難関大合格のためには、センターの過去問演習は必須
東京大学、京都大学などの難関大学の多くがセンター試験の受験を義務付けています。
また最近ではセンター利用なども盛んになり、早慶上智などの私立でもセンター試験の重要性が高まっています。
難関大合格のためには避けて通れないセンター試験。高得点を取るためには入念な準備が必要です。
センター試験の勉強で重要となるのが、過去問演習。
実際に難関大学に合格していった先輩たちはどのようにしてセンターの過去問を使いこなしていたのでしょうか。
センター試験の過去問にはいつから取り組むべきか
センター試験の過去問にいつから取り組むべきかは、科目によって、また自身の学習状況によっても異なります。
基本的にその科目の出題範囲の学習が一通り終わっていない場合は、過去問に手を出すべきではありません。
ある問題を間違えたとして、その問題が未修範囲のために知識が足りずに間違ったのか、知識はあったがそれを応用できずに間違ったのかが不明確だからです。
その意味では、数学は数Ⅰ・Aであれば、1年次に全範囲の学習を終える高校がほとんどだと思いますので、センター試験の過去問に取り組んでも良いと言えます。
実際に、難関大学に合格した先輩たちはどうだったのでしょうか。
今回は、比較的早期に全範囲の学習が終わる英語・数学・国語の3教科と人によって進度の異なる理科・社会の2教科で分けて、アンケートを実施しました。
英語・数学・国語
高校3年の夏から秋にかけて、本格的に取り組み始めたという回答が多数を占めました。
その時期に始めた理由としては、以下のようなものが挙げられています。
センター試験の過去問対策は、案外時間と体力を使うもの。
部活をやっているとどうしても負担になり、過去問対策に手が伸びなかったという意見が多く寄せられました。
高校では、夏から秋にかけてが、部活の引退時期だと思います。部活の引退を区切りに、センター試験の過去問に本格的に取り組み始めた人が多いようです。
マーク式であるセンター試験の問題は、基礎を確認するにはもってこいの形式。
夏までの実力確認として、センター試験の過去問対策を始めたという意見も、先輩から多く寄せられました。
また意外にもセンター直前期(12月~1月)から本格的に過去問に取り組み始めたという回答も多く集まりました。
理由としては、以下のような意見が。
確かに、センター試験の問題は教科書の基本を押さえていれば正答できる問題が多く出題されます。
難関大学の二次試験といえど、基本を押さえておくことが非常に重要になるので、二次試験の対策をしていれば自ずとセンター試験の対策もできるのかもしれませんね。
またこの時期には、学校の授業がセンター過去問の演習になるという回答も多数寄せられました。
自分の学校のカリキュラムを確認して、センター試験の過去問をどのように解いていくか戦略的に考える必要がありそうです。
理科・社会
英数国に比べ、秋からセンター試験直前期に過去問に着手した人が多いという結果になりました。
学校の進度が遅く、その時期にならないと全範囲を終えられなかったという意見が多数。
一方でこのような意見もありました。
自身で先取り学習を進め、高3の春や夏にはすでに過去問に取り組んでいたという意見も中にはありました。
中にはセンターの受験科目を扱っていない高校もあります。そういった高校では自分自身でセンターの科目を勉強する必要が出てきます。
難関大に合格するためには、学校のカリキュラムを超えて、自身で早期学習することが必要なのかもしれませんね。
センター試験の過去問の使い方
センター試験は傾向に非常に特色のある試験。出題傾向を知るために、複数年過去問を解いておくことは、難関大合格のためには必須と言えます。
しかし、難関大で悩ましいのはセンター試験ばかりにかまけているわけにはいかないということ。
センター試験後には、試験の本番である個別試験(二次試験)が控えています。
