はじめに
東大国語は一般的に「点差の開かない試験」と言われています。これは、高得点を必ずしも取る必要がないと解釈もできる一方、人並みに得点できないと確実に他の受験生に遅れを取ってしまうということでもあります。
そんな東大国語で安定して得点できるようになるにはどうすればいいのでしょうか?
今回は現役東大生がその全てをお教えします!ぜひ参考にしてくださいね。
目次
東大国語の概要(大問別配点、目安となるおすすめの時間配分)
ここでは、東大国語という試験が一体どんな試験なのかということを様々な角度で説明していきたいと思います。
【東大国語】出題形式、試験時間
まず、東大国語ではどんな問題が出題されるのかについて解説していきます。
東大国語で出題される問題はいたってシンプルです。
文系の場合、第一問が評論文、第二問が古文、第三問が漢文、第四問が随筆、小説(場合により抽象的な評論)となっています。
試験時間ですが、文系は150分です。
この試験時間について少し説明しておくと、この試験時間は非常に長いです。つまり、かなりのゆとりを持って問題を解くことができます。共通テスト国語や東大英語とは一風違った、時間にゆとりのある試験であるということは覚えておいてください。
【東大国語】出題の傾向、配点
次にそれぞれの大問の出題の傾向について、また各大問の配点について確認していきましょう。
今回紹介する各大問の配点について東大からの正式発表はされたものではなく、各予備校のデータを用いた推測値であることに注意してください。
文系は試験時間150分、配点が120点満点の試験です。
特徴としては、東大国語は現代文・古典からの出題であるということです。これは、現代文も古典もある程度得点しないといけないということを意味しています。東大の試験はバランスが大事であり、現代文だけ、古典だけ得意でも合格点に到達するのが難しいようになっています。
また共通テストと比較すると、全ての問題が記述問題であることにも注目するべきでしょう。「〇行で説明せよ」という独特な設問も東大ならではです(1行は30字程度だと考えてください。詰め込みすぎはNGです)。
問題番号 | 問題の種類 | 出題形式・傾向 |
第一問 | 評論(現代文) | 問題数は例年であれば5つ。(一)〜(三)が傍線部の説明問題で2行(60字程度)で簡潔にまとめる必要がある。(四)は100〜120字で本文の趣旨をまとめる問題。(五)は漢字問題で3つ出題される。(配点:40点) |
第二問 | 古文(古典) | 問題数は5つほど。(一)が現代語訳問題で3つ。残りの(二)〜(五)が説明問題で1行のものもあれば3行のものもある。(配点:30点) |
第三問 | 漢文(古典) | 問題数は4つほど。(一)が現代語訳問題で3つ。残りの(二)〜(四)は説明問題や現代語訳問題で、1行〜3行で書かせる。(配点:30点) |
第四問 | 随筆(現代文) | 問題はほぼ毎年、2行の説明問題が4問。文章も問題も抽象的で、ここで点数を取るのは至難の技。(配点:20点) |
【東大国語】合格するための目標点、合格者平均点とは?
先ほど、東大国語は点差があまり開かない試験であるとお伝えしたのですが、実際どれくらい得点できれば良いのでしょうか。
まずは合格者の平均点の推移を見てみると、おおよそ60点台後半から70点台前半の間で毎年推移しています。
一見平均点が高いと思うかもしれませんが、目標点を設定する際には、平均点を「超える」のではなく、平均点を「目指す」ように設定するようにしましょう。
なぜなら、東大国語はそれほど合格者と不合格者との間で点差がそれほど開くものではなく、ちゃんと平均を取ることができればそれで十分合格点だからです。
逆に、平均点から大きく下がってしまうと、他の科目での挽回を行わないと合格は厳しいということになってしまいます。
以上より、目標点は一律70点に設定しておきましょう。もちろん国語が得意だという人は80点を目指してもいいですが、大切なことは失点しないことであって、得点することではないことには注意しておいてください。
そのおかげか、本番では目標の70には届かなかったものの、半分の60点は超え65点を取ることができました。
国語が苦手であっても70点を目指すべき、というのは筆者自身の経験によるものです。
【東大国語】合格するための大問別目標点の目安
では、70点を取るためには各大問で何点ずつ取れればいいのでしょうか?
