はじめに
数学は東大を受験し合格するためには避けては通れない科目です。それは数学が苦手で文系を選んだ人であっても然りです。
昔は数学が難しく、たとえ得点できなくても他の科目で十分に逆転が可能でしたが、ここ2年ほど易化が急激に進み、数学が苦手でも半分は得点しないと合格は厳しいような状態です。
そんな数学で点数を安定してきっちり取るためにはどのような準備をすれば良いのでしょうか?
今回は現役東大生が、東大文系数学の全てをお伝えしたいと思います!
ぜひ参考にしてみてください!
東大理系数学の記事はこちら!
目次
東大文系数学の概要(大問別配点、目安となるおすすめの時間配分)
ここでは、東大文系数学という試験が一体どんな試験なのかということを様々な角度で説明していきたいと思います。
【東大文系数学】出題形式、試験時間
まず、東大文系数学ではどんな問題が出題されるのかについて解説していきます。
文系数学は大問数は4つです。これは毎年変化していません。
出題の範囲については数Ⅰ+A・Ⅱ+Bから満遍なく出題されます。
また、試験時間は100分です。
この試験時間ですが、スラスラと解ける時は余ることもありますが、1つの問題で詰まったりゆっくりと解いたりすると短いと感じる長さとなっています。
つまり、それほど時間的余裕はないと考えていただいて大丈夫です。
【東大文系数学】出題の傾向、配点
それでは具体的に出題の傾向を見ていくことにしましょう。
問題番号 | 出題テーマ | 出題形式・傾向 |
第1問 | 領域図示 | 関数の最大最小であることもあるが、領域図示・領域の面積を求める問題が多い。例年一番易しい問題であり、ここで落とすと足切りにあう。いわゆる足切り問題としての機能を持っている。(配点:20点) |
第2問、第3問 | 確率、関数の最大最小 | 問題番号が入れ替わることがあるが基本的に、第二問が確率の漸化式、第三問が関数の最大最小の問題が多い。ここでしっかりと部分点がもぎとれるかで、合否が大きく変わってくる。(配点:20点) |
第4問 | ベクトル・数列 | 第四問は毎年絶対に、ベクトルか数列が出題されている。問題として重たいことが多く、ここはどれだけ部分点を取れるかがポイント。(配点:20点) |
実は東大数学は出題される問題が結構決まっています。
大問数は4つと書きましたが、その出題される問題のテーマは限定されており、簡単に紹介すると関数の最大最小の問題、確率の漸化式、領域図示、数列またはベクトルが比較的東大が好んで出題しているようです。
もちろん例外は挙げればきりがありませんが、良く出題されているテーマから優先的に対策することは重要なことなので、頻出のテーマについては知っておいてください。
次は配点についてです。
東大文系数学の試験は、試験時間100分、配点80点の試験です。
東大から正式な発表がないので推測でしかありませんが、大問4つで80点なので、1つあたり20点で採点されていると考えて問題なさそうです。
この試験の特徴は、先ほどお伝えしたように出題テーマがある程度限定されていること、解答用紙は1枚でおおよそB5サイズの空白が4つ用意されていることです。
解答用紙についてもう少し言及しておくと、予備校の模試の解答用紙との違いに注意です。
東大模試では予備校が採点のしやすさから、1枚の紙に大問1問ずつ解答するような形式を採用していることが多いです。
いずれにせよ、解答は白紙に書いていくことになります。
普段何らかの線が入っている紙で学習している人は、完全にまっさらな紙にグラフや表を描く練習、解答を綺麗にバランスよく収める練習は別途しておくことが必要です。
【東大文系数学】合格するための目標点、合格者平均点とは?
