はじめに
はじめまして!早稲田大学文化構想学部(以降、文構とします)の1年生です。
この記事を読み始めた人の中には「早稲田の世界史って難しそう……」「一体何を勉強したらいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
ご安心ください。文構では、早稲田の他学部にありがちなマニアック問題が出題されません。基礎さえ固めれば十分に合格可能です。
……と言われても、その基礎固めが案外難しいもの。そこで今回は文構の世界史勉強法を、私の実体験を元に基礎から詳しく解説していきます。まずは私の目標点数の立て方から見ていきましょう!
目次
目標点数と実際の得点
私の場合、もともと暗記がかなり苦手だったため、目標は6割(50点中30点)としていました。
しかし、実際には思っていたよりも点数を伸ばし、過去問演習の時点で50点中37点、本番では41点と大きく目標を超えられたため、もう少し高く設定すべきだったと思います。
さて、私の目標と実際の得点が分かったところで質問です。みなさんは今、どのように目標点数を設定していますか?「設定していない」「適当に決めた」という人も案外いるのではないでしょうか?
そこでここからは私の目標の立て方を紹介していこうと思います。
まず赤本の合計得点欄を見て、「合格者最低点+10」を目安に目標点を設定します。この時、ある程度余裕を持ちたい人は「+20」を目安にしましょう(苦手科目を伸ばせば案外達成できます!)。ちなみに、教科別の最低点は載っていないので注意してください。
全体の目標点が決まったら、次は各教科に割り振っていきましょう。これは自分の得意苦手に合わせて自由に決めて構いません。私の場合「最低点+10」を「英語75点中55点、国語75点中50点、世界史50点中30点」と割り振っていました。
こうすれば、全体のバランスをとりつつ、合格に必要な点数をとることができます!
とはいっても、大学側は配点を公開していないので実際の点数はわかりません。また、最近は私大の定員厳格化や入試制度改革の影響で、合格点が不安定になりがちです。あくまで点数は目安として、一喜一憂することなく、着実に勉強していきましょう。
早稲田 文構 世界史の過去問対策
開始時期と当時の学力
「過去問対策は夏頃から」「冬にはセンターと2次対策のバランスを」
今のネット社会、「過去問 対策」で検索すれば、こうしたアドバイスは山のように出てきます。しかし、せっかく手に入れた情報を活用しなかったのは何を隠そうこの私。
さすがに1月頃に1度手はつけたものの、本格的に過去問を解き始めたのは、なんとセンター試験が終わった後……。
センター本番では84点を取っていたので、過去問を解けるだけの学力はあったのがせめてもの救いでした。
ただ、そもそもなぜ過去問に向かうのをずっと避け続けていたかというと、暗記が大の苦手だったからです。そのため、基礎知識が全く足りず、直前のセンター演習では66点という酷い点数になっていました。
その状態からどうやって早稲田の過去問を使えるレベルに持って行ったのかは、後ほど具体的に説明しましょう。
過去問の使い方
さて、ここまで読んできて「この先輩過去問ほとんどやってないのに、使い方も何も……」と思った方、もう少しお付き合いください。
正直に言いましょう。
私は世界史の過去問を3年分しか解いていません。しかも、そのうち2年分はノートも作らず赤本に直接書き込んでいました。
しかし、それでも私は早稲田に合格しています。
あなたの周りに、「過去問を何年分解いて全てノートを作った」と自慢げにしている友達や先輩はいませんか?
もちろん過去問を解くことや記録を残すことは重要です。しかし、ただ闇雲に取り組めば点数が上がるというものではありません。
過去問=傾向把握のツールです。
何年分解いたか、どれだけ時間をかけたか、ということよりも傾向の把握を優先し、分析結果だけを記録しましょう。
自分は傾向くらい覚えられる、と思っていても、いざ本番直前になると混乱しがちです。併願校が多い場合は特に、問題形式や出題傾向のまとめが重宝しますよ。
また、解説を読んで分からない箇所を調べたりテキストに書き込んだりしたら、それ以外の復習はしなくて構いません。
解き直しや振り返りよりも、メインのテキスト(教科書など)と一問一答で基礎力アップにつとめましょう。
早稲田 文構 世界史の勉強法
文構世界史で1番大切なこと、それは「基礎力」です。
基礎力といえば単語?教科書?
とりあえず、目についたものからやってみる、となりがちですよね。
でも実は世界史の勉強において「順番」こそが1番の鍵。
そこで私が提案するのは「①全体把握、②通史、③単語、④演習」の順です。
次から具体的に見ていきましょう!
