はじめに
古典の世界は今の世界と違うところが多くてわからない、想像できないと思っている人はいませんか。
私自身、古典の勉強はそこそこやっているはずなのにどうしてできないのだろうと悩んでいました。
そこで古典漫画の登場です!
「でも古典漫画って、本当に大学受験に役立つの?」と思っているそこのあなた。ぜひこの記事を読んで、古典漫画を味方につけましょう。
目次
古典に漫画は役立つ?漫画を読むメリット
背景知識を理解しやすくなる
古典の勉強で行き詰まるところとして、「単語も文法も覚えたのに、なぜか内容が理解できない」というものがあります。
内容をしっかりと理解し、古典で得点するためには、実は背景知識を理解することも大事なんです。
例えば、古典の世界での前世・前の世、出家、当時の結婚がどのような意味を持つかわかりますか?
漫画を読むことでこうした背景知識を楽しく、分かりやすく理解することができますよ。
視覚的に古典の世界を理解できる
古典の読解は文章だけで書いてありますよね。このことは当たり前のことだと思うかもしれません。
しかし物理や化学のテキストはどうでしょうか。図やイラストで説明されている部分があって、分かりやすくなっていますよね。
古典でも図やイラストを見ながら勉強すると、より分かりやすくなると思いませんか?
古典漫画を読むと、当時の建物や十二単をはじめとする衣装などが視覚的に感じられて、古典の世界を身近に思えるようになります。
苦手意識をなくせる
これは古典漫画の1番良いところです。私自身、古典の世界がなかなか理解できず、苦手意識を持っていました。
私は歴史小説や登場人物の多い小説を読んだことがありませんでした。そのため、古典を現代語訳で読むのは辛かったです。
しかし漫画で読んでみると、古文の世界の人々も同じ人間であると思えて、ドラマや映画のように古典にも興味を持つことができ、読解に対する「やりたくないな」という億劫な気持ちが薄れました。
それにより、「私も読めるはずだ!」という気持ちで取り組めるようになったのです。
すると、文章の内容が頭に入ってきやすくなり、集中力も高まりましたよ。こういった意識の違いだけで問題に向かう態度はとても変わってくるように感じられるはずです。
源氏物語を例に見てみよう(具体的な効果について)
薫、冷泉帝と言われて誰かすぐ分かる?
薫は光源氏と女三の宮の子どもとされていますが、実父は頭の中将の息子である柏木です。
また冷泉帝という人物は、源氏の父である朱雀帝と藤壺の子どもとされていますが、実父は源氏です。
このように源氏物語は登場人物が多い上に、関係がかなり複雑ですよね。
私は漫画で読む前に現代語訳で読みましたが、人物関係がはっきりとは分かりませんでした。
ところが漫画で読んでみると、絵と会話でストーリーを読み進められるため、人物関係がしっかり理解できて、「こんなに面白いんだ!」「源氏物語がずっと読まれているのには理由があったんだな!」と思えました。
光源氏ってそんな人だったんだ!
光源氏といわれると、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか。「浮気性の男だな」と考えている方も多いと思います。
しかし、丁寧に読んでみると、ただ浮気性なだけではない部分が垣間見えてきます。芸術には優れていますし、明石の地で大変な生活を強いられるシーンもありました。
また、それぞれの女性に対する光源氏の感情を理解すると、気の毒になり感情移入してしまいます。
このような光源氏の繊細な感情や特徴を理解するのに、視覚的で分かりやすい漫画はもってこいではないでしょうか。
出家や当時の結婚観が分かりやすい!
出家という単語は、頻出の基本的な単語です。しかし私は、出家の意味を言葉では暗記していましたが、いまいち理解し切れていない感じがしていました。
当時の結婚観についても同じです。今よりも若い年齢で結婚することが多いということぐらいしか知らず、結婚の持つ意味が分かっていませんでした。
しかし漫画を読んで登場人物の心情を追っていくと、出家というものが想像以上に大きな決断であること、男性が女性のもとへ通うという恋愛、結婚の様子が分かってきます。
漫画を読むことによって、これまで表面的な理解にとどまっていた当時の常識を本質的に理解できるようになりました。
これら当時の常識や価値観を本質的に理解していれば、様々な古典の文章が理解しやすくなりますよね。
漫画を読んだ後の勉強法
背景知識を復習
漫画を読んで終わりではもったいない!テキストを使って背景知識を、しっかりと定着させましょう。
Z会から出版されている『速読古文常識』はとてもおすすめです。
このテキストは例文、イラスト、単語の紹介、入試問題での出題のされ方とともに詳しい解説が載っています。
漫画を読んで視覚的に理解できたこと、なんとなく雰囲気が分かったことを、文章で読んでみることで実戦に対応することができますよ。
古文単語も怠らない
古文単語は基礎中の基礎です。怠っていては古典の文章を理解することはできません。
単語を暗記していく時には、単語の語源やイメージも一緒に覚えていくと記憶に定着しやすくなります。
その時に漫画を思い出して、単語が使われていそうな場面と結び付けてイメージしてみるといいでしょう。
古文単語の勉強法について、詳しく書いてあるこの記事もぜひ読んでみてくださいね。
問題に積極的に挑戦しよう
問題に多く取り組んで、慣れていくことも重要です。
漫画を読んだことを思い出して、自分の頭の中でも情景をイメージして解いていけるよう練習しましょう。
解き終わったらどうして間違えたのか、原因を毎回メモしておきます。
文章が理解できなかったからなのか、単語や文法でつまずいてしまったのか、設問が難しかったからなのか……。
間違えた原因が分からない時は先生に相談してみましょう。
おわりに
勉強は楽しくないと続かないものです。漫画は何より面白いのでとてもおすすめな教材です。
楽しみながら古典の勉強もできるなんて、素晴らしいことだと思いませんか?
私は高校3年生に上がる前の春休みに勉強そっちのけで源氏物語の漫画、『あさきゆめみし』を読みふけっていましたが、受験を終えた今考えるとあのとき読んでおいて良かったなと感じます。
私のように一気に読んでも、勉強の合間にコツコツ読み進めても効果はありますよ。ぜひ古典漫画を読んで、古典を得意教科にしてくださいね。