はじめに
高校生のみなさん、鉄緑会という塾を知っていますか?
実は、東京大学理科三類の学生のほぼ半分は鉄緑会出身です。
しかし、鉄緑会の実態は謎に包まれており、実態はあまり知られていません。
この記事では、鉄緑会の基本情報から授業の様子までを紹介し、鉄緑会の全貌を明らかにしていきます!
鉄緑会ってどんな塾?
【鉄緑会の特徴】①東大の合格実績がすごい
鉄緑会は、東京本校と大阪校の二校があり、東京本校は代々木、大阪校は梅田に所在します。
2022年度の合格実績は、東京本校だけで東京大学452名・国公立医学部323名となっています。
特に、東京大学理科三類の合格実績は44名/100名(定員)で、理科三類の約半分が鉄緑会出身となっていますよ。
ものすごい合格実績の鉄緑会ですが、入るには厳しい入塾テストを受験する必要があり、合格した人しか入塾できません。
まさに、鉄緑会は東大合格を目指す精鋭が集う塾と言えます。
【鉄緑会の特徴】②授業進度が早く、宿題も多い
鉄緑会は普通の塾や学校よりも、早いカリキュラムで授業が進みます。
たとえば、数学では中1で中学3年間の範囲を全て終わらせ、中3までに高校範囲を全て終わらせるカリキュラムです。
高校の3年間は応用問題を中心に扱い、3年間かけて東大対策をみっちり行います。
ただし、授業進度が早いため宿題は多く、科目や授業にもよりますが、多いものだと週に6時間程度かかるようです。
宿題をこなさないと、授業の復習が間に合わず、どんどん授業に置いていかれる可能性があるので、入塾するには覚悟を持って勉強する必要があります。
【鉄緑会の特徴】③模試の成績優秀者は選抜クラスに入れる
鉄緑会は学力別にレギュラークラスとオープンクラスに分かれています。
レギュラークラスは、鉄緑会校内模試で優秀な成績を取った人のみが入れる選抜クラスです。
英数の場合、レギュラークラスは上からA,B,Cにクラス分けがされます。理社も校内模試の成績によって、クラス分けがされます。
レギュラークラスに入るために、校内模試では熾烈な競争が行われているようです。
鉄緑会出身の東大生に聞いた!鉄緑会の実態
ここからは実際に鉄緑会に通っていた東大生に、鉄緑会の実際の雰囲気を聞いてみました。
【鉄緑会の実態】①小テストが多く、レベルの高い授業
Q1:授業はどんな感じでしたか?
鉄緑会の授業は基本的に英数が3時間で、他の科目が2時間となっており、一般的な塾よりも長いです。
これに加え、ほとんどのクラスで30分程度の延長が行われ、中には1時間も授業が延長するクラスもあると聞いたことがあります。
延長前提でカリキュラムが組まれているのではないかと思いたくなるくらい、授業内容も時間も多かったです。
最初に「授業の延長はしない」と約束した先生も、結局授業を延長していましたね笑
授業は高2までは全科目講義中心で、高3からは演習中心になります。
授業のレベルは高く、高1でも京大などの難関国立大学の問題を扱います。そのため、途中で挫折してしまう生徒も多かったです。
Q2:小テストなどはありましたか?
テストが授業内に毎週あったので、授業に出席するモチベーションが生まれました。
他の塾は、90分間ずっと講義であることが多いですが、鉄緑会では授業時間中にテストがあったので勉強を続けやすかったです。
日々の単語テスト、計算テストに加えて、復習テストや総復習テストも行われていました。
【鉄緑会の実態】②先生との距離も近い、和気あいあいとしたクラス
Q3:通塾する人の出身高校・男女比について教えてください。
塾に通っている人は、開成、筑駒、麻布、桜蔭といった難関中高一貫校の生徒が多いです。
ただ、入塾テストに合格すれば、どこの高校に所属していても入れるので、有名中高一貫校に通っていない学生も少なくなかったです。
男子校、女子校に通っていて学校内で出会いがないのか、鉄緑会で会ったのをきっかけに付き合う人もいましたね。
Q4:鉄緑会の先生について教えてください。
鉄緑会の先生は、東大生であることが多く、社会人プロ講師が授業を行う一般的な予備校に比べて、先生と生徒の距離は近いと感じています。
授業のリアクションペーパーで先生とやり取りをしたり、授業後の質問対応時間に雑談したりしていました。
休み時間に講師室に遊びに行ったり、お土産をプレゼントしたりする生徒もいましたね。
人気のある先生だと、クラスで誕生日会を開いて祝うこともありました笑
Q5:クラス分け校内模試に向けての生徒の雰囲気はどうでしたか?
クラス分けが行われる校内模試に向けて敏感になっている生徒は多く、特に選抜クラスであるレギュラークラスを目指す人はより勉強に精を出していました。
特に、高2の12月に行われる模試は「クリスマス模試」と呼ばれ、「上のクラスに上がれば7割志望校に受かるが、下のクラスに行くと3割しか受からない」という噂があり、鉄緑会の一大イベントとなっています。
レギュラークラスには頭の良い人が集まるので、総復習テストの平均点ではオープンクラスに比べて20点以上高くなることもありましたね。
しかし、レギュラークラスではオープンクラスよりも多く宿題が出されたり授業が延長されたりするため、レギュラークラスに入れるのに辞退してしまう生徒もいました。
鉄緑会に通うメリット・デメリット・向いている人
インタビューで分かった鉄緑会に通うメリットとデメリット、鉄緑会に向いている人を最後にまとめます。
鉄緑会に通うメリット:周りから刺激を受けられ、自然と勉強習慣がつく
鉄緑会に通うメリットは、勉強習慣がつくこと・刺激を受けられることの2つです。
勉強のモチベーションが高い人が周りにいるので、自分も頑張ろうと思えるのだと思います。
また、先生も東大生で優秀な人が多く、プログラミングの達人や地中海古典語に通じる人など勉強に限らない何らかのスキルを持っているそうです。
そうした優秀な先生の下で学習し、知的刺激を受けられる点で、他塾とは大きく異なると言えますね。
鉄緑会に通うデメリット:宿題が多く、勉強が大変
一方、鉄緑会のデメリットは、噂の通り勉強が大変なことだと思います。
ある程度勉強ができないと、授業についていくことができないうえに、多くの宿題をこなせないという不安要素がありますね。
さらに、授業の延長も多いため、ある程度時間に余裕がある人しか通えないのではないかと感じました。
鉄緑会に向いている人:勉強が嫌いじゃない人
鉄緑会に向いている人はズバリ、勉強が苦ではない人です。
鉄緑会では多くの宿題が出されるため、勉強が嫌いな人だと継続して鉄緑会に通うのは厳しいと考えられます。
勉強が嫌いではないなら、周りに学習意欲が高い人が多いので、一緒に勉強していて楽しいと感じられると思いますよ。
また、塾生は勉強のやる気があるという前提があるので、鉄緑会にはやる気を鼓舞するような熱血講師がいません。よって、元々勉強のやる気がない人には向いていないと思います。
カリスマ講師の授業を受けてモチベーションを上げたいのであれば、河合塾や駿台、東進といった大手予備校を検討してみるのが良いでしょう。
おわりに
いかがでしたか?
この記事を読んで、鉄緑会の実際の様子を想像していただけたでしょうか?
大学受験を左右する塾選び、いろいろと探して自分に合った塾を見つけてくださいね。