まずは大問別の得点の目安を表にまとめてみました。参考にしてみてください。
大問 | 得点の目安(満点) |
第一問 | 23(40) |
第二問 | 18(30) |
第三問 | 24(30) |
第四問 | 5(20) |
合計 | 70(120) |
次にこの表のついて説明を加えていきます。
東大国語で点数を稼いてほしい大問は、現代文では第一問の評論文、古典では第三問の漢文です。
現代文は第一問についてはとりあえず半分の20点を取れるように、対策を立てましょう。第一問は毎年評論文ですので、論理がしっかりしており、それをきちんと追えることができれば、問題として難易度は高くないと言われています。
とはいえ、現代文が苦手は人からすれば難しいのは当たり前なので、まずは半分を目指すことをおすすめします。
同じ現代文でも第四問の方は文章の抽象度が高く、したがって難易度はかなり高いのでおまけ問題として捉えてください。1点でも2点でも多く得点することができればラッキーくらいで考えておくと良いです。
さて、古典については古文・漢文もできれば8割を目指してほしいのですが、古文については出題される文章によって難易度にかなり変動があるので、いつでも8割を目指すのには多少無理があるかもしれません。古文は半分の15点以上を目指すようにしましょう。
漢文は毎年負担が非常に少なく、取り組みやすい問題が出題されていますので、漢文は8割の24点を目指してもいいでしょう。もちろん得意・不得意がありますので一概には言えないのですが、漢文は比較的易しいということは知っておいてください。
まずは東大国語で60点は絶対に死守できるような対策を立て、模試などで60点以上で点数が安定するようになったら、目標点の70点を目指すようにするといいかもしれませんね。
目標点の順番の設定などはご自身でご自由にやってみてください!
【東大国語】おすすめの解く順番
ここでは東大国語を効率よく解くための順番について紹介します!
繰り返しになってしまいますが、東大国語については時間が膨大にあるため、実は解く順番を気にしなくても解き終わらないということはまずありません。
しかし、脳の疲労感などによって、解答の質が下がることなどは起こり得るので、なるべく脳に負担のかからない、エコな解く順番をご紹介します。
それはズバリ、第三問(漢文)→第二問(古文)→第一問(評論文)→第四問(随筆)です。
この順番で解くポイントをまとめてみます。
ポイント①:負担が少ない
この順番にした理由として、だんだん重たい文章に取り組んでいったほうが、体感的に脳への負担が少なく済むためということが挙げられます。
これは個人的な感想でしかありませんが、一番あっさりしているのが漢文、その次が古文。文章は長いけれども論理はそれなりに追える評論文が3番目、文章を解読する時点でかなりのエネルギーが必要な随筆が一番重たいと思っています。
いきなり評論文から始めてしまうと、頭を急に働かせることになって疲れやすく感じます。漢文や古文の問題をいわば「ウォーミングアップ問題」として最初に解くことで、スムーズに現代文の読解に入っていくことができるのです。
ポイント②:点数が比較的望めるところから解く
これも個人的な主観ですが、ご紹介した順番は点数が取りやすい順に並べてあります。古典は文章も設問も現代文に比べて文量が少なめなので、取り組みやすく点数も期待できます。
点数が期待できるところを先に解くことで、ある程度の点数はもうすでに取ってあるという意識を持つことができ、その結果精神的に落ち着くことができます。
一方で、難しいところから解き始めると、点数がちゃんと取れているのかわからず、刻一刻と試験終了が迫ってくるので、プレッシャーにプレッシャーが重なり、点数が取れるはずのところでも失点してしまいかねません。
このような精神的に落ち着くという点でも、この順番で解くことは大切です。
ポイント③:第四問はおまけ問題と考える
筆者は第四問はおまけ問題と考えており、第一問から第三問までで60点以上をとっておき、第四問での得点は+αと考えて良いと思っています。
なぜかというと、国語が苦手な人も得意な人も皆等しく点数が安定しないからです。後で詳しく説明はしますが、模試でも本試でも10点取れればかなりラッキーでしょう。
そんな問題を先に解いてはいけません。第四問以外を全部解き終わった上で、残された時間の中でそれなりの答えを出すのが第四問です。
というわけで、第四問は絶対に最後に解きます。
【東大国語】おすすめの時間配分は?