難関第合格者は、一体、センター試験の過去問を何年分解き、どのように二次試験の勉強との時間配分をしていたのでしょうか。
何年分解くべきか
難関大合格者の3割が、センター試験を各科目平均で10年分以上解いているという結果に。
このような意見が多数寄せられました。確かに数年分解いただけでは問題の形式の網羅が十分でない可能性が高いです。
10年分ほど解いておくことで、問題形式の傾向も見えてきますし、本番で新傾向の問題が出題されても対応できるようになるでしょう。
また中には、全科目20年分以上解いたという猛者も一定数いました。ここまで来るともはやセンター試験のプロといえそうです。
ただし20年分解いたという人の中には、このような意見もあります。
センター地理などは、どんどん新しいデータに更新されているので特に注意が必要です。
またセンター地理以外の科目も、学習指導要領の改定などで、現在のものとは出題範囲が異なる可能性もありますので、先生にアドバイスを仰いだ方がいいかもしれません。
一番時間をかけた科目
一番時間をかけた科目は国語、次いで英語という結果になりました。
センター試験の国語は、紛らわしい選択肢が特徴的な試験。また時間もタイトなため、センター試験の過去問で演習を重ねたという人が多いようです。
また英語も同様にシビアな制限時間があり、形式が各年度で同一のため、慣れるために数多く問題演習を重ねた人が多いようでした。
センター試験の過去問を解く際に注意すべきポイント・コツ
この項目では、難関大に合格した先輩たちが実際に行なっていたセンター試験の過去問を解く際の注意点をまとめています。
センター試験を解く際には、ぜひ参考にしてください。
実際より短い制限時間で解いてみる
センター試験は、問題量の割に時間が少ないのが特徴の試験。
試験本番では緊張や不安から、普段なら悩まない問題で悩んで時間を使ってしまったり、ちょっとしたミスでパニックになったりしてしまいます。
そういった自体でも、時間内に解き終わるためには普段から少し短めの制限時間内で解く練習をしておくべき、というアドバイスが多数寄せられました。
とはいえ、英語の半分の時間で解く、などは難関第合格者といえどやりすぎです。目安としては各科目5~10分、制限時間を短くして挑むと良いのではないでしょうか。
必ずマークシートを使用する
次に寄せられたのが、必ずマークシートを使って問題を解くということ。
実際にやってみればわかりますが、マークシートを塗りつぶすというのは意外と時間がかかるものです。
普段の問題演習からマークシートと、マークシートを塗りつぶす動作に慣れておくことも過去問を解く際の重要なポイント、という意見が多数寄せられました。
中には、必ずペン先の丸くなった鉛筆で問題演習をし、それをセンター試験用の鉛筆としていたというこだわりを持つ人も。
数点が、合否を分けるセンター試験。こういった細かい配慮も難関大学に合格するためには必要なのかもしれません。
科目によって、復習のやり方を変える
科目によって復習のやり方を変える、という意見も多く寄せられました。
センター試験の科目の中には、1問1問じっくりと復習した方が良いものと、復習はさっと済ませて、問題の傾向に慣れるため多くの過去問をといた方が良いものとの2種類あります。
例えば、国語の現代文であれば、1問1問をじっくりと復習するよりは、要点だけを把握し、すぐに他年度にいった方が良い場合もあります。
間違えてしまう原因の多くが、文章の読み込みが足りないというよりは、文中のどういった箇所に根拠となる文章が隠れているかに慣れていない、という形式への慣れの問題だからです。
また英語も、わからない単語や文法事項はしっかり復習すべきですが、読む速度や解答の根拠となるフレーズを見抜く力は問題演習の中で培われていきます。
一方で、数学などは似た問題が、数値を変更されて出題される可能性もあるため、1問1問じっくり復習するべきです。
センター試験の過去問集はどれを選ぶべき?
