【東大女子 熊本】人の気持ちに寄り添えるように色々な価値観を知りたい。世界を広げようと活動を続ける東大女子!

どうしても行きたかった、留学

―今はニュージーランドのオークランド大学に留学されていますね。

ずっと、自分と違う人ばかりの環境に身を置きたくて、留学に行きたいとは思っていました。ただ、親に心配だからと反対されてなかなか行けなかったんです。
でもどうしても行きたくて、4年生になって大学に願書を出してから親に言いました(笑)。もちろん反対はされたんですけど、自分が大学生活の中で唯一後悔していることだということや、なぜ行きたいのかという熱意を伝えました。
私が自分からやりたいことを親に主張するのは珍しいことだったので、親も考え直してくれて今は応援してくれています。

―実際に留学してみて今どうですか?

とにかく生活に慣れるのは大変でした。意識して日本人の少ない大学を選んだので不安も大きかったです。あと、英語圏に行きたくてニュージーランドを選んだんですけど、英語の訛りが多くて初めは全然聞き取れませんでした。人とコミュニケーションをとれないのがこんなにつらいのかって悩みました。今は友達もできて、楽しく生活できていますけど(笑)。

―留学してみて新しく気づいたことはありますか?

自分と価値観の違う人ばかりに囲まれて暮らしているので、日々気づくことは多いです。中国の子とごはんを食べに行ったときに、「野菜を生で食べるなんてウサギになった気分」と言われたり(笑)。あとは、ビーガンとかベジタリアンとか、そういった日本では一般的じゃない食スタイルで生活している子も普通に周りにいるんだなって知りました。友達になるとそういうスタイルも理解できるけど、それまでは自分と違うものだと距離を取っていた自分にも気づきましたし。

価値観と言えば、今、広告の中のレイシズムやジェンダーについて考える授業を取っているんです。色々なCMが流れるんですけど、私にはどこがジェンダー的に問題なのかわからなかった。でも周りの生徒は反応して意見を言っていました。そういうのを見て、今まで私はレイシズムやジェンダーに対して鈍感だったんだなと気づきました。ちなみに、レイシズムの問題で日本のCMも流れたんですよ。周りの友達はあきれた表情なのに、私にはわからなかった。そういうもので傷つく人がいるということを初めて意識しましたし、鈍感でいてはいけないなと考えるようになりました。

留学中にできた友達と

留学中にできた友達と

 

―これから留学を終えて大学を卒業していくと思いますが、将来どのようなことをしていきたいですか?

今、10代の子がジェンダーとか家族のこととかで悩んだ時に、なかなか人に相談できないような世の中になってしまっていると思うんです。個で分断されているから、1人で悩みを抱え込んでしまっている子が多いんじゃないかな。
だから、そういった悩みをポジティブに支えたいと思っています。「お悩み相談」という形だと相談に行くのに勇気がいるから、エンターテインメントとか楽しいとかそういうことから入って最終的にメッセージを若い人に送れるようなことがしたい。今はその手段を探している段階です。
私自身、高校でも大学でも、他人に悩みを相談するのが苦手だったんです。人に言えない悩みを抱える子って多いと思います。ジェンダーはまだ名前がついているからいいけど、まだ名前もつかないような心の悩みを抱えた子たちもいる。そういう子たちが安らげる場所を作りたいなと考えています。

あとはやっぱり地元への恩返しですかね。自分なりの形でいつか地元へ感謝の気持ちを伝えられたらと思います。

―最後に、これを読んでいる女子高校生にメッセージをお願いします。

高校生の今だったら、将来何にでもなれます。どんな職業にも就けるし、どんな人にもなれる。すべての可能性が広がっているんです。
だから今の段階で、自分はこれができないとかこれが苦手だからといった限界を作らずに、めちゃくちゃ自分の可能性を信じて進路選択をしてほしいなと思います。

様々な価値観を知りたいと、高校でも大学でもアクティブに活動を続ける彼女。実は筆者は彼女と4年来の友人なのですが、ここまでしっかりとした思いを持って彼女が活動していることを今回初めて知りました。いつもふざけあっている友達が、心から尊敬できる信念を持っている。それが東大という場所だと私は思います。

東大女子キャン運営委員会とは?

東大の男女比の偏りに問題意識を持ち、女子高校生に東大を身近に感じてもらうために活動する団体。

女子高校生向けのウェブでの情報発信や東大本郷キャンパスでのイベント開催をしています。女子高校生の進路選択を全力で応援しています!




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