解く順番がわかったところで、それをどのくらいの時間で解いていけばいいのでしょうか?
ここではそんなおすすめの時間配分をご紹介します!
こちらも単刀直入に言ってしまうと、漢文(20分)→古文(25分)→評論文(60分)→随筆(40分)→見直し(5分)がおすすめです。
こちらについてもポイントをまとめてみました!
ポイント①:苦手分野にたくさん時間をかける
東大国語は時間がとにかくたくさんあるので、苦手な問題に対してしっかりと時間をかけることができます。筆者で例を挙げると現代文、特に評論文が苦手だったので、大問1つに1時間も時間を設けていました。
解く順番については概ねどの受験生にも共通してお伝えできますが、この時間配分についてはみなさん自身で得意不得意を考慮しながらアレンジしてみてください。
ポイント②:見直しを絶対に行う
各大問の時間配分は自由に設定してもらって構わないのですが、1つ絶対やってほしいこととして、「見直し」が挙げられます。見直しは、最低5分、取れるなら10分程度かけても良いでしょう。
なぜかというと、自分の答案を改めて読んでみると、日本語になっていない部分が結構見つかるからです。つまり、答えになりそうな箇所を随所で抜き出した結果、文の接続が変になったり、誤字・脱字をしてしまったりということが結構な確率で起こってしまうのです。
答案を作成することに集中しているとなかなか気づけなくても、見直しの時にさっと眺めるだけでそのような変な日本語には簡単に気づくことができます。
凡ミスで点数を落とすなど後悔してもしきれません。凡ミスに気づけるだけで1点、2点点数が変われば、それだけ合格が近づいてきます。
また見直しの際は、答案全体を大改造する必要などはなく、単に文章として答案が自然に読めるのかということだけをチェックするようにしてください。これだけであれば5分もあれば十分チェックができるはずです。
【東大国語】設問別分析と対策
ではここから大問別に問題を分析していくことにしましょう!
したがって、ここでは文章の読み方といった話ではなく、東大国語特有の問題でのみ使えるようなテクニック的な話をメインでまとめています。
注意してほしいのはいくらテクニックを知ったところで、それを活かせるだけの読解力がなければ得点は厳しいということです。
テクニックを知った上で、日々読解力をつけるべく問題演習に勤しんでください!
東大国語対策:現代文
東大現代文は第一問、第四問で文章の種類や難易度が全然違ってきます。
しかし一方で共通していることも多く、それは問題の問い方です。つまり「〜とはどういうことか、2行で」、または「〜と言えるのはなぜか、2行で」という形の出題がどちらも大半を占めます。
「どういうことか」の問題は、傍線部をわかりやすく言い換える問題。一方で「なぜか」の問題は、傍線部の理由部分を本文中から探し、それをわかりやすく説明してあげる問題です。
この時に気をつけて欲しいのは「解答の要素は20〜30字に1つ」という原則です。これは、文字通り加点ポイントが20〜30字で1つであるという原則です。
この原則を東大国語で適用すると、2行(60字程度)問題が多いですから「解答の要素は2〜3つはある」ということになります。
例えば模範解答を見ると、だいたい加点ポイントは3つほどになっていることが確認できます。
つまり、解答根拠になる部分は複数の箇所から探してくる必要があり、直前部をまとめただけのような答案はあまり評価されません。
現代文全体として以上のようなことに注意しましょう。
以下ではそれぞれの大問で注意すべきことについて紹介します!