実際に使用していた参考書
① 全体を把握する
まずは全体の流れを把握しましょう。「世界史は物語」だと聞いたことはありませんか?
映画でも、全体のストーリーがあるからこそ1つ1つのシーンを楽しめますよね。
単語を覚えることは意識せず、次に挙げる2冊の参考書を1周ずつ読むことで、世界史全体の流れをおおまかに掴んでいきましょう。
『中高6年間の世界史が10時間でざっと学べる』
『教科書よりやさしい世界史』
前者は社会人向けで、歴史全体の流れに注目した世界史復習本。後者は受験生向けで、より詳しく、かつ語り口調でわかりやすいのが特徴の参考書です。
基本的には、まとめ方の異なる2冊を両方読んで理解を深めるのがおすすめですが、時間がない、1冊で済ませたいという場合には『教科書よりやさしい世界史』のみでも構いません。
② 詳しい内容、通史を理解する
全体の流れが把握できたら、次は詳しい内容、通史を理解していきましょう!
ここでは通史を数冊に分けて解説する、教科書代わりになるような参考書をメインテキストとして使います。
最低3回を目安に何度も繰り返し読み、演習中に不足部分を書き込むことでこの1冊に全てを集約しましょう。
『神余のパノラマ世界史』
この参考書は、語り口調と豊富なフルカラー図解が特徴です。わかりやすく、重要度によって強弱をつけた構成になっているので、短期間で効率よく勉強したい人におすすめ!
2次試験対応のものとしては珍しく、2冊だけで全通史を網羅しています。あまりかさばらないので、持ち運びしやすいのも嬉しいポイントですね。
また、文化史がコンパクトにまとめてあるので、文化史頻出の文構にはぴったりです。ただしスペースの都合上写真は少ないので資料集を併用しましょう。
③ 単語を暗記する
さて、次はお待ちかねの単語暗記です!使用するのは一問一答ならどれでも構いませんが、ここでは私自身が使用していた参考書を例に挙げて解説していきます。
『世界史B一問一答』(東進)
早速ですがみなさん、この参考書、なんとなくで使っていませんか?
とりあえず1番優先度の高い星3つを1周して間違えたところに付箋をつけ、付箋がある程度減るまで繰り返したら、次の難易度に……。
結論から言いましょう。それで正解です。
色々考えましたが、結局は王道の使い方が1番効率良く進められます。回数は意識せず、ひたすら付箋がなくなるまで繰り返しましょう。
また、この段階では並行して②の通史復習も行ってください。テキストで読んだ範囲と一問一答で解く範囲が重なるとベストです。この時、一問一答で間違えた単語をテキストにマークしておくと、復習時に役立つので試してみてくださいね。
④ 演習を繰り返す
知識をインプットしたら、今度はアウトプットしていきましょう! ……とそこで問題集に手を伸ばしたあなた、それ、本当に必要ですか?
演習というとつい問題集をイメージしがちですが、先程解説した一問一答、実はこれも立派な演習になるんです。
赤シートで隠しながら自分で答えを考える作業は、よく考えてみるとアウトプットそのもの。私自身、直前期には一問一答を毎日2,3時間くらい取り組んでいました。
というわけで、演習は次に挙げる2つだけで十分です!
『世界史B一問一答』
『早稲田 文化構想 赤本』
教材を絞る代わりに、出てきた疑問は漏らさず調べてテキストに書き込み、1つ1つの質を高めるようにしましょう。
最後に|早稲田 文構 世界史で高得点をとるためのアドバイス
文構の世界史は、基礎的な内容で論述問題もないため、センター対策がそのまま2次対策に繋がります。単語記述はあるものの、漢字の難易度は低く、特別な対策は必要ありません。私大専願でもセンター対策には力を入れましょう。
そして何度も繰り返しますが、文構世界史で1番大切なのは基礎力、基礎力アップに1番大切なのは勉強する順番です。ここまで紹介してきた勉強法を参考に、しっかり基礎を身につけてください。
また、その際に小ワザとして語呂合わせを活用するのもかなり有効です。特に文化史や王朝の順などは覚えれば覚えただけ確実に点になるので、積極的に使っていきましょう。自分で作っても楽しいですし、ネットでも面白いものがたくさん紹介されています。
ともすれば苦痛になりがちな暗記を、楽しく効率の良いものにしてみませんか?
この記事を読むことで、少しでもあなたが合格に近づくことを願っています。