三角関数の角度の求め方、三角方程式の解き方
\(sinθ=\frac{1}{2}\)など、三角関数を含む方程式(三角方程式)の解き方を知っていますか。
今回はそのような三角関数を含む方程式について解説します。初めて勉強する人にもわかりやすく解説するので安心してください。
三角方程式は一度解き方を知ってしまえば難しくはありません。
今回はその基本形である、\(sinθ=a,cosθ=a,tanθ=a\)の解き方について説明します。
目次
三角関数の角度を求める【sin編】
三角関数の角度sinを求める①:単位円を利用する
\(sinθ=\frac{1}{2}(0<θ<π)\)という方程式の解を求めてみます。
角度を求める上で単位円(原点中心、半径1の円)を利用します。
三角関数の定義で説明したようにsinθは単位円におけるy座標に相当するということは大丈夫でしょうか。
単位円におけるx座標がcosθ、y座標がsinθに対応します。
今回はこの性質を利用するので曖昧な方は以下の記事で復習すると理解がスムーズになりますよ。
三角関数の角度sinを求める②:sinθ=aのときy=aをグラフに書く
sinθはy座標であるため、対応させるためにsinθ=aを求めるときはy=aをグラフに書き込みます。
今回は\(sinθ=\frac{1}{2}\)であるので\(y=\frac{1}{2}\)を単位円のグラフに書き込みます。
次に単位円と\(y=\frac{1}{2}\)との交点と原点を直線で結び、交点からx軸に垂線を下ろします。
すると三角形が2つできます。この三角形は単位円が半径1であることと、交点のy座標が\(\frac{1}{2}\)であることから辺の比を求めることができます。
今回できた三角形は\(1:\sqrt{3}:2\)の三角形であるため、30°、60°,90°の三角形であることがわかりますね。
最後に範囲を確認しましょう。
θの範囲によっては交点が含まれていない可能性があります。
今回は\((0<θ<π)\)という条件が与えられているのでグラフにも追加しておきます。
以上より、求めるθはx軸の正の向きからの角度なので、30°と150°(=180°-30°)となります。
以上をまとめると三角方程式の解き方は「単位円を描き、y=aの直線を加えて、三角形の比を求めて角度を求め、範囲を確認して当てはまるもののみ答える」となります。
また、三角形の比は有名角のもの(30°、45°、60°など)に限られます。中途半端な比の三角形が出題されることは(求められないので)ありません。
三角関数の角度を求める【cos編】
次にcosθ=aの場合の求め方を解説します。
\(sinθ=\frac{1}{2}(0<θ<π)\)を求めてみましょう。
基本的にはsinθの場合と変わりませんが、cosθは単位円のx座標に相当するところがsinθの場合と異なります。
つまり、y=a(横の直線)ではなくx=a(縦の直線)を書きます。
今回なら\(x=\frac{1}{2}\)です。
実際に単位円を書き、三角形の比から角度を求めてみましょう。
ここでも三角形の比が\(1:\sqrt{3}:2\)であるとわかるので、角度が求められますね。
このようにθ=60°,300°は\(cosθ=\frac{1}{2}\)を満たすことがわかります。
しかし、θの変域を確認すると300°は範囲外にあります。
よってθ=60°となります。
cosの三角方程式もsinと同様の方法で求めることができました。
三角関数の角度を求める【tan編】
最後にtanθ=aのパターンを求めてみましょう。
\(tanθ=-\sqrt{3}(0<θ<π)\)を満たすθを求めます。
tanθ=aを求める際は、点(1,a)と原点を結ぶ直線と単位円の交点がtanθ=aとなるところなので、その角度を求めます。
今回の場合は\((1,-\sqrt{3})\)と原点を結ぶ直線を引きます。
具体的にグラフを描くと以下のようになります。
ここでも三角形の比は\(1:\sqrt{3}:2\)であるので、角度が求められます。
OPを動径とするθとOQを動径とするθがそれぞれ、120°、300°だとわかります。
\((0<θ<π)\)という範囲から答えはθ=120°となります。
三角関数の角度を求めるときは、θの範囲を忘れないこと
それぞれの求め方をまとめると
- 単位円を書いて、三角関数に適した直線を書き込み交点を求める。
- 交点と原点の間に線を引き、三角形の比から角度を求める。
- その際に、θの範囲内にあるか確認する
という手順で三角関数の角度を求めることになります。
慣れてくればこの手順を意識しなくても自然と角度を求められるようになります。
最後にθの変域内にあるかを確認することが忘れられやすいので、きちんと条件を満たしていることを確認しましょう。
三角関数のグラフの書き方についてもあわせて確認してくださいね!