東大国語対策:第一問(評論文)
これまでお伝えしてきたように、第一問は第四問に比べると比較的点数が取れる問題です。現代文が得意な人からすれば、非常に論理的に文章を読解でき、問題も解きやすいとのことです。
もちろん現代文が苦手な人からすれば難しいのは当たり前なので、それは問題演習で日々読解力を磨いていくしかありません。
そんな第一問におけるテクニックですが、それは2018年度でいうと設問(四)の本文の論旨を踏まえた説明問題(いわゆる要約問題)についてです。
第一問には、100〜120字の要約問題が例年であれば出題されます。この設問はそれまでの設問を総括するような問題になっているという予備校の分析結果が一時期流行りました。
そのため以前は「要約問題は、それまでの設問の答えを繋げて書くだけで点になる」という説が出回っていました。
もし時間がないときは、これまでの設問の解答をうまくまとめるだけで何とかなる、と予備校の先生たちが教え、一時はそれでうまくいっていたみたいです。
しかし、東大側もその情報をキャッチしたのか、幸か不幸か最近はちゃんと要約問題も考えて答えないと点をあげないような問題に進化しています。
現在であれば、設問(一)〜(三)を丸パクリではなく参考にしながら、要約問題を組み立てる必要があるでしょう。
この要約問題は配点が非常に大きいことが予想されるので、模試をたくさん受けたり過去問を解いて先生に添削をお願いしたりして、しっかりと対策をしてください。
現代文はテクニック以前に、練習をどれくらいしたかが重要です。たとえ最初は全くうまくいかなくても、練習を繰り返しているうちにコツを掴んで、ある程度の点数を毎回安定して取れるようになってきます。
さて、ではここまでであまり触れていない設問(一)〜(三)の対策はどのようにすればいいのでしょう?
実はこの第一問の要約問題は、2000年からの新傾向であり、それまでは単に説明問題が設問(一)〜(四)までの4つと漢字だけが出題されていました。
つまり、たくさん説明問題の強化をしたいなら、2000年までの過去問を、要約問題を含めた過去問演習がしたいのであれば、2000年以降の過去問を解けば良いということになります。
もちろんこの対策には27カ年が大変有効です。ただし解答が微妙なことがあるので、やはりできれば学校の先生の添削に出してください。
東大国語対策:第四問(随筆・小説)
東大国語において一番謎が多く、難しい大問です。採点基準もよくわからない、そもそも文章も抽象的でよくわからない。
筆者自身、模試や本番でこの大問をいつも本気で解いていましたが、半分取れればいい方でした。
この第四問では、本文中にはないが答案では補うべき要素というものが多く、たとえ本文が理解できても高得点は難しいのです。
有益な情報がなくて申し訳ないのですが、過去問をたくさん解いて先生に添削をお願いすることが、この大問については一番近道です。
筆者がそもそもこの大問を「おまけ問題」と呼ぶ理由は、筆者が当時高3だった時の国語の教員がそう呼んでいたからです。
高校国語に十数年従事している人でさえお手上げな問題を、我々が攻略するのには多少無理があるのかもしれませんね。
東大国語対策:古典
次に古典について見ていくことにしましょう。
古文・漢文において別々に対策することは少なく、むしろ共通している部分が大半なので、古典としてまとめて対策法をお伝えしていきます!
【東大古典】問題を解く前に絶対にやってほしいこと
古典について絶対にやってほしいことが2つあります。
- まず何よりも先に注を見ること
これは古典の問題を解く時の鉄則ですよね。
注というものは、受験生が問題文を正確に読解するために問題作成者が作ってくれた道しるべです。これを有効活用しない手はありません。
場合によっては、注を見ただけで答えが書けるといったこともあるほどです。絶対に問題文を読み始める前にチェックしましょう。
これは、注に限らずリード文についても同様です。しっかり読みこんで本文を読み始めるようにしましょう!