さてお次は、東大文系数学では実際にどれくらい得点すればいいのかということについてお話ししていこうと思います。
まず最初に言っておかねばならないのは、ここ例年東大数学は易化が進んでいるため、たった3年前のデータであってもあまり役に立たないということです。
ひと昔であれば、東大数学は特に文系にとって科目としてボーナスであって、取れれば取れるだけ合格に近づける。裏を返せば、みんな取れないのだから数学で失敗しても、他で挽回すれば大丈夫というような風潮がありました。
得点の目安でいうと、半分の40点も取れれば十分と言われていました。
しかしながら、近年は傾向がガラリと変わっています。
問題は易しくなり、結果として合格するには半分なんて取れて当たり前といった状態になりつつあります。
これはデータ的にも正しく、受験者平均点は半分ほどなため、合格者平均はさらにその上をいっている可能性が高いです。合格のためには40点以上を取る必要があるのです。
もう少し具体的にすると、4問中2問を完答し、あとの2問で部分点を稼ぎ、50点〜55点くらい得点できると理想ですね。
別にどの大問で完答するかは自由であり、自分の得意分野で確実に満点を取れるように日頃から意識して学習しましょう。
もちろん数学が得意な方、苦手な方がいらっしゃると思うので、一概に50点を取れとは言えません。
得意不得意で目指すべき点数をまとめたので、参考にしてください。
数学の得意不得意 | 目標とすべき点数 |
得意 | 80点 |
普通 | 50〜55点 |
苦手 | 40点〜 |
表の説明を軽くしておくと、数学が得意だという人は満点を狙いにいってください。私の周りには、たくさん数学を満点、あるいは満点近い点数で合格した人がいます。つまり、決して満点は不可能ではないので、ぜひチャレンジしてみてください。
一方、苦手な人はまずは全体平均点だと思われる半分から少し上を頑張って目指しましょう。最近は他の科目で挽回することが困難になっています。苦手であってもある程度得点する、部分点をもぎ取るような学習を心がけましょう。
ひと昔であれば絶対に自慢できる点数だったのでしょうが、周りの反応は冷たいものでした。
数学苦手は本番までには克服していたつもりだったので、自分自身非常に満足のいかない結果だったとともに、自分のクラスに満点の人がいたり、周りの同期に「50点は少ない」と言われたりとなかなかに悲しかったです。
易化していることが、周りの反応からも伺えましたね。
【東大文系数学】おすすめの解く順番
次は解く順番についてお話ししていきます。しかし、ここではそれほど多くのことを語ることはできません。
なぜなら、問題の難易度によって解く順番は常に変動するからです。
東大の問題は例年であれば、第一問が足切り問題と言われているほど、絶対に落とせない問題なのですが、年によってはこの第一問が難しくて他の大問が簡単だった、なんてこともありました。
このようなときに、第一問はどの大問よりも簡単だという固定観念を持って問題に取り組むのは良いことではありません。膨大な時間をロスして結局解けなかったなどといった結果を招かざるを得ませんからね。
つまりここで言いたいことは、問題を全部見てから解く順番をその度ごとに変えろということです。
数学に関しては、問題を俯瞰して難易度や解くのにかかる時間をなんとなく見積もって、解ける問題から優先的に解いていくことが大切です。
ということで、あなたの主観的で1番取り組みやすそうなところから順に解いていくことをおすすめします!
くれぐれもやっていけないのは、試験が始まっていきなり第一問を解き始めることです。試験が始まったら、問題を眺めることから始めましょう。
【東大文系数学】おすすめの時間配分は?
東大文系数学は大問数4つに対し、試験時間が100分でした。
つまり単純計算で、1つの大問あたり25分検討ということになります。
しかし、実はこれは正しくないのです。
なぜかというと、問題の種類によって時間がどうしてもかかる問題と意外とすぐにできてしまう問題があるからです。
時間がかかっても解ける問題には25分を超えても取り組み続けるべきですし、ささっと片付く問題に25分もかけている暇はありません。
このそれぞれの問題にどれくらいの時間がかかりそうか、ということについても先ほど説明した問題を眺める際に見積もっておきましょう。
東大側も、100分で誰も終わらないような試験をしようとは思っていません。
どこかの問題で35分かかるような問題を出せば、他の問題で15分で解けるような問題を出しているはずです。
それをきちんと判断し、その15分で解ける問題から優先して解くことが大切です。
【東大文系数学】現役東大生おすすめの勉強法~参考書一覧~
ここまでは入試の対策について述べてきたわけですが、実際に何を使って勉強すればいいのかについてはまだ説明していません。
ここでは、筆者が高校生の時に使っていた参考書の中でもおすすめできるものを、演習編・過去問編・番外編に分けてご紹介します!
