≪1≫( )に入る形容詞「なし」を適切な形に活用しなさい。
(1)「この木( )ましかば」(徒然草・十一)
(2)人の( )あとばかり悲しきはなし。(徒然草・三十)
≪1≫の解答
(1)なから
未然形接続の助動詞「まし」に接続しているので、未然形になります。
訳:この木がもしなかったならなぁ。
(2)なき
体言に接続しているので、連体形になります。
訳:人のいなくなったあとほど悲しいものはない。
≪2≫( )に入る形容詞「美し」を適切な形に活用しなさい。
(1)「色濃く咲きたる木の、様体( )がはべりしを」(大鏡)
(2)父母を見れば尊し、妻子見ればめぐし、( )。(万葉集)
≪2≫の解答
(1)うつくしき
体言が( )のあとに省略されていると考えられます。よって連体形になります。
訳:「色が濃く咲いている木で、形が美しいものがございましたのを」
(2)うつくし
文末なので終止形になります。
訳:父母を見ると尊く、妻子を見れば愛しく、美しい。
≪3≫( )内の形容動詞を適切な形に活用しなさい。
(1)心おのづから(静かなり)ば、無益のわざをなさず。(徒然草・一七二)
(2)涼風(颯々たり)し夜半ばに、(平家物語)
≪3≫の解答
(1)静かなれ
已然形接続の助詞「ば」に接続しているので、已然形となります。已然形+「ば」というのは頻出なので要注意です。
訳:心が自然と静かであれば、無駄な行いはしない。
(2)颯々たり
連用形接続の助動詞「し」に接続しているので、連用形になります。
訳:涼しい風が爽やかであった夜半ばに、
終わりに
いかがでしたか?
形容詞・形容動詞の活用をしっかり覚えて、ケアレスミスを無くすようにしましょう!