- 解答に一貫性があるかチェックすること
第一問の要約問題がそれまでの解答を繋げれば答えになることがあったことと同様に、古典についても解答を繋げれば、まるで問題文の要約になっているということがよく言われています。
そこで問題を解き終わった時に、常に「自分の解答を繋げると問題文の要約になっているだろうか?」とチェックすることはいいことです。
もちろん必ずしも要約になっているとは限らないのですが、最低限一貫性だけは確認してみましょう。
「同じ箇所を2つの設問で要素として使ってしまった」などということは、一貫性という観点から考えてみればまず起こり得ないことです。このような解答要素のダブりなどはしっかりとチェックするようにしてください。
【東大古典】問題形式別の解答の書き方
さて、次は問題の種類の紹介と、それぞれの解答テクニックについてです。もちろんテクニックを覚えただけでは点数に直結しませんが、解答をうまく編み出すためのルートとして活用してください!
- 現代語で訳す問題
訳す問題における注意点は、意訳をできるだけ避けることです。東大のことだから美しい現代語訳を期待しているはず、という発想は大間違いです。
訳せという問題が要求しているのは、原文を忠実に言い換える力です。つまり、「細かい助動詞の訳が反映されているか」、「基本的な古文単語についての知識はあるか」ということを試しているのであり、訳すセンスを問うているのではないということです。
多少大げさに「私はここの助動詞の役割がわかっているぞ!!」と、アピールするぐらい露骨に訳すくらいがちょうどいいのかもしれません。
- 理由を説明させる問題
「どうして〜なのか説明せよ」「なぜ〜と言っているのか説明せよ」などという問題が理由説明問題です。
このような問題の場合、原文から理由を述べている部分を抜き出して訳すのが基本なのですが、万が一字数が余る時は、これに加えて傍線部を訳すことが必要です。
これはケースバイケースなので字数との相談ですが、原則は理由部を正しく訳すこと、字数が余れば傍線部もきちんと訳すことを覚えておきましょう。
- わかりやすく説明させる問題
「わかりやすく」という文言が非常に抽象的で、どこまでわかりやすく説明すればいいのかわからなくなることもあるのではないでしょうか?
実は、直前・直後からの抜き出しだけでなく、本文全体からの抜き出しでも不十分なことがあります。これは必要とあれば、きちんと自分で表現を補ってあげることが必要な問題です。
このように聞くと難しいと感じてしまうかもしれませんが、押さえておいてほしいのは、補うところの配点は+αであり、基本は本文中の表現から抜き出して訳せば十分であるということです。
もし自分の解答が本文中の要素だけで不十分だと感じた場合は、自分で積極的に補ってチャレンジしてみることも必要かもしれませんね。
以上が古文全体についての対策になります。
古文・漢文共に単語や句法など非常に基礎的な部分が、東大の入試であっても効いてきます。
点数が思っている以上に取れないという人の場合、そもそも基礎力が不足していることが少なくありません。そのような人は、テクニック以前に文法書や古文単語帳に戻って復習をされることをおすすめします。
基礎力が最後の最後になってボディーブローのように効いてくるので、普段から基礎力が不足していないかを意識して学習するように心がけてください。
【東大国語】現役東大生おすすめの勉強法~参考書一覧~
ここまでは入試の対策について述べてきたわけですが、実際に何を使って勉強すればいいのかについてはまだ説明していません。
ここでは、筆者が高校生の時に使っていた参考書の中でもおすすめできるものを、現代文、古文、漢文で基礎編・応用編に分けてご紹介します!
