難関大突破 究める古文の特長とおすすめの使い方・勉強法

【国語の参考書まとめ】大学受験 国語参考書のレベルを徹底比較!おすすめ参考書レビューまとめ・一覧

2019.04.28

難関大突破 究める古文の特長

【究める古文】①古文の情景が自然と浮かぶようになる単語解説

『難関大突破 究める古文』(以下『究める古文』)の最大の特長は、単語解説がしっかりしていることです。以下の文章は究める古文のマニフェストとも言える部分からの引用です。

〈読む〉とは、文字で書かれている本文の内容を映像化するということです。文字を見て、いかに映像化できるか。登場人物の表情や仕草が目の前に現れ、登場人物の声が見こえる。風景が目の前に現れ、風の音がこえる。そして、作者の声が聞こえる。作者が私たち者に何を通りかけたいのか、その主張が聞こえてくる。〈本文〉が映像化され、そして、〈本文〉と対話する。これが、〈読む〉ということです。(原文ママ)

どうでしょう? 普段ここまで考えて古文読解に励んでいる生徒はあまりいないと思います。設問に回答するために直接必要な、最短距離の読解しかしようとしていないからです。

しかしより速く正確に答えるためにはこのような想像力は不可欠でしょう。まさに急がば回れです。

ふつう単語解説というと、せいぜい本文の脇に申し訳程度に添えられている注釈のようなものを想像するかもしれません。

しかしこのようにより深い想像力の涵養を求める究める古文では、単語解説もひと味違います。

例えば「更衣」という単語が本文に出てくれば、皇后や中宮から御匣殿や命婦まで平安時代の後宮の女官についての説明を一括でしてくれます。

また出産から葬式まで平安貴族の一生について冠婚葬祭や生活習慣を概説する章、雨なら涙、奥山なら出家、西なら極楽といったように、ある事象を連想させる可能性の高い単語をまとめて扱った章など、体系的な知識が与えられています。

こうした知識が頭の片隅にあれば、文字情報として与えられている以上の本文把握が可能になり、その先の展開を予測する力が格段に上がります。そうなれば自ずと読解力も向上することでしょう。

【究める古文】②年代順に分かる時代背景

①で説明したように、究める古文では豊富な背景知識があたえられています。

しかし、いくら良い知識を仕入れても、それが知的好奇心を満たすだけになってしまうことは受験生諸君の本意ではないでしょう。

(ちなみに古文で「本意」と言ったら別の意味になります。わからない人は調べてみてください!)

ひとくちに古文といっても、入試問題の出題範囲は平安時代から江戸時代までのおよそ1000年と非常に幅があります。

古典一般に言えることですが、正確な知識を運用するときに大きな問題になるのは、時代ごとに社会システムや文化が変容していてそれゆえに求められる語彙力やその先にある想像力が変わってきます。

そしておそらく究める古文はこのことも意識しているのでしょう。物語、日記・随筆、評論などいくつかの大きなテーマごとにいくつか例題が収められていますが、それぞれ基本的には時代順に並んでいます。

ゆえに前から順番に学習すれば自然と時代を追うようにそれぞれのテーマについて学ぶことができます。

【究める古文】③そこまでやるか⁉︎ 和歌解釈の演習

『究める古文』はとにかく和歌に強いです。

細かい構成については後々改めて説明しますが、全24章のうちの最初の4章は原則篇にあてられています。そしてそのうち1章はまるまる和歌についての章となっています(なんと20ページのボリューム!)。

この章では、枕詞、序詞、掛詞、縁語はもちろんのこと、物名(もののな)・折句・沓冠(くつかむり/くつこうぶり)などマニアックな和歌の修辞法まで説明されています。

10冊以上の過去に使ったことのある古文テキストと比較しても、ここまで和歌について手厚いものはありませんでした。

入試では修辞法についての問いが出題されたり、そもそも理解できないと和歌全体の大意が解釈不能になったりすることも多いです。ぜひ活用しましょう。

難関大突破 究める古文のおすすめの勉強法・使い方

【究める古文】①個別試験の記述対策に

究める古文は全24章構成で、1章20ページのボリュームがあります。24章のうち最初の4章は原則篇で基礎の復習にあて、残りの20章は実践篇でそこで入試レベルの演習を積むという構成になっています。

この構成からも分かる通り、究める古文は一通り古文の基本事項の学習を終えた受験生用のテキストです。

さらにいえば個別試験で記述問題が課される人向けです(つまり文系の国公立・難関私立大志望者向け)。

基本的に本文は入試問題からの抜粋ですが、設問は各章のテーマに合わせて若干変更されていたり、難易度が調整されたりしています。

先ほど究める古文は用語の説明が懇切丁寧だと言いましたが、これは文法事項や分脈把握の説明についても同様です。

模範解答と日本語訳が載っているだけの問題集とは異なり、本文を文法的に読解して意味を理解して回答を作るまでの道筋を論理立てて解説してくれるのです。

【究める古文】②読解の精度・速度を上げることでセンター試験対策にもなる

もちろん大前提として、センター試験でしか古文を利用しない受験生には究める古文をお勧めしません。そもそも残念ながらセンター試験の形式に対応した例題は1題もありません。

しかし全くセンター試験対策に貢献しないかというとそんなことはありません。センター試験と個別試験を全く別物として対策する受験生もいるかもしれませんが、基本的にやることはほとんど変わりません。

どんな問題を解くにしても、正確な文法・語彙力、分脈把握力、そして想像力といった普遍的な能力が基礎となっていています。

あとはただ(制限字数や選択式/記述式などの)回答の表現の仕方が試験によって異なるだけです。

また、センター試験では「選択肢に惑わされる、流される」という受験生も多いかと思います。しかし選択肢がなくても論述式の回答を練り上げる力を養っていれば、いわゆる「受験テクニック」がなくても適切な選択肢を選べるようになるでしょう。

コツは、自分の思い描いた理想の回答に必要十分で合致する選択肢を探すことです。選択肢同士で比較しだすとドツボにはまってしまいます。

【究める古文】③古文の一般教養書としてもタメになる参考書

皆さんは古文を勉強する意味を説明するのに、哲学者のデカルトを引用する参考書を見たことがありますか? 古文の読解には数学的思考法が重要だと説く参考書を見たことがありますか? 

『究める古文』はそのような一見風変わりではあるが、しかし確実に受験勉強にとどまらない教養を皆さんに与えてくれる参考書です。

また本文読解に関わる部分でも、筆者の思想や出自、師弟関係などに踏み込んで説明されているため、問題の回答に必要な量を超えた知識が得られ古文をより深く読む教養が身につきます。

このように究める古文は包括的で体系的な教養を、入試問題を通して実践的に学べる一般教養書といっても過言ではありません。

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2019.04.28




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