はじめに
共通テスト物理で思うように得点が伸びない高校生は多いのではないでしょうか?
共通テスト物理は二次試験と大きく問題傾向が異なるため、共通テストに特化した対策が必要です。
今回は、共通テスト物理で93点を取った私が、共通テスト物理で9割取るための勉強法と解き方を紹介します。
ぜひ参考にして、安定して9割取れるようになってくださいね!
目次
共通テスト物理の特徴
【共通テスト物理の特徴①】選択問題の廃止
センター試験では選択問題がありましたが、共通テストでは選択問題がなくなり全ての問題に解答しなければならなくなりました。
これまでは選択問題だった「原子」分野に、必ず解答しなければなりません。
原子分野は、高校3年生の終わり、つまり受験直前に習うことが多く、二次試験でも出題されることが少ないので、勉強が遅れがちな高校生も多いです……。
しかし、共通テスト物理では、2021年から2年連続で出題されているので、原子分野への対策が必要です。
共通テスト物理で安定して高得点を取るためには、全ての分野を満遍なく勉強し、苦手分野をなくしていく必要があります!
【共通テスト物理の特徴②】思考力を要する問題の出題
ただ法則を当てはめて解く問題が多かったセンター試験から変わり、共通テストでは与えられたグラフを読み解く問題や、正しく実験結果を表すグラフを選ばせる問題なども出題されるようになりました。
グラフの問題を解くためには、さまざまな法則や知識を複合させて解く必要があり、思考力が求められます。
加えて、先生と生徒、生徒どうしの会話など、会話形式の問題も出題されるようになりました。
会話文から問題を解くのに必要な情報を抜き取り、問われている物理的背景を読み取る必要があります。
必要な情報を抜粋して読まないと、時間内に全ての問題を解き切るのは難しいです。
このような思考力を要する問題が出題されるという点で、共通テストはセンター試験より難易度が上がったと言えます。
共通テスト物理で9割とるための勉強法
【共通テスト物理の勉強法①】法則を深く理解しよう
共通テストでは、二次試験でほとんど使わない法則に関連した問題が出題されることがあります。
例えば、電流がつくる磁界の強さの公式
・円形コイルが作る中心の磁界の公式\(H=\frac{I}{2r}\)
・ソレノイドコイルの内部の磁界の公式\(H=nI\)
は二次試験でほとんど見られませんが、共通テストでは出題されることがあります。
難しい問題を解くときにはあまり使わない法則でも、教科書に載っているものは全て漏れなく覚えておくことが大切です。
また、法則を丸暗記するのではなく、「法則が表す物理的現象の意味」や「どういう条件下においてその法則が成り立つのか」まで理解することが重要になります。
実際、2021年の共通テスト物理では、法則を使って答えを求めるのではなく、問題の状況で法則が成り立つかどうかを聞く問題が出題されました。
普段の問題演習の中でも、法則を当てはめるだけではなく、法則が成り立つ根拠やその法則を使う理由まで考えましょう!
【共通テスト物理の勉強法②】身の回りの現象の物理的背景を知ろう
共通テストでは、身の周りの現象を題材にした問題も出題されるようになりました。
例えば、2021年にはダイヤモンドがキラキラ光って見える理由を考察する問題が、2022年には買い物のショッピングカートの動きを考察する問題が出題されています。
身の回りの現象を題材にした問題でも、基本的な物理知識を組み合わせたり、応用したりすれば問題なく解けますよ!
前もって身の回りの現象の物理的背景を知っておくと、問題の状況をスムーズに理解しながら問題を解けるようになります。
教科書のコラムや物理資料集には、身の回りの現象を物理で考察する例が載っています。
時間があるときに読んで、物理知識を身につけておくと良いですね。
私は共通テスト1ヶ月前から、教科書のコラムを一通り読み、物理資料集を眺めたりする時間を1日20分くらいとって、毎日コツコツと物理知識を身につけていきました。
私が使っていた資料集は『物理図録』(数研出版)です。
この資料集は、デザインがとても綺麗な上、内容が面白く読んでいて飽きないので、楽しく物理知識を身につけることができました。
みなさんもコラムや資料集を読んで、物理知識を身につけてくださいね!