使い方も併せて参照してみてくださいね。
東大国語勉強法:現代文編
現代文基礎編:現代文読解力の開発講座
この参考書は、現代文をなんとなく解いてしまっている人、現代文が大の苦手という人に確実におすすめできる一冊がこの参考書です。
この参考書は、駿台の有名現代文講師の霜先生が書かれた本で、霜先生流の現代文という科目への向き合い方がよくわかる本となっています。
この参考書は現代文の問題を「解く」というよりは、現代文のできる人の思考回路を「読む」という感じの参考書です。
問題は時々解きますが、その問題の解説や章ごとのポイントを1つずつ押さえていくようなやり方で使うと効果があるように思います。
東大現代文の入門書としてはベストな参考書といって間違いない1冊です。
現代文応用編:上級現代文Ⅱ
現代文がある程度完成したら、この『上級現代文シリーズ』に挑戦してみましょう。
こちらの参考書は現代文上級者向けのものとなっており、収録されている文章はほぼ全て難関国立大の文章から取ってきています。もちろん東大の過去問も改題という形で収録されています。
この参考書の使い方は、初めから解いていくだけなのですが、解説をしっかり読みこんでほしいです。
この参考書の解説はかなり作り込まれており、例えば自己採点の詳細な基準や実際に採点されて、評価までされている生徒の解答例も載ってあります。
過去問を除いてであれば、東大を目指す人にとって最も力のつく参考書の1つだと思います。
東大国語勉強法:古文編
古文基礎編:マドンナ古文
古文の参考書が欲しいとなったら、とりあえずこのテキストの購入を考えてもいいほど、ど定番の参考書です。筆者は高1で使っていました。
筆者はこの参考書で、もっとも有益な情報は何と言っても「助動詞の活用の覚え方」だと思っています。これを知るためにこの参考書を買ってもいいほどです。
高1古文でほぼ100%みんなが苦労することといえば、助動詞の活用といっても過言ではないはず。この参考書はそんな高校古文における第一関門を突破するための呪文が載っています。しかもこれがとても覚えやすい。
筆者はこれをなんども唱えて覚えた結果、高校3年間一度も助動詞の活用で苦労したことはありません。
とにかく古文の文法事項で何か詰まったということがあればすぐに参照できるように、常備しておく至高の一冊です。
古文応用編:最強の古文 読解と演習50
この参考書は古文の参考書の中でもトップクラスの演習テキストになります。古文の読解問題をある程度終えた人が、さらなる高みを目指すのに向いています。
古文の本質を突いた問題が多く、自分が本当に古文を適切に理解しているのかチェックできます。
掲載されている問題はマーク式から記述式まで多岐にわたります。つまり東大古文のみならず、難問センターの対策もできてしまう、まさに一石二鳥の参考書。
豊富な読解問題が掲載されている本書を用いて毎日読解練習を行えば、東大の対策はバッチリです。本書を完璧にすればまさに無敵です。
東大国語勉強法:漢文編
漢文基礎編:得点奪取漢文
漢文の基礎的な問題演習がしたいとなったら、この参考書をおすすめします。漢文がある程度わかってきた人には程よく難しく、ちょうど良いレベルです。
テーマ別に問題が載っており、問題は難しめの模試を想像してもらえると良いでしょう。
得点奪取が素晴らしい点は、河合塾ならではの詳しい解説にあります。
解説の部分では、日本語訳はもちろんのこと、各問題の答えに行き着くプロセス、読解に必要な重要構文、さらには添削された解答例まで載っています。
これだけ解説が充実していれば、たとえ問題が難しいとしても答えを読んで何かを得るということも十分に可能です。
非常に薄い冊子ではあるのですが、巷に溢れる漢文の参考書の中では屈指の優れた参考書となっています。
漢文応用編:東大の古典25カ年
古典の力をもっとつけたいとなれば、やはり過去問演習が効果的でしょう。
筆者の場合、夏休みに古文・漢文の過去問を50年分ずつやりました。それくらい東大古典は早い時期から取り組むことができる珍しい科目です。
もちろん25カ年なので50年分も収録はされていませんが、全部こなせばそれなりに力がつきます。
高3夏には購入し、1日1年分のペースで夏休みに終わらせてもいいかもしれませんね。