東大文系数学勉強法:演習編
演習基礎編:シグマベスト
シグマベストは高校数学における最良の入門参考書です。
教科書に書いてある基本的な公式や、その証明ももちろん掲載されている他、演習のページには東大や京大などハイレベルな過去問も掲載されており、まさに教科書のように高校3年間を通して使用することができます。
例えば、東大の過去問を解いている際に公式を忘れてしまったとなれば、シグマベストに戻ってそれを確認し、証明もついでに確認するといった使い方ができますし、一歩基礎に立ち戻って基礎的な演習をすることも可能です。
基本的な参考書でありながら、ハイレベルな内容もきちんと網羅したオールラウンドの参考書であり、全ての東大志望者におすすめできます。
演習基礎編:大学への数学一対一対応の演習
この参考書は、基礎がしっかり定着した人にとって少し骨のあるような問題が揃っています。
単元別に例題と演習問題が載っており、大学への数学らしく大学入試の過去問のなかでも教訓が多く得られる問題を選んで掲載されています。
始めは難しいと感じてしまうかもしれませんが、1回目はわからなくても解答をしっかり読み込んで理解し、2回目でしっかり解けるようになれれば問題ありません。
問題数は少なめですが、1問1問がしっかりした良問となっており、教科書をマスターした人にとっては良い演習教材になるはずです。
ですが、筆者は数Ⅱと数Bしか使用しなかったため、ここでは2つだけ紹介しておきます。
気になった方は数Ⅰ、数Aもチェックしてみてくださいね。
演習応用編:ハイレベル数学ⅠAⅡBの完全攻略
この参考書は大学入試の過去問の中でも、比較的難問と呼ばれる問題を50問集めたような参考書であり、難関大を目指す人が最後に力試しとして購入する類の参考書になります。
ハイレベルという名にふさわしく、結構難しいです。
使い方としては、1番から順に解いていくだけです。
筆者は完答できれば◯印をつけてもう解かない問題に分類し、部分的にできれば△印をつけて答えをチラ見しながら最後まで解き、2回目で完答できるように意識する問題に分類。もし全く手が出ないのであれば、×印をつけて解答を読んで理解し、2回目で答案が何となくイメージできるようになっておくべき問題に分類するといった学習方法をとりました。
2回目以降は、△と×がついたものだけに取り組み、完答できるようになるまで繰り返します。完答できれば、印を◯に変えていきます。
このようにしてこの参考書に載っている50問を完璧にすることができれば、最終的にかなりの力がついていると思います。
たくさんの参考書を終わらせて、数学に自信のある人は手に取ってみることをおすすめします!
東大文系数学勉強法:過去問編
東大数学で1点でも多く取る方法 文系編
東大数学をちゃんと理解する上で、この1冊は必携だと思います。
この参考書は、表題の通りいかに1点をもぎ取っていくかに焦点が当てられています。
掲載されている問題は東大数学の過去問ですが、注目すべきは解答解説です。
この参考書では解答解説は単に問題の答えと当たり障りのない講評がついているといった構成ではなく、その問題をどのように捉えるか、確実に得点すべき問題か捨て問か、問題に対するリアルな講評(落とせない、悪問、東大らしくない、解かなくていい、など)が載ってあります。
さらに、この参考書であれば解答の方針が正しいか、もっといいやり方はないかなどを研究することもできます。
東大数学を研究したい人には、絶対におすすめできる至高の1冊です。
東大文系数学勉強法:番外編
月刊 大学への数学
番外編として紹介するのが、月に1回刊行されている大学への数学です。
こちらの冊子にはたくさんの項目がありますが、中でもおすすめしたいのが学力コンテスト、通称「学コン」です。
この学コンは、ほぼ毎月この冊子に載っている、大学への数学の編集者が考えた数学の問題のことです。
この問題を期日までに解いて投函すると、採点・添削されて、同じくその問題を解いた全国有数の数学好きの中での順位が決まるというものです(答案は返却されます)。
もし高得点を取ることができれば、オリジナルのファイルがもらえたり冊子に成績優秀者として掲載されたりします。
またこの学コンのすばらしいところは、その問題の作り込みです。
文系であればたったの3問なのですが、これがとても難しい。
とても骨のある問題なので、1つの問題に対して一定の結論が出るまでに何日もかかることもあるほどです。ここでいかに数学の思考力をフルに鍛えてくれるかがわかると思います。
おすすめの取り組み方は、数学好きを2、3人集めて一緒に議論しながら解くことです。
いろんな人の知恵や発想力を借りながら、時間をかけて1つの答案を作っていく作業は、普段数学の問題に取り組むときにはまずないような苦労と、そして達成感があります。
数学をじっくりと考えて取り組みたい人や、過去問に物足りなさを感じる人にはぜひともチャレンジしてほしいと思います!
