文理選択に迷う高校生から寄せられたQ&A

Q1文理選択はどう決めると良いのだろう?

多くの高校生にとって最初の「進路選択」となる文理選択。

「数学が苦手だから文系」、「文章が書けないから理系」、そんな消極的な理由であなたの将来を左右するこの選択をしてしまうのは言語道断!

文理選択で失敗しないためには、1歩先に進んで大学・学部・学科まで調べてみることが重要です。

進路指導室や書店にある大学紹介の本を開いてみましょう。

文系・理系の代表的な学部は次の通りです。

文系:法学部、経済学部、経営・商学部、社会学部、文学部、外国語学部など
理系:理学部、工学部、農学部、医学部、薬学部など

しかしこのどちらにも分類できないようなところも結構あります。

どちらでもない学部:芸術学部、教育学部、人間○○学部・情報○○学部といった総合系学部など

これらの学部の中から自分の行きたいところを選び、そこで課されている入試科目で文理選択を判断するのが理想的です。

文理選択について詳しくまとめた記事も合わせてご覧ください。

文理選択のススメ~人生設計試験必答問題~

2020.10.01

Q2それじゃあ、学部はどうやって選べばいいの?

三つの方法を紹介します。

1.学びたい学問から選ぶ

日本文学や物理学がやりたいという人はあまり迷うことはないと思いますが、例えば「環境問題」について勉強したい場合、環境工学や環境化学のような理系分野からのアプローチもあれば、環境法や環境経済学のような文系分野からのアプローチもあります。

同様に「スポーツ科学」に関しても運動生理学、スポーツ文化学といったように文理両方に研究分野があります。

このように複数の分野で研究対象となっている学問も多いことに注意してください。

多くの大学では学部、学科、さらには研究室の単位でホームページを設けて研究内容を公開しています。

自分にピッタリなことをしている先生が見つかればこれ以上ないモチベーションになります。

2.取得できる資格から選ぶ

医師免許なら医学部医学科、薬剤師なら薬学部というように、特定の学部を卒業しないと必要な資格が得られない職業があります。

一方、教員免許は教育学部以外の学部でも取得できるカリキュラムが組まれているところが多いです。

この他にも博物館で勤務するための学芸員資格や、栄養士資格など大学で取得できる資格は多いです。

無目的になりがちな大学生活においては、資格の勉強に励むのも有意義なことです。

高校生向けの資格・大会について詳しくまとめた記事も合わせてご覧ください。

勉強は入試のためだけ?チェックすべき高校生向けの資格・大会

2020.10.11

3.得意科目を活かせる分野を選ぶ

特になりたい職業もなければ興味のある学問もない。

そんなあなたは得意科目が活かせる分野を探してみましょう。

例えば、数学が得意だったら必ずしも理系向きというわけではありません。

数学の知識は、一般的には「文系」とされる経済学や経営学で大きな威力を発揮しますし、情報科学のような学際的な分野でも必要とされます。

逆に数学が不得意でも、生物学のようにそれほど数学の素養が必要とされない分野もあるので、受験を乗り切れば理系学部で勉強していくことは可能です。

Q3文転・理転はできる?

成績の伸び悩みや興味のある分野が変わってきたことで、文転・理転を考えている人もいるかもしれません。

一般的には文転より理転の方が難しいと言われていますが、これは理系科目の内容を習得するのに時間がかかるためです。

入試でどうしても必要な科目がある場合は浪人して勉強し直すのも1つの手ですが、私立大学などでは受験に必要な科目が少なくなるので、独学で転向することも不可能ではありません。

ただし、最近は上記のような文理どちらの科目でも受験できる学部学科が増えつつあります。

つまり、大学に入ってから文転・理転するチャンスがあるのです。

闇雲に独学に走ることなく、高校の課程を第一にしましょう。

ちなみに知り合いには、高校時代理系→1浪時代に文転→2浪時代は第一志望だけ理系受験で併願校は文系受験→大学では理系学部にいながら経済をしている、というとてもややこしい経歴の人もいます。

文転について詳しくまとめた記事も合わせてご覧ください。

【東大】本当に大変!文転のデメリット・アドバイスを経験者が徹底紹介

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Q4文系に行ったら数学とか理科はやらなくていいの?

文系だから理系の知識は必要ないということはありません。

もちろんその逆もまた然りです。

文系でも、先程述べた経済学部に限らず、数学で培われる論理的な思考力や計算能力は大事ですし、理科を通して最先端の科学の知識を理解しておくことも重要です。

理系でも、国語で培われる読解力や文章を書く能力は無視できませんし、地歴公民を通して社会情勢やその背景は知っておく必要があります。

また、今の時代、英語は海外に行く場合はもちろんのこと、論文や記事を読み書きするときにも必要になってきます。

英語が読めないと必要な情報すら手に入らないことだってあるのです。

「文系」「理系」という区別は絶対的なものではありません。

ここまで述べてきたように最近は「学際化」が進んでおり、環境問題のように文系・理系の知識だけで解決できない問題も多くなっています。

それに限らず純粋な「文系」「理系」と思われていた分野でも双方の素養が必要な場合も出てきます。

これは大学だけの話ではありません。

例えばある企業で、研究開発をしている「理系」の人は、その研究の重要さを周囲の人に伝える表現力がなければ正当な評価はしてもらえません。

逆に、その企業の管理職に就いている「文系」の人は、研究の内容を理解できなければ適切な研究費を提供することができないのです。

どちらの素養が欠けていても、その企業が発展していくことは考えられませんね。

どのような分野に進むにしても、バランスのとれた「文理融合」したセンスが求められていることを心に留めておいてください。




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