今では紙媒体、Webを問わず、数多くの過去問集が世に出回っています。
どの過去問集を、どのように使うか、受験生の問題集を見る目が試される時代になってきているのです。
センター試験は、マーク式のため、記述試験に比べれば問題集ごとの差はそれほどありません。
しかし、やはり自分に一番合った過去問集を使用するのが、難関大合格への第一歩と言えます。
実際に難関大学に合格した先輩たちはどの過去問集を使用していたのでしょうか。
紙の問題集か、Webアプリか
個別の問題集の使用割合を見る前に、紙媒体で見ていたか、インターネットで見ていたかを調査。
なんとxx割の人がインターネットでセンター試験の過去問を見ていたという結果に。
今では東進の過去問データベースやスタディサプリのWebページ、アプリなどで過去問を見ることができます。
最近はインターネットでの勉強もメジャーになってきてはいますが、難関大合格者の中にもこういったものを利用していた人たちが一定数いるというのは驚きです。
紙媒体もインターネットも、あくまでツール。自分にとって最も効率の良いやり方を探すことが重要と言えそうですね。
どの問題集を使用していたか
赤本を使用していた人が6割を超える結果となりました。
センター試験の過去問集の中では、最古参の赤本。まだまだ受験生の信頼は厚いようです。難関大合格者からも「過去問といったら赤本!」という意見が多数寄せられました。
また他の過去問集に比べると値段も少し安めのようです。
一方で赤本に対しては、このような意見も。
予備校が母体となって出版している黒本や青本の方が、解説が充実しているという意見も多数寄せられました。
定かではありませんが、センター試験の解説は大学生のアルバイトが作成しているケースもあります。
解説のしっかりした過去問集を選ぶ目を養うことが、難関大合格には必須と言えるでしょう。
高1・2年生のセンター試験の過去問との向き合い方
さて冒頭ではセンター試験の過去問は出題範囲全体の学習が終わるまでは、手を出さない方が良いと書きました。
それは闇雲にセンター試験の過去問を解いたところで、不安感ばかりが増し、みなさんの役には立たないからです。
しかし、それはあくまで原則。今から書くことをしっかり意識できていれば、センター試験の過去問を解いても大丈夫です。
今学んでいることの大切さを実感する
センター試験では、1・2年生で習うような基礎知識が問われる問題もたくさん出題されます。
早いうちにセンター試験を解くということは、今学習していることがいかに大切かを実感できるチャンスにもなります。
まだ習っていなくて解けない分野は、解かなくても大丈夫です。これは習った!と思うところだけ食らいついて解くようにしましょう。
すると、意外にも「見たことがある」問題が出題されていることに気付くはずです。そして、「見たことがあるのに解けない」問題があることにも気付くかもしれません。
実はそういう問題こそが、知識があやふやであったということをあなたに教えてくれるいい問題です。
このようにセンター試験をただ解いてみるだけで、今のうちからしっかり基礎を固めておく必要性を、身をもって「感じる」ことができます。
基礎固めの大切さというのは、周りからうるさく言われるよりも自分で体感したほうが、確かな意欲へとつながるものです。
過去問演習を通じで弱点発見!
センター試験を今解くことには、もう一つメリットがあります。
今まで気付かなかった苦手分野が浮き彫りになり、今何をすべきかが見えてくるのです。
これは、早めに苦手分野を克服して周りをリードできる、いいきっかけになります。
センター試験というものは思ったよりあなたに近い存在で、今から役に立つものであるということが、少しは分かっていただけたでしょうか。
緊張感を持って取り組む
センター試験の過去問を解く際は、だらだらと解くのではなく、本番と同じような緊張感を持って、解いてみてください。
普段できていた問題が出来ない、公式を度忘れしてしまう、マークミスで大きく減点される…
センター試験本番に特有の緊張感は、恐ろしいほど結果に影響を及ぼします。
それまでの努力が実を結ぶかどうかは、緊張をいかに上手くコントロールするかにかかっているといっても過言ではないでしょう。
本番の緊張感に翻弄されないためにも、学年が低いうちから緊張感を持った試験対策を行っておくことは有効です。
本番を想定する
緊張とうまく付き合うには「緊張の練習」をしないといけません。いわゆる「場慣れ」とは、そういうことを指します。
自分は本番前のいつ頃から緊張し始めるのか、緊張しているときに何が起こるか、それは平常時とどう違うのか、そして、どうやったら緊張を乗り越えられるのか…緊張と自分の関係を観察することから、「緊張の練習」は始まります。本番どおりの環境で問題を解いてみてください。
時間制限を設けることはもちろん、マークシートと鉛筆を使うことも忘れずに。
そして、試験開始まで数分間、問題を見ずに静かに待つ時間も設けましょう。ここで一番、試験会場の緊張感が高まるからです。
この数分間で頭が真っ白になるのが最も恐ろしいパターン。自分の心を落ち着けましょう。これは普段の定期試験や模試でも実践できますね。
試験開始したら、本番だと思って真剣に解き、時間が来たら潔く解答をやめます。解ききれなかった悔しさを心に刻むのです。
そして、自己採点の緊張感も味わいます。自己採点を間違えると受験校の決定に響きますから、これも大切なステップです。
自分の回答を問題用紙に写し忘れたなんてことがあったら大変です。
センター試験の過去問対策にオススメの記事一覧
いかがでしたか? 難関大合格者の過去問対策法は参考になりそうですね。
最後にセンター試験の過去問対策にオススメの記事一覧をまとめてみました。こちらも参考にしてみてください。