私は受験数学が物足りなくなって高3の10月から始めましたが、もっと早く始めていればなといまだに後悔しています。
大学への数学とはいえども、中学生や社会人も参加しています。
実は私も大学生になった後も、2回ほど学コンをやりました。結果は散々でしたが……
【東大文系数学】過去問の取り扱いについて
次は、過去問の取り扱いについてお話しします。
まずはじめにはっきり言っておくと、過去問は取り組めると感じた段階でどんどん解き進めて構いません。
数学においては、よくありがちな時期という基準で取り組むべきタイミングを決めるべきではありません。
極端な話、高1で数学が得意なのであれば過去問に手を出してもいいでしょう。
なぜなら、数学は本番で同じ問題が出たら確実に解けるようになっておくことが受験勉強の段階での目標なのであり、練習段階で初めから完璧であることは求められていないからです。
1回目では手が出なかったとしても、2度3度と解くことによって解けるようになってさえいれば問題ないと考えると、過去問を大切にとっておく意味はほとんどありません。
実力がまだなくても好奇心で過去問に取り組み始める、でも構いません。とにかく「やるぞ!」と決心できたときこそが過去問演習に取り組むときです。
もし過去問が尽きてしまえば、予備校の予想問題や過去の模試の問題などを漁ってもいいでしょう。たくさんの問題に本番までに触れ、いろいろな解法を習得しておきましょう。
良問は東大の過去問に限らず、他の大学の過去問や模試の過去問にもたくさんあるので、過去問については躊躇わずにガンガン解いていきましょう!
東大文系数学の勉強法・対策法まとめ
さて、最後に東大文系数学を解く上で注意することをまとめました。
繰り返しがほとんどですが、今一度まとめたので参考にしてくださいね。
採点者にわかりやすく、図は必須
当たり前ですが、答案は採点者にわかりやすく書くことが大切です。
せっかく正解であっても、採点者に伝わらず減点になってしまうのはもったいないことです。
採点者にわかりやすい親切な答案には何が必要でしょうか。
それは「答案の方針が書かれてあること」、「図が描いてあること」です。
「解答の方針が書いてあること」については、あとで説明します。
「図が描いてあること」についてここでは説明します。
まず言えることは、図が描ける問題では絶対に図を描いてください。
なぜかというと、式の連続ではさすがの採点者も疲れてしまうからです。式で行なっていることを図でも表すことで、採点者が答案をより視覚的に理解できるようになります。
図を描くメリットは少なくとも2つあります。
1つ目が、自分が今どんなことをやっているかを一目で確認できるということです。
見直しの際や、計算で行き詰まったときに、果たして自分の答案は正しいのかということを図を見てすぐにチェックできます。
さらに2つ目のメリットとして、今はどうか定かではありませんが、図に配点がある可能性があるということです。
つまり図だけでも描いておけば部分点がもらえるかもしれないということです。
ただしこれは迷信であり真実ではないと思いますが、少なくとも図が部分点になりうるほど答案においてとても重要な役割を担っていることが理解できると思います。
残念なことに今は図に配点はないという説が濃厚ですが、ないことによる減点は十分に考えられますので、絶対に描くようにしてください。
設問文はよく読む
設問の文章はなんども読んで確実に理解するようにしてください。
なぜなら問題文をきちんと読解できなければ、問題に必要な要素を抜き出すということができないからです。
私の経験上、数学の問題が解けない人(そもそも苦手という人)の原因の1つとして、問題文を理解できていないということがあるように思えます。
一読して理解できないのであれば2回3回と読むようにし、確実に設問文は理解するようにしてください。
条件をもれなく言い換えているか確認する
数学という教科は、答えを出すための条件が必要最小限しか与えられません。
つまり、条件を1つでも見逃してしまうと問題は絶対に解けないということになります。
これを防ぐためにも、設問文はしっかりと読み込むことや、問題を解いていく中で全ての条件を適切に答案に反映できているかを常に確認することが必要です(もちろん条件を反映できていても、適切にでなければ意味がないことには注意してください)。
問題の条件は全て必要だから記載されています。
ある条件だけ使って問題が解けてしまったとしたら、それはどこかが絶対に抜けているはずです。
例えば変域などは問題文の中では大変地味ですが、書いてある以上最終的な答えに決定的な影響を及ぼすはずなのです。
