はじめに
書店の過去問コーナーで、背表紙に大学名が書かれた赤本や青本が並んでいるのをよく見ますよね。
知っている方も多いと思いますが、大学受験の過去問には大きく分けて、赤本、青本、黒本の3種類があります。
赤本、青本、黒本はどれを使っても同じだと思っている高校生が多いのではないでしょうか?
しかし、過去問にはそれぞれ違いがあり、どの過去問を使うかによって過去問演習の質が大きく変化します。
そこで今回の記事では、赤本、青本、黒本の特徴・違いと結局どれがおすすめなのかを紹介します。
ぜひ参考にして、効率よく志望校合格に近づける過去問演習をできるようになってくださいね!
目次
赤本、青本、黒本の違い
①赤本の特徴:収録年数は多いが、解説が簡潔
共通テストの過去問
赤本は教学社が出版している過去問集です。
共通テストの赤本は青本、黒本に比べて収録年数が多いことが特徴です。
例えば、共通テスト国語の赤本には、16回分の問題が収録されており、赤本を使うことで過去問演習の量が増えます。
しかも、赤本の値段はとても良心的です。多くの年数が収録されているのに、青本や黒本とあまり変わらない1000円前後で売られています。
ただ、解説はあまり丁寧ではなく、最低限必要な情報が簡潔に書いてあるだけです。
「収録年数が多く値段は安いが、解説が簡潔」というのが共通テストの赤本の特徴です!
二次試験の過去問
二次試験の赤本は大学によって収録年数が異なります。
例えば、東大や京大の赤本には7年分の過去問が掲載されている一方で、MARCHの赤本には3年分しか掲載されていません。
また、国立大、私大含め主要大学の赤本はそろっており、「自分の受ける大学の過去問が手に入らない!」ということはほとんどありません。
特に、難関大学を志望している受験生には、10年〜25年分の過去問集が科目ごとに売られているので魅力的ですね。
しかし、共通テストの過去問と同様、二次試験の赤本の解説も淡白なことが多いです。
②青本の特徴:収録年数や大学は限られるが、解説が充実
共通テストの過去問
青本は駿台が出版している過去問集です。
共通テスト青本の収録年数は赤本に比べると少なくなっています。具体的には、4・5年分しか収録されていません。
一方で、青本の解答解説は非常に丁寧です。特に、理数系の科目の解答解説は途中式まで詳しく書かれています。
さらに、青本は実際の共通テストと同じB5サイズになっており、本番と似た形式で取り組むことができます。
赤本や黒本はA5サイズなので、本番の形式に近づけるには拡大コピーをする必要がありますが、青本はそのまま使えますよ。
二次試験の過去問
赤本と同様、青本も大学によって収録年数が異なります。
例えば、東大と京大では上下巻に分かれており、合わせて10年分掲載されていますが、早慶の青本は3年分のみの収録となっています。
また、青本は一部の大学の過去問しか販売されていません。
具体的には、旧帝大、一橋大、東工大、神戸大、早慶大のみです。
しかし、一般的に青本は赤本よりも解説が丁寧に書かれています。
答えに行き着くまでの過程が詳しく解説されているので、復習がしやすいですよ。
③黒本の特徴:解説が丁寧で、収録年数も多い
共通テストの過去問
黒本は河合塾が出版している過去問集です。
共通テストの黒本は、解説が丁寧に書かれています。
特に、黒本の理科・社会の解答解説では、重要な語句が赤字で書かれているので、問題ごとの重要なポイントが分かりやすいですよ。
また、赤本ほどではないですが過去問の収録年数も充実しています。
解説が豊富で収録年数も多いことが黒本の特徴です!
二次試験の過去問
二次試験の黒本は出版されていません。二次試験の過去問については、赤本や青本を利用してくださいね!
赤本、青本、黒本はどれがおすすめ?
【赤本o青本or黒本】①共通テストの過去問は赤本と黒本がおすすめ!
共通テストは二次試験とは違った特殊な問題形式であり、形式に慣れるために演習量が必要です。
そのため、青本に比べて多くの年度の過去問を収録している赤本と黒本をおすすめします。
具体的には、苦手科目を黒本で取り組み、得意科目を赤本で取り組むのが良いでしょう。
苦手科目で間違えた問題は、黒本の詳しい解説を読んで徹底的に復習してください。
解答の選択肢が正しい理由だけではなく、他の選択肢が間違っている根拠まで深く学ぶことができますよ。
得意科目であれば、赤本の簡潔な解説を見るだけで理解できるでしょう。
ただし、赤本の解説を読んでも十分に理解できなければ、適宜教科書や参考書を参照しながら復習してください。
このように、共通テストの過去問は赤本と黒本のどちらかを、科目ごとに購入してうまく使い分けていくのがおすすめです。
【赤本o青本or黒本】②二次試験の過去問は赤本と青本がおすすめ!
二次試験の過去問は赤本と青本をうまく使い分けるのがおすすめです。
科目によって、分かりやすい解説が赤本か青本か分かれるので、両方確認するのが良いでしょう。
例えば物理では、赤本の解答解説は高校物理の範囲内で書かれていますが、青本の解答解説は大学範囲の微積物理を使って書かれています。
この2つの解説は微積物理を習っているかどうかなど、人によって分かりやすさが大きく異なりますよね。
一度過去問を手に取ってみて、自分にとって分かりやすい方を使ってください。
ただし、記述式の大学の過去問に取り組む際には、赤本と青本の両方を比べながら使用するのがおすすめです。
二次試験の記述問題は大学が模範解答を出していないので、過去問の解説が100%合っている保証はありません。
いろいろな解説の答えを見比べることで答案に必要な要素が分かりますよ。
実際に、難関大に合格した先輩からは、複数の過去問の解答解説を見比べながら使っていた、という声が多く寄せられました。
二次試験の過去問は、赤本、青本をうまく使い分けていく、または、両方使っていくのが良いでしょう。
おわりに
過去問には種類ごとに大きな違いがあることがお分かりいただけましたでしょうか?
志望校合格をつかみ取るために、どの過去問を使うべきか考えてみてくださいね!