【共通テスト物理の勉強法③】演習を重ねよう
共通テスト特有の問題形式に慣れるために、過去問を解く必要があります。
しかし、共通テストは始まったばかりで、形式に慣れるために十分な量の過去問がありませんよね。
そこで、演習量を補うために、共通テスト予想問題集もしくはセンター試験の過去問を使うのがおすすめです。
共通テスト予想問題集は、共通テストに似た問題で演習を積むことができます。
私自身は共通テスト予想問題集を使っていませんでしたが、共通テスト予想問題集はかなり高い精度で作られているのでおすすめです。
実際の共通テストよりもやや難しめに作られているので、共通テスト本番が難化した時にも対応することができます。
さらに、センター試験の過去問も共通テストと似ている形式なので、共通テストの演習量を増やすのに使えますよ。
私はセンター試験の過去問を5年分解きました。
センター試験の過去問を解いた後は、解き直しをしっかり行い、なぜ間違えたか、どのような物理知識があれば正解できたかについて考えながら復習していました。
多くの演習を積む時は、量だけではなく質も意識することが大切ですよ。
ただし、センター試験は共通テストより少し簡単なので、より高い得点を目指して取り組んでくださいね。
問題演習を通して、共通テストの形式に慣れていきましょう!
共通テスト物理おすすめの解き方
【共通テスト物理の解き方①】大問1つにつき12分の時間配分
共通テスト物理は、試験時間60分・大問4問の構成になっています。
1つの大問につき約12分で取り組み、残りの10分で見直しをするのがおすすめです。
途中、行き詰まってしまう問題があっても、少し考えて分からなかったら飛ばし、最後に余った時間でもう一度考えてみましょう。
難しい問題で立ち止まって最後まで解き終わらないよりは、とりあえず全て解き終わらせることを目標にした方が全体として点数が高くなりますよ。
さらに、少し時間をおいて難しい問題を考え直すことによって、新たな解き方に気づくかもしれません。
どのようにすれば最も高い点数を取れるかを考えながら、自分に合った時間配分を見つけていきましょう!
【共通テスト物理の解き方②】図に情報をどんどん記入
共通テスト物理では、問題文中に図が与えられることが多くなりました。
図が与えられた時は、問題文中に書かれている重要な情報をどんどん記入していくのがおすすめです。
図に情報を全て整理することで、問題文をいちいち見直す必要がなくなり時間の節約になる上、問題の解法にも気づきやすくなります。
ただし、問題で与えられた図が複雑な場合は、自分で余白に簡単な図を書いて整理するのも良いでしょう。
例えば、図が3次元でわかりにくい場合や、図の情報量が多すぎて書き込んでいくと読み取りにくくなってしまう場合などです。
共通テスト物理の余白は少ないですが、スペースをうまく活用して、自分にとって分かりやすい形で情報を整理していってくださいね。
【共通テスト物理の解き方③】物理量の次元チェックで見直し
共通テスト物理では全ての問題を解いた後に、計算ミスがないか、見直しを行うのが良いでしょう。
なぜなら、ある程度複雑な計算を要する問題が出題されるため、何かしらの計算ミスをしている可能性が高いからです。
問題の解き方や流れは分かっているのに、計算ミスで失点してしまうのはもったいないですよね。
見直しは、「次元チェック」を行うのをおすすめします。
次元チェックとは、数字ではなく単位だけを計算することで、自分の計算結果が合っているかどうかを確認する方法です。
例えば、物体の速さを求める問題で\(\sqrt{3gh}\)が答えになったとします。(重力加速度:\(g\) 高さ:\(h\))
重力加速度\(g\)の単位は\(m/s^2\)、高さ\(h\)の単位は\(m\)なので、単位だけを計算すると、\(\sqrt{m/s^2\times{m}}=m/s\)になります。
単位の計算結果が求めたい速さの次元と一致しているので、合っている可能性が高いと判断できますよね。
逆に、次元チェックを行って、単位が間違っていれば、必ず何らかの計算ミスをしていると言えます。
次元チェックを使って、短時間で効率良く見直しを行っていきましょう!
おわりに
共通テスト物理は、対策次第で安定して9割取ることができます。
さらに、共通テストで身につけた法則の深い理解や背景知識は二次試験でも大いに役立ちます。
コツコツと演習を重ねて頑張ってくださいね!