どんなに細かい情報でも見落とさないように注意しましょう。
Bestな方針を見定める
たとえ、確率の問題では事象を全て書き出せば問題が解けるといっても、全部調べるのは大変面倒ですよね。
このようにいくら解けるといっても、とても時間がかかったりスマートではなかったりする答案はとても良いものとは言えません。
答案を書き始める前に、「果たしてこの方針でやるのが1番楽なのか?」という意識は常に持ちましょう。
Bestな方針で問題を解くことにはいいことがたくさんあって、1つ目に時間が節約できる、2つ目に採点者に好感を持たれる、3つ目にたとえ完答できなくても部分点がしっかりともらえる可能性が高いことが挙げられます。
ただし確率の問題などで、全部書き出すことを絶対にするなと言いたいわけではありません。どうしてもそれしか思いつかないのであれば、腹をくくって実行するべきではあります。
ですが、もし思いつけるのであればできる限り楽なルートを探すようにしましょう。最終的に結論が出なくても、部分点をもらえる可能性が大きくなります。
つまり、確率でいい解き方が思いつかなかったので、全部書き出して一応答えがでたというような場合でも答えがあってさえいれば、効率よく解いた場合と点数は変わらないと考えて大丈夫だということです。
某予備校では、減点があるという風に教えているみたいですが、数学において大切なことは「最終的な答えがきちんと出ること」なのであって、解答プロセスをいかに短く、美しく、効率よくするかではないことに注意してください。
もちろん解答はスマートであることがいいに決まっていますが、別に必要十分ではないのです。
今からすることが何かを答案にきちんと書く
先ほど、わかりやすくて親切な答案の要素として「解答の方針が書いてあること」を挙げましたので、ここではそれについてお話しします。
答案の中に「これからこんなことをやります」という解答の方針を書くようにしてください。
なぜこんなことを書くかについてですが、それは実際に他人の答案を見てみるとわかります。
試しに友達の数学の答案を読んでみてください。
多くの人は解答の方針なんて書いていないと思います。それは自分では何をやっているか頭の中でわかっているので、わざわざそんなことを書く必要などないだろうと思って方針を書いていないのです。
しかし、他人から見たらそれはただの式の羅列。何をやっているかが全くわからないのですね。
採点者も当然他人です。しかもかなり意地悪な他人。
なぜなら、あなたを落とそうと思って、答案の疵を粗探ししてくるからです。
採点者は数学のプロですから、例えばある部分で余弦定理を使ったことなんて絶対にわかりますが、余弦定理を使ったということを明示しなければ、「わざと」何をしているのかわからないといって容赦なく減点してきます。
減点をされないためには、とても丁寧な記述が必要です。その1つとして、方針を書くということです。
「\(x>0\)より相加相乗平均を使って…」、「\(\triangle ABC\)に余弦定理を使って…」、「今からすることは、\(2<x<6\)の範囲での\(f(x)\)の最大値を求めること…」などなど、自分で補うべきと思った方針はどんどん書いていきましょう。
数学なので、文字式や数値計算が勝負だと思ってはいけません。日本語も適度に散りばめることが大切です。
最後に
いかがだったでしょうか。
東大数学はここ数年易化しており、この傾向は続いていくと考えられます。
東大を受けるのであれば、ある程度数学ができる状態になっていないといけません。
数学という教科は大器晩成型の教科です。つまり、点数が取れるようになるまでにとてつもない時間がかかってしまいますが、できるようになるとそれほど努力しなくても点数が取れるようになってくるような教科なのです。
最後にいいたいのは、できるようになる前に数学を嫌いにならないでほしいということ。辛抱強く取り組めば自ずと点数は取れるようになるのが数学です。
問題が解けなくてもできる限り自力で考える。一人でできないなら友達と考える。
日々の考える力が、本番での粘り強さを養っていきます。
みなさんが数学でしっかりと得点し、合格に近づけるよう祈っています。
頑張ってくださいね!
東大の他の科目についても詳しく解説しているので、あわせてご覧くださいね。
この記事は数学が苦手な人が、本番までにどのように対策すれば平均点以上の得点を取れるようになるのかを念頭に置いて解説をしていきます。
ですので、数学が苦手であっても安心して読み進めてほしいと思います!