【古典文法】推量の助動詞「べし」

≪1≫( )に入る完了の助動詞「べし」を適切な形に活用しなさい。

(1)もろもろの辺地などを加へていはば、際限もある()ず。(方丈記)

(2)必ず来()人のもとに車をやりて待つに、(枕草子・二五段)

(3)「後に」とてもやりつ()ど、(枕草子・二八段)

≪1≫の解答
(1)べから

直後に打ち消しの「ず」がきているので未然形となります。
訳:いろいろな辺びな土地も加えて言うならば、きっと限りない数になるであろう。

(2)べき

後に「人」という体言がきているため連体形です。
訳:必ず来るはずの人のもとに牛車をやって待っていると

(3)べけれ

接続助詞「ど」の前なので已然形です。
訳:「後で」と言って、追い返すことができるですが

≪2≫次の文中にある助動詞「べし」の文法的意味を答えなさい。

(1)手を取り組み、肩を並べて渡すべし。(平家物語・橋合戦)

(2)口開かすべくもなく難ぜられければ、(無名抄)

(3)月の影はおなじことなるべければ、人の心もおなじことにやあらん。(土佐日記・一月二十日)

(4)風情すくなく、心あさからん人の、さとりがたきことをば知りぬべき。(無名抄)

≪2≫の解答

(1)命令

二人称で意味が強いため、命令です。
訳:手を組んで肩を並べて渡らせよ。

(2)可能

「開けることができない」と訳せるので可能となります。
訳:他人に発言させる間もないほど非難されたので、

(3)当然

「…はず」と訳せるので当然です。
訳:(中国でも日本でも)月の光は同じはずなので、人の心も同じことなのでしょう。

(4)推量

三人称なので推量です。
訳:風情な心が少なく、感情が浅い人が(歌の情趣や余情などを)理解しにくいことがきっとわかるだろう。

おわりに

いかがでしたか?

意味が多く、覚えたり判別したりするのが大変ですが、助動詞「べし」は古典文法の基本中の基本。

しっかり覚えて点を稼ぎましょう。




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