その後は模試の過去問などを使うなどできるので、それほど過去問を早くに消費することに抵抗を感じる必要はありません。むしろ十分過去問と戦える力があるのであれば、一刻も早く取り組むべきです。
過去問研究は非常に効果的なので、取り組める段階ですぐにトライしてみてください。
東大国語の勉強法・対策法まとめ
さて、最後に東大英語を解く上で注意することをまとめました。
繰り返しがほとんどですが、今一度まとめたので参考にしてくださいね。
時間配分に気をつける
150分という非常に余裕のある長い試験ですが、時間配分には気をつけましょう。
繰り返しになりますが、漢文(20分)→古文(25分)→評論文(60分)→随筆(40分)→見直し(5分)が筆者のおすすめの時間配分になります。
もちろんこれに縛られる必要はないのですが、筆者なりに負担が少ないと感じた順番ではありますので、時間配分に困っている方は参考にしてみてくださいね。
説明問題はわかりやすく満遍なく
先ほど「解答の要素は20〜30字に1つ」という原則を紹介しましたが、これを踏まえて「1つの解答要素について2行全部使ってしまうな」と私は言いたいです。
1つの解答要素について2行使ってしまい、「何かたくさん書いてあるのだけど中身はペラペラ」という解答を書いてしまうことはよくあることなのです。
しかし1つの要素をいくら詳しく書いても、その要素の点数しか入らず高得点は望めません。
これが「満遍なく」の意味です。本文中からくまなく要素を探してあげることが大切です。
「わかりやすく」とは当たり前ですが、採点官にわかりやすい表現を使うということです。文章中の難しい表現をそのまま使うのではなく、自分なりに解釈してわかりやすい文章で書いてあげると、採点官に好印象です。
どこまでわかりやすくなのかということについては基準は難しいのですが、少なくとも本文中の表現をそのまま使ってはならないということは強調したいです。
あまりチャレンジングすぎる解答は評価されにくいのですが、わかりやすく表現しようとしたということがわかるだけでも積極的な評価をされる可能性が高いです。
補うべきものは必ず補う
東大国語には、本文中の表現だけで解答を書こうとするとどうしても何かが足りないとなることが多々あります。第四問ではあるあるのトピックです。
しかし一方で何か補いたいのだけど、下手に余計なことを書いてしまうと減点されかねないとも考えてしまいますよね。
でも、私が言いたいことは補いたいと思ったら、積極的に補おうということです。もちろん、それを補うことで解答が読みやすくなるのであれば、という条件はつきますが。
これは先ほどのわかりやすさという面でも、また加点のポイントという面でも大切なことです。
ただしたくさん補っていては2行に入りませんから、そこは程よい塩梅というものを普段勉強する過程で習得することが望ましいです。
最後に見直しは絶対に行う
時間配分のところで度々登場していますが、見直しは絶対にやりましょう。試験終了前10分程度を使って見直しです。
この見直しで問題文を読み直すことも、解答全体を直すこともする必要はありません。
ただ、以下の点に留意してください。
- 日本語として解答が読めるか
- 誤字・脱字はないか
- 接続詞は適切か
- 句読点は適切か
- 見やすい字で書かれているか
以上のことをサラッと10分程度で確認するクセをつけておきましょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
意外と勉強の手がかりが掴みづらい国語という教科の全体像が、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
筆者自身、国語という教科にはひどく苦しめられ、入試直前で一番焦って学習した教科でもありました。
今国語を何となくで解いている人は要注意。あとあと点数が伸びなくて、非常に焦ることになってしまいます。
そうならないためにも早い段階から、これまで述べてきたことを意識しながら国語という教科を学習してほしいと思います!
合格目指して頑張りましょう!!
東大の他の科目についても詳しく解説しているので、あわせてご覧くださいね。
筆者自身、受験生の時とても国語が苦手だったので、苦手な人目線でお話ししていきます。点数が低迷している方は必見の内容です!