定なので、真ん中に座ってテストを受ける場合、退室の際に隅に座っている人に一旦どいてもらわないとと答案を提出にいけないので、何か申し訳ない気持ちになります。不要な音も出てしまいますし。
途中退出は他の人の気を散らせてしまいかねないので、その点多少利用しづらい制度なのかもしれませんね。
大学のテストあるある4:そもそもテストがない授業もある
何も大学のすべての授業にテストがあるわけではありません。
レポートで評価をつける、プレゼンで評価をつける、単に授業への出席でつけるなど様々な評価タイプがあり、それらは全て教授の裁量に任されています。
定期テストがある授業は、基本的に大人数制の授業で出席が取れない授業に多いです。
定期テストがない授業は、少数制の授業(ゼミや語学など)に多いです。
それぞれにメリットやデメリットがあり、好き嫌いが人によって全然違いますので、どっちがより自分に適したスタイルなのかは実際に授業やテストを受けてみて出ないとわからないところがあるかもしれません。
定期テストありの授業のメリット・デメリット
授業の内容によってまちまちですが、テストが最後に待ち構えている授業は、基本的に成績がテスト一発で決まります。
授業中に小テストがある授業、宿題を出される授業、出席点がある授業など種類はありますが、その中でもテストが総合成績に占める割合はかなり大きいです。
ですので、容量がいい人はたとえ授業に全く出ていなくても、友達の講義ノートなどを借りて前日に勉強するだけでしっかり点数を取ることだって可能です。
しかし一方で、せっかく全部の授業に出て宿題を出しても、テストがうまくいかなければ単位を落としてしまうなんてこともあります。
テストがある授業は、前日で何とかしたい!という人でも点数が十分取れるテストであり、真面目にコツコツ頑張ってきた人が確実に報われるかというと首肯しがたい授業といえそうです。
定期テストなしの授業のメリット・デメリット
こちらは最後にテストがないということで、日頃の努力が評価されます。
宿題を頑張っていたか、発表をうまくできていたか、出席はしていたかなど色々な観点から成績がつけられます。
ですから、こちらの授業は一発勝負は避けられるためローリスクですが、授業前の準備や授業後の宿題・復習が大変です。
テスト前だけ勉強したい!という人は向いていない一方で、日頃からコツコツ努力していてそれを評価して欲しい人には確実におすすめできます。
大学のテストあるある5:テストの採点基準が全くわからない
大学では、テストが終わる前に授業が終わってしまうことが多いので、テストを受けた後で教授とコンタクトを取ることはそうありません。
つまり、テストの答案を返却されるということもほとんど行われません。
では、テストの点数はどうやってわかるのかというと、テストを受けて後日大学のWebページにログインして確認することができます。
その意味で、全く教授がどうやって、そして何を基準に採点しているのかが全くわかりません。
おそらく高校の定期テストのように明確な採点基準はありませんから、答案を読んで雰囲気で採点していることもありえるかもしれませんね。
大学の授業では、1つの授業を400人が履修するということも少なくありません。
そして、その採点は全てその授業の教鞭をとった教授だけで行います。ですから、400枚の答案を1人で採点することだってよくあることです。
マークではなく論述のテストの場合、全ての答案を同じ基準で採点するなど並大抵のことではありませんよね。
ですから、少ししか勉強していない人が90点を取れたり、逆にとても勉強した人が60点しか取れなかったり、、、
採点上仕方がないのかもしれないですが、基準がわからない以上努力が100%反映されるかはわからないところは、少し残念な側面なのかもしれません。
大学のテストあるある6:テストの難易度が授業によって全然違う
大学のテストは、授業を行う教授が問題を作成するので、その教授の個性によって問題の難易度はかなり変化します。
マーク問題しか出さない教授もいれば、がっつり論述を書かせる教授もいます。
また、授業内容そのままのテストを出す教授もいれば、全く授業で扱わなかったことを問題として出題する教授もいます。
自分が受けたい授業の教授が一体どんなテストを出すのかは、履修を決める前に確認しておきたい事項です。
大学のテストあるある7:テストが年に1回しかない学部もある
テストの難易度の他に、そもそもテストの回数が学部によって全く違うということもあります。
例えば、理系の工学部だと学期中に中間テスト、期末テストと2回あるので、春学期と秋学期合わせて1年で4回の大きなテストがあります。
しかし、文系の特に法学部では、秋学期の期末テスト1回しか行われない、ということもあります。
これだけを聞くと「テストが少ない方が楽だから法学部の方がいいじゃん!」と思ったかもしれませんね。
高校では、3学期制が多いでしょうし、中間・期末に加え学校によっては実力テストもあるかもしれません。となると、1年間に10回ほどの試験を受けることになるでしょうし。
テストが終わればまたテストの高校生にとって、1年で定期テストが1回だけ。まさにオアシスです。
しかし、よく考えてください。
テストが1年で1回しかないということは、1年間の授業内容が全てその1回に凝縮されるわけです。
つまり、範囲がとてつもなく広いのです。しかも、完全に一発勝負。
先を見越して少しずつ勉強しておかないと、直前で大変なことになるのは火を見るよりも明らかです。
その意味で、テストが少ない方が必ずしもいいかと言われると難しいところがあります。
大学のテストあるある8:大切なことは高得点ではなく単位が取れるかどうか
高校のテストといえば、「誰よりも高い点数を」「できるだけ高得点を」という意識を持って学習することが多いでしょう。
学年で成績の順位が出たりなどして、「ライバルに負けるものか」と出来るだけ高得点を目指すものです。
しかし、大学はそれに加えて少し違った見方が必要です。
大学では、得点以上に「単位を取れるかどうか」が重要になってきます。
単位とは、大学において進級したり進学したりするのに必要な通貨みたいなものですが、これの取得が大学生にとっては死活問題です。
東大では、単位はその授業の総合点が50点以上で発給されます。
ですので、テストにおいてはとりあえず最低ボーダーである「50点を上回れるか」が大切になってきます。
- 優上(91点以上)
- 優(80〜90点)
- 良(65〜79点)
- 可(50〜64点)
- 不可(49点以下)
となっています。
「可」までが単位は発給され、「不可」をとってしまうと単位を落としたことになります。
大学では、もちろん「どれだけ高得点を取れるか」という視点も大事ですが、「どうやって最低ボーダーを超えるか」という視点が高校以上に大切になってきます。
その意味で、他人との勝負というよりは自分との闘いになると言えそうです。
大学のテストあるある9:テストに行かなくても怒られることはない
大学ではテストがあっても、もちろん行かないこともできます。
繰り返しになりますが、大学生になると色々なことを自分でこなしていかないといけません。失敗しても自己責任です。
したがって、たとえばテストに寝坊して行けなかったとしても、誰も怒ってはくれませんが、もちろんそのままにしておけば誰も救済してはくれません。
病気だった場合などは、教授に事情を話せば再試という形でテストを後日受けさせてくれるかもしれませんが、寝坊や忘れていたといった言い分は理由にはならないでしょうね。
テストは行かなくてもいい。しかし、テストは当然に0点扱いになりますので、その行かなかったことによる代償は大きいということになるでしょう。
大学のテストあるある番外編:答案には何を書いても点数が来る!?
最後に大学のテストにまつわる少し面白い話をして終わりにしましょう。
皆さんは、テストの解答用紙に料理のレシピや何かの絵を書いたことはありますか?
家庭科や美術であれば話は別ですが、滅多に書かないと思います。
しかし、大学のテストでは何の関係もないレシピや絵を書いても点数が来るかもしれないのです。
先ほども紹介しましたが大抵の大学のテストには、採点基準がありません。
ですから、「何書いても、実はいいのでは…!?」という嘘か本当かわからない話が出回っています。
あくまで伝説ですが、テストの答案としてカレーの作り方を丁寧に1から書いたところ、かなりの高得点がもらえたなんていう話もあります(もちろん授業の内容とカレーとは何の関連性もありません)。
また、他のエピソードととしては、問題が何もわからない学生が答案用紙にデカデカとだるまの絵を書いて
「手も足も出ません」
と書いたところ点数がちゃんと来たとか。
だるまには手と足がありませんよね。テストに手も足も出ないことと手と足がないダルマを掛けたネタが教授にウケたと捉えるべきなのでしょうか……。
ここまでくると答案に何を書いても「ユニークで」「面白く」さえあれば、点数がもらえると考えても良さそう……?
ですが、勉強をきちんとしていれば、授業内容に沿った記述をすることが当たり前。これは過去にあった面白い話という程度でとどめておきましょう。
決して「大学に入学したらテストで面白いことを書いて本当に点数が取れるか試してやろう」などと考えてはいけません。
最後に
いかがだったでしょうか?
最後に知っておいてほしいことがあります。
それはどの教授も「単位を落としてやろう」と問題を作成するわけではありませんので、きちんと授業を聞いて勉強をそこそこにやれば失敗することなどほとんどないということです。
内容が高度になりますので大変ではありますが、大学のテストは自由度が高いです。
テストが多くて大変なのも高校生のうち……と思って、目の前の定期テスト対策をしっかりとやりましょうね!
定期テスト対策のまとめページもぜひ